「………」
「どうした黒服」
「何やら殺意を感じましてね」
「お前はいつも殺意を向けられているな」
「貴方はいつも好意を向けられています」
「冗談を言うな。……それよりも客だぞ」
「客?ここは貴方の家で……」
『こんにちは黒服。ナイフと銃、どっちがいい?
好きな方で自害していいよ』
「……成程。殺意の正体は貴女でしたか」
『ホシノちゃんを孕ませたんだよね?ね?
許されないね。なにで償う?命?命だよね?』
「何故皆同じ誤解をするのです」
「お前が余計な事を吹き込んだんだろう」
「そんな記憶は……あるようなないような。
あと私はホシノを孕ませていません。そもそも
性行為すらしていません」
「それは私が保証できるぞ。何故ならこいつは
ロリコン朴念仁と呼ばれるほどに好意に疎く
生徒をイラつかせる大人だからな」
「貴方がそれを言わないでください」
『漫才が見たいわけじゃないんだけど……
それより黒服は早く命で償って?』
「まず誤解を解くところから始めましょうか」
ーーー
『アンドロイドにホシノちゃんが言葉を教えたら
ママって呼ばれるように?もっとマシな嘘を
ついたらどうなの?誰が信じるのさ』
「……マエストロ」
「こちらに向けて匙を投げるな」
『……嘘をついているようには見えないし
アリスとケイの二人がアンドロイドだって
証明出来るなら許してあげるよ』
「証明か。ならば複製を使えば容易い事だ。
あれは人間に使うと大変な事になるからな」
「確かにそうですが……アリスとケイだけでも
困るのにもう一人増えるのは流石に……」
『しれっと言ってるけど複製って何のこと?』
「ああ。複製というのはな、文字通りの意味だ。
一つから二つに、二つから三つに物を複製
する事が出来る。ただし人間は増やせない」
『そんな技術が……なんで人間は増やせないの?』
「要約するとバードツアー星野になるからだ」
『ああそういう事ね分かったよ』
「バードツアー……?うっ、嫌な記憶が……
これは存在しない記憶……?」
「しまった黒服に聞かせてはいけない単語だった」
『結局証明出来るの?出来ないの?』
「結論から言うと出来る。だが後始末が面倒だ」
『ふぅん……黒服は信用しないけど貴方なら
信じてあげてもいいよ』
「何故私は信用出来ないのですか」
『私からホシノちゃんを寝取ったから』
「確かにホシノを抱き枕代わりにした事は
ありますが寝取っていません」
『口ではそう言っても実際にやってないかどうか
までは分からちょっと待っておい黒服お前今
なんて言ったホシノちゃんを抱き枕代わりに?』
「ええ。甘い香りがして落ち着きますが何より
抱きしめた影響でホシノが大人しくなって
快眠出来ました」
『……判決。黒服死刑』
「何故ですか」
『有罪有罪有罪有罪死刑死刑死刑死刑』
「ちょっと先輩何してるんですか!?話し合うと
約束した側から先生に殺害予告しないで!?」
『ホシノちゃんこいつは許しちゃいけない!!
野郎ぶっ殺してやる!!』
「先輩落ち着いてください!?」
「そうです!殺すくらいなら私にください!」
「ケイちゃん?」
「はは、良かったじゃないか黒服。お前は
生徒にこんなにも愛されているようだ」
「……最悪ですよ」