例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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冷静に……なれるか!

(目の前に差し出されたのは紅茶。湯気が見えて

とても暖かそうなそれを飲むのは躊躇う。)

 

「おい」

 

「"!?"」

 

「紅茶が冷めるだろう。早く飲め。それとも

毒でも入っているのではないかと警戒して飲めない

のか?それは私の恋人に対する侮辱だぞ?」

 

「"……いただきます"」

 

「それでいい」

 

(正直ゲマトリアを疑うなという方が無理な話では

あるのだが彼の恋人?であるユメ?を信用して

紅茶を口に含んでみると……)

 

「"あっ美味しい"」

 

「私の恋人が淹れたのだから当然だろう。これを

毎日飲める私は幸せものだぞ」

 

『先生は私の事を過大評価しすぎですよ……

でも嬉しいです』

 

「"なんなのこの人達……"」

 

「とにかくこれで分かっただろう。私達に敵対

する意思はないという事が」

 

「"それは分かったけどマエストロがこんな

風になった理由については理解できてない"」

 

「それは今から話す。……二人とも、私は

何処から話すべきだと思う?」

 

「最初から伝えればいいと思います」

 

『先生の判断に任せます。でも……その……

あれの話は恥ずかしいのでしないでください。』

 

「"あれって?"」

 

「私とユメの秘密だ」

 

「"そ、そうなんだ……"」

 

「では最初から話そうか。まず前提として私達は

この世界に属する人間ではない。少し前にこちら

の黒服と接触したと思うのだが……」

 

「"黒服……あの寝取り野郎の事?私の生徒である

ホシノを洗脳したあの悪い大人?"」

 

「正確には洗脳はしていないが……私達はその

黒服と同じ世界から来た。ちなみに黒服はあの後

色々あってホシノと結婚している」

 

「"あの黒服と同じ世界から……ちょっと待って

今聞き捨てならない言葉が聞こえたんだけど?

黒服とホシノが結婚?え?"」

 

「何か引っ掛かるところがあるのか?」

 

『……これが普通の反応だと思います』

 

「"申し訳ないけどそっちの世界は狂ってると

言わざるを得ないよ……おかしいって、一体どう

因果が捻じ曲がったら黒服とホシノが結婚する

世界が生まれるの?異常事態だよ?"」

 

「……確かにな。あいつがロリコンになるなど

同志の私ですら想像出来なかったくらいだ。

ましてや他の黒服は大体ろくでもない奴だと

聞いている。こんな反応になるのも仕方ない」

 

「"ロリコンというかそれ以前の問題というか……

また混乱してきそうだよ"」

 

「ちなみにこれが結婚式の写真だ」

 

「"くろふ……白服!?ホシノがウエディングドレス

を着てる!?こんな悪夢があっていいの!?

ドレスを着たホシノは可愛いけど!"」

 

「そのドレスを作成したのはマダムだ」

 

「"マダム?ゲマトリアのマダム……嘘でしょ……?

ベアトリーチェがこれを……?"」

 

「そのまさかだが」

 

「"絶対におかしいって……悪い大人としての

ゲマトリアが崩れすぎてるよ?それでいいの?"」

 

「私はユメが幸せになるならそれでいい」

 

「"もう先生になった方がいいんじゃないかな"」

 

「既に教師だ」

 

「"マエストロの皮を被った別人じゃないよね?"」

 

『……あの、いくら先生とはいえ私の大切な人を

疑うのは許しませんよ』

 

「"ご、ごめんね……ただ私の知るマエストロと

あまりにもかけ離れすぎてたからつい……"」

 

「私はどう思われようと気にしていない。

とにかくそんな経緯があってこの世界のホシノに

結婚報告に行った黒服について来たのだ」

 

「"えっあの黒服来てるの?"」

 

「来てるぞ」

 

「"ちょっと会ってみたい気もする……"」

 

「会いに行くのは構わないが……先程も聞いた

事ではあるが恐怖に染まった生徒を元に戻す

方法について何か知っていないか?些細な事でも

構わないのだが……」

 

「"……もしかしてユメのヘイローが黒い理由って

そういう事なの?"」

 

「そうだ。詳細は言えないがユメは物凄く悲惨な

運命を辿ってきた。私は彼女を愛する者として

平穏に生きて欲しいのだ。本来恐怖に染まった

者を元に戻すのは絶対的に不可能とされている

のは百も承知だ。だが諦める理由にはならない」

 

『先生……』

 

「"……そっか。あの子と同じ状態なんだね。

分かった。私の知ってる事を話すよ"」

 

「すまない……助かる」

 

「"……でもその前に仮眠していいかな?

紅茶を飲んで落ち着いたら睡魔が……"」

 

「ああ。何時間でも待つ」




おまけ その頃黒服達はというと……

「……何ですって?この学校にはシャワーしかない?
ではホシノの為に炭酸風呂に入浴できる施設を……」

「えっいやちょっと勝手に学校を改造しないで」

「大丈夫です。扉の先を私の世界にあるアビドスの
炭酸風呂に接続するだけなので」

「それでもおじさん的には困るんだけど……」

「ホシノの肌が荒れている方が問題でしょう!」

「……うへーこの黒服気持ち悪いよぉ……」

こんな事をやってましたとさ
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