例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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前回のあらすじ

寂しくて黒服に通話したいと連絡したら何故か
家に来てくれたので楽しく話していました。


残りの準備× ホシノとの時間⚪︎

「……随分と話し込んでしまいましたね。

ホシノはそろそろ休んでください」

 

「……やだ。まだ行かないで……」

 

「ホシノ……?」

 

「もっと一緒に居たいよ……離れないで……」

 

「………」

 

震えた声で黒服の袖を掴み目にはうっすらと涙を

浮かべているホシノ。先程は寂しくないと

強がっていたがやはり離れるのは嫌なようで……

 

「……仕方ないですね。明日は二人で見回りでも

しますか?ホシノが良ければですけど」

 

「……!うん!」

 

二人で居れると理解した瞬間にホシノの目は輝き

眩しすぎる笑顔で笑っている。じゃあ明日は〜と

具体的に見回る場所を話し始めるその姿はとても

微笑ましい。そんなホシノに対して黒服は軽く

おでこにデコピンをした後に

 

「もう夜遅いので話の続きは明日に」

 

と軽く注意をしてから彼女に睡眠を促した。

ソファーでも借りて寝ようとしていた彼だが

「先生は私の隣で寝てくれるよね?」と

上目遣いで見つめられてしまった。その誘惑に

抗う事は出来ず気がつけばホシノが隣で幸せそうに

寝息を立てていた。思えば式の準備をしているこの

数日間は彼女とあまり話した記憶はない。寝る前に

モモトークを送って来る事はあったが一言二言程度

しか話しておらず寂しい思いをさせていた。いくら

彼女と結婚する為とはいえこんな思いをさせて

待たせるのはよくないのではないかと考え始めた。

脳内ベアトリーチェも

 

「幸せにするのであればまずは目の前のホシノを

常に笑顔に出来るようには最低限なりましょう?」

 

と微妙に言ってきそうな事を偉そうに言っている。

想像の産物とはいえあの変態に言われていると

考えた途端何故か怒りが湧いてきそうになる。

だがその通りではあるので致し方ないとも言える。

何故結婚をするのか?それはホシノを幸せにする

という誓いを立てる為。なのに何故彼女が寂しい

思いをしていたのか。

 

「この現状は変えないといけませんね……

こんな状態ではとてもホシノを幸せになど……

出来る筈がありません……何故私はそんな簡単な

事にも気づけないのでしょうか……貴女に見合う

ような大人にならなければ……」

 

そう消えいるような声で呟いた後に彼も眠る。

 

「(……先生)」

 

目は閉じていたが彼の想いが聞こえており、

もやもやした気分になったホシノ。目を開けて

彼の背中を見つつ自らの過去を振り返る。

彼女の学生生活は黒服が側に居てくれたから

本来の世界線のホシノのように心を壊す事もなく

純粋な少女として過ごす事が出来た。それが

ホシノにとってどれだけの救いであったのか……

何故それが彼には伝わっていないのか。

 

「先生は……最初からずっと私の救いだよ。

私に見合うだなんて言わないで。貴方は私には

勿体ないくらい最高の先生なんだよ。

私が言うのもなんだけど……自信を持って」

 

彼がそうしたようにホシノも消えいるような声で

自らの想いを言葉にして今度こそ眠りについた。

 

「(ホシノ……貴女という生徒は本当に……)」

 

黒服もホシノの想いを聞いていた。背中越しの

小さな声だが彼の耳には届き一言一句聞き漏らす

事もなく全てを聞いた。自信を持って。そう

ホシノに言われた事が不思議と嬉しく思う。

心の底で自分はホシノに見合った存在ではないと

思っていた彼にはその一言が深く刺さったのだ。

 

「(貴女の想いに応えられるようになります。

時間は掛かると思いますが……必ず)」

 

決意を抱いて再度意識を手放し彼は眠った。

その後偶然なのか彼の左手はホシノの右手に

絡みつき手を握った状態で朝まで……

 

ーーー

 

「過ごしちゃった……///」

 

「無意識に手を繋いで寝ただけで大袈裟ですね」

 

「だってぇ……うぅ、なんで先生は平気なのさ」

 

「普段からホシノを膝に座らせてるので

今更手を繋いだ程度では動揺しませんよ」

 

「それもそうかも……あれ、もしかして私って

普段から結構恥ずかしい事をしてたりするのかな」

 

「まさかとは思いますが……それを意識せずに

私の膝に座っていたのですか?」

 

「えっと……うん。そう……だね。うへへ///」

 

「全く……貴女という生徒は……」

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