例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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そういえばそうだった

「それでその時ヒナが……いえ、今はそれよりも

伝えなければならない事があります。ようやく

完成しましたよ。潜在意識に潜り込む装置が」

 

「……あっ、もう一週間経ったんだ」

 

「そういう訳なので黒服を気絶させればいつでも

脳内に潜り込む事が出来ますよ」

 

「それなら問題ありません。黒服先生は予め

気絶させて拘束しておきました〜☆」

 

「まあ、なんて早い導入なのでしょうか。

まるで過酷な薄い本のようですね。ではホシノ、

この装置を頭に装着してください。大丈夫です、

死ぬような装置は多分ついてないです」

 

「わかっ……えっちょっと待って今さらっと怖い

事言わなかった。大丈夫なの?これ安全?えっ

本当にだいじょ」

 

「あ、もう一人着けられますがどうしますか?

ヒナが行きます?いえ行ってください」

 

「展開が雑すぎない?いいけど」

 

「ここから先はふざけられませんからね。

今のうちに遊んでおこうと思いまして」

 

「ふーん……まあいいや。行ってくる」

 

ーーー

 

「ここが先生の潜在意識の中?でもここって……」

 

「砂漠だね。アビドスの自治区内って事かな」

 

「それにしては広すぎるような気もするけど……」

 

「とりあえず進んで行こう」

 

「そうだね」

 

見慣れているようで見知らぬ砂漠を歩く二人。

変わり映えのない景色に多少の不安はあるものの

何かが見つかるまで進むことにした。そのまま

歩き続けていると黒い箱のようなものが宙に浮いて

暗く怪しげに輝いていた。

 

「なんだろうこれ」

 

「あまり無防備に触れない方が……あっ」

 

ホシノがその箱に手を伸ばした途端周辺の景色が

砂漠から無機質な空間に変化して四人の大人が

何かを話している姿が視界に入った。

 

『アリウス分校に接触したと聞きましたよ。

……そしてその生徒と戯れているとも』

 

『はい。彼女達は私の手足として都合のいい駒と

なるでしょう。ですが良い兵を生み出すには

最低限の生活の保証は必要ですから』

 

『しかし搾取をするには不適切な行動です。

子供は搾取されるものと言っていた貴女が

そのような行動をとるとは思いませんでしたよ』

 

『……駒とはいえ使い捨てるのは効率が悪いと

判断したまでです』

 

『ええ、理解していますよ』

 

『貴方も生徒に接触してみたらどうでしょうか?

都合のいい駒があると便利ですよ』

 

『遠慮しておきます。接触したところで大した結果

が得られないでしょう。それよりも砂漠にある

過去の遺物でも探しに行った方が有意義です』

 

『砂漠?……ああ、アビドスでしょうか?

黒服、貴方も物好きですね』

 

『これも己の崇高に近づく為ですよ』

 

ーーー

 

「……今のって先生だよね?搾取って……?」

 

「ここは潜在意識の中だから……昔の記憶が

黒い箱の中に保存されてるとか……なのかな」

 

「先生の過去……ちょっと気になるかも」

 

「確かに……それに手がかりもないし」

 

「決まりだね。それじゃあ箱を探しに行こう」

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