例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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ヘイローを破壊する爆弾

机に置かれた爆弾。それはフランシスに手渡された

ヘイローを壊す爆弾。それと接触した際の発言から

から推察するにこれを利用すれば生徒達から搾取を

する悪い大人に戻れるとの事。つまりホシノにこれ

を使えと遠巻きに言われているようなものだ。

今の自分を形作ったのは紛れもなくホシノであり、

彼女との接触が無ければ自らが教師の道を歩む事

なく悪い大人として過ごしていたと想像できる。

それが碌でもない結果になる事はこの世界のホシノ

達を見れば容易に分かる。表面上はとても楽しそう

に振舞っているが細かな亀裂が広がっており、少し

きっかけがあれば一気に崩れてしまうような……

そのくらいギリギリとも言えるバランスでこの

世界のアビドスは成り立っていた。

……何故世界は彼女達にそこまで背負わせようと

するのだろうか。確かにこの箱庭における彼女達、

忘れられた神々は注目されるべき存在である。

だがそれ以上に一人の未熟な子供でもあるのだ。

 

「……だからこそこの爆弾に価値は見出せません。

生徒の未来を奪う道具など……」

 

自然と無意識のうちにこぼした言葉に含まれた

生徒の未来というもの。このような発言は数ヶ月前

の自分では絶対に言わない言葉だっただろう。仮に

言葉にしたとしても確実に本心ではない。それが

今は心の底からそう考えてしまっているから不思議

で仕方がない。……既に悪い大人には戻れない。

だが、戻る必要もない。フランシスには悪いが

この爆弾は有効利用させてもらう。

 

「……成程。見た目は普通の爆弾ですが強力な概念

が埋め込まれていますね。ゴルコンダの技術はどの

世界でも素晴らしいものですね。使い方はともかく

技術の高さは評価できるでしょう」

 

正直な話現状ではただの爆弾にしか見えず特定の

もの、つまりヘイローのみを破壊できる理由は

何一つ解明出来ていない。ゴルコンダに聞けば早い

のだろうが彼はいま赤に染まっているとの事で連絡

がつかない状況だ。……彼はなんなのだろうか?

ゲマトリア内であっても技術品の交換などは行って

こなかった。概念について聞いておくべきだったと

今となっては後悔している。非常に困った。

研究者を自負していたものの分野が違っており

断片的にしか分からない以上解明が全然進まない。

ため息混じりに爆弾を眺めていると部屋の中に扉を

叩く音と扉越しに聞き慣れた声が聞こえてくる。

 

「先生、入っていい?」

 

「ええ、どうぞ」

 

「先生、お疲れ様。差し入れのコーヒーだよ」

 

「ありがとうございます」

 

「……それの解明、進んでるの?」

 

「あまり調子が良いとは言えませんね。なにしろ

私の技術とはまた違ったものを使用してまして」

 

「よく分からないけど……それってヘイローを壊す

爆弾なんだよね?だったらさ、前に私にやった……

あの管に繋がるやつみたいな事をすればいいんじゃ

ないかな」

 

「……ですがあれは神秘を反転させる実験であり

無機物に行うものでは……いえ、反転という概念

が存在するのであれば……?」

 

「……ありゃ、また何か考え始めちゃってる。

でも何かに熱中している先生もカッコよくて好き」

 

「何ですって?私が好き?」

 

「なんでそういうところは聞こえてるのかな……」




おまけ 一部始終を見てた原作アビドスメンバー
達から一言ずつ

「改めてホシノ先輩と黒い人がいちゃついてる
光景を見たのですが……違和感しかありません
でした。ですが純愛ならOKです☆」

「ん、地獄絵図」

「前にホシノ先輩を誘拐した理由ってそういう……
ってあの気持ち悪いのとは違うわよね」

「愛の形は人それぞれですので……私がとやかく
言うのはちょっと違うと思います」

以上
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