いつも読んでいただき感謝致します。
「一つ問いかけてもいいだろうか?」
「はい」
「何故私は正座をさせられているのだ?」
「私がシャーレの先生を面倒な人達から守りつつ
徹夜で百鬼夜行の陰陽部という所まで連れてって
苦労をしている中旅館でイチャついて
楽しんでいたからですけど何か不満な事が?」
「それは仕方ないだろう。浴衣を着た湯上がりの
恋人を見たら愉しむのも辞さないのは当然だ」
『実は私も少し期待しちゃってたりしたんだ』
「バカップルですね。まだ父と母の方が理性は
あると思いますよ」
「それはない」
『それはないよ』
「……確かにそうでした。そういえば例の鳥居が
あった場所は見つかったのですか?」
「まだ見つかっていない。今日から本格的に捜索
を始めようと思う」
『とはいえ目星が付いていない以上闇雲に歩き
回るのは得策ではないと思いますが……』
「それもそうだな……」
「とりあえず先生は徹夜して働いた私を労る
必要があると思うのです。つまり美味しい食事を
私に食べさせる事を要求します」
「構わないが……ケイはそこまで我儘な性格
だったのだろうか……」
「私は歳相応の振る舞いをしているだけです。
早く私に食べさせてください」
「歳相応なのか……?まあいい。どちらにせよ
これから朝食を摂る予定だったからな」
『旅館は何故か提供出来る食事のレパートリーが
焼きイカとお刺身しかないらしいのでこれから
ユカリちゃんに教えていただいた食事処に行こうと
思っていまして』
「ユカリ?」
「それについては向かいながら話すとしよう」
ーーー
「本当にそれを食べるのか?」
「これくらいなら食べ切れます」
『まさかホールケーキを一人で食べるなんて……
アンドロイドって凄いんだね』
「今更だがアンドロイドなのに食事を摂って
大丈夫なのか?……まあその様子なら大丈夫か」
「もごもご」
「口の中にあるものを飲み込んでから話してくれ
行儀が悪いのは美しくない」
「……私は確かにアンドロイドですが超精密なので
何も問題がありません。なんなら体重が全く変動
しないので甘いものも食べ放題なのです」
『体重が増えない……?羨ましい……』
「そうか……トリニティの生徒達に聞かれたら
殺意を向けられてしまいそうだな。あとユメは
もっと食べてくれ昨日も思ったが身体が細すぎる」
『……では先生の手料理が食べたいです』
「あ、ああ……まだ大したものは作れないがユメの
為なら用意をしよう」
『楽しみにしていますね♪』
「息をするようにイチャついているお二人こそ
トリニティの生徒に殺意を向けられてそうですね。
あとどうして先生はユメの身体の細さに関して何故
昨日疑問に思っているのですか?」
「それは……偶然視界に入って気になったのだ」
「……まあ、何をしていようとも構いませんが
あまり夜遅くまで行為を行うのは避けておいて
くださいね。不測の事態に備えておきましょう」
「そうだな」
『……あれ?』
「どうした?」
『いえ……今何か変な感じがして……まるで私の
ように神秘が反転した人の気配を感じまして……』
「なんだと?……いや、考えてみれば当然と言える
私達の世界にユメが来たのと同様にこの世界にも
神秘が反転した生徒が来てもおかしくはない。
問題はそれが誰なのか、だが」
「ああ、それなら昨日先生の記憶を読み取った際に
確認しましたよ。その生徒の名前は確か……
『砂狼シロコ』と記録されていました」
『シロコちゃん……そっか、通りで知っている気配
だと思ったんだ。あの子も私みたいな経験を……』
「もう一人のシロコは騒動が落ち着いた後各地を
放浪しているとの事です。……最もシャーレの先生
に接触はしていないようですが」
「そうか……」
『先生、その……』
「分かっている。そのシロコを探しに行きたいの
だろう?鳥居の方は私が探しておくからユメの
やりたいようにやっていい。ケイもユメに同行
してくれ。任せたぞ」
「分かりました」
『先生、ありがとうございます』
「(……尚更反転した状態から治す方法を見つけねば
ならないようだな。面倒ではあるがその先にある
笑顔という名の芸術の為ならば構わない。それが
私の崇高であるのだからな)」
その頃のアビドス
「ホシノ、ホシノを見かけませんでしたか?」
「どしたの先生寝ぼけてるの?私はここだよ?」
「いえ、こちらのホシノと言いますか……」
「あ、ああ。あの子なら用事があるって朝から
走って出掛けて行ったよ」
「何ですって?行き先はどちらですか?」
「確か…ャ……に」
「何故そこに行く必要が……」
こんな感じです