「じゃーん☆」
「………」
皆の視線は目の前に置かれた怪しい瓶こと
『ベア印の超強力な惚れ薬♡』に注目している。
「話は聞かせてもらいましたよ。ええ、あの
ロリコン朴念仁にはこれくらいしなければ
ホシノと向き合えないと思います。これなら
どんな堅物もイチコロです」
「へ、へぇ……」
「……ん、これを使えば皆が私と一緒に
あっち向いてホイをやってくれる……?」
「あ、あはは……それはどうでしょう……」
「とりあえず明日の朝にでも仕込んでおきます」
黒服に惚れ薬を飲ませる非人道的作戦。まさか
本当に実行するなんて誰が想像しただろうか?
ーーー
「先生。いつものやっていい?」
「いいですよ」
「うへへ、ありがとう」
いちゃついているようにしか見えない二人を
夜のうちに取り付けた監視カメラで覗く
後輩達と何故かいるベア先生。二人が席を外す
タイミングでコップに入った液体に惚れ薬を
混ぜる必要があるのだが中々席を外さない。
時間だけが過ぎていく中突然二人が席を離れて
教室から出て行った。これ見よがしにと急いで
惚れ薬を混ぜてニコニコしながら監視カメラを
眺めているノノミと若干引いているセリカと
何を考えているか分からないシロコと
何故かメガネを拭いているアヤネ。
なんて頼もしい後輩達なのだろうか。
「あっ、二人が戻ってきましたよ」
「そして先生か惚れ薬を混ぜたコーヒーを今!
確かに口に含み飲んだ事を確認しました!」
「ここからどうなるのか……非常に楽しみですね」
ーーー
「……?」
「先生どしたの?」
「いえ。このコーヒーは無糖の筈なのですが
何故か甘さを感じましてね」
「そうなの?……ちょっと気になるから
私も飲んでみていい?」
「構いませんよ」
「ありがとー。……うへぇ……苦いよ〜」
「ふむ。気のせいだったようですね」
ーーー
「自然と間接キスしてるわね」
「多分ホシノ先輩は気づいてないですよ。
それよりもホシノ先輩まで惚れ薬を飲んで
しまいましたね」
「ん、何とかなる」
「後は流れに任せましょう。……ただ、あの
惚れ薬って即効性があるものなのですが……
おかしいですね、普段通りのような気が……」
「量が少なかったとか?」
「それについては問題ありません。一滴で
アコにすら大好きと言われる程に強力なものを
用意しましたので」
「ならどうして普段通りなのでしょうか?」
「……カンスト」
「え?」
「好感度がカンストしているからです」
「えっそんな事あります?」
「つまり黒服はホシノが好きなのですが
恋という概念を理解していないので効果がない
という事でしか説明が出来ないのです。
何故ならヒナで試した時と同じように普段と
変わらなかったので……」
「……つまり失敗したと言うことですか?」
「詰んでるわね」
「黒服は思ったよりも手強いようですね。
ロリコン朴念仁クソボケのくせに」
「もしかしてホシノ先輩って……」
詰んでる!?