「風呂上がりはコーヒー牛乳、朝はプレーンの牛乳
とはよく言ったものですね。目が覚めます」
『……あの二人まだ起きてこないけど』
「気にするだけ無駄ですよ」
『そう……』
清々しい程の朝。四人分の朝食が並んでいる中
談笑するケイとシロコ。生意気な子供とそれを
生暖かい眼で見ている保護者のような関係の
二人は別室で眠っている?ペアを待っている
ようだ。とはいえまだ朝早い時間とも言える
のであと10分は待とうと決めたそう。
「そう決めたのは良いものの来ませんね」
『……部屋に様子を見に行こうか?』
「やめておいた方がいいです」
『そうなの?でもご飯が冷めちゃうよ』
「それもそうですね。では叩き起こしましょう」
『その槍は何処から取り出したの……?』
「この武器の名前はケイ・ボルグです」
『そっか……』
この二人、思っていたよりも相性が良い。
そんな事はさておき、二人が部屋を出て問題の
場所に着く前に一悶着が。そう、ケイ自身が
寂しがり屋な事と同時にもう一人。寂しがり屋
は存在している。
「ケイ〜!!」
「……何故貴女がここに居るので」
ガンッ‼︎ドンガラガッシャーン‼︎
同じ見た目の少女は鈍い音と共に衝突した。
そう、寂しがり屋の正体は
「三日間もこんなところに居たんですね!!
ケイもホシノママも黒服パパも皆居なくなって
アリスは寂しかったんですよ!!」
「わ、分かりましたからこれ以上首を振るのを
やめてくだあばばばばばばばば」
『同じ見た目……それよりも黒服パパ……?
ホシノママ……本当に悪夢は実在しているの?』
「……あ、シロコです!シロコが居ます!
ですかアリスが知るシロコよりも綺麗です!」
『あ、ありがとう……?』
「どうした、何の音だ?……その眼の色はアリス
か……何故ここにいるのだ?」
「寂しいからエンジニア部に頼んでケイのいる場所
に飛ばしてもらいました!」
「……あいつら本当に何でも出来るな。私の生徒
としては誇らしいが怖くもあるぞ」
『先生、それよりもあれを止めないとケイちゃんが
吐きそうですよ。顔色が真っ青です』
「アンドロイドって嘔吐するのか?」
『……どうなんでしょう』
ーーー
「危うく全バックアップが吹き飛ぶところでした」
「想像以上に危機的状況だったのか……それよりも
黒服ファミリーが揃ってしまうとは思わなかった」
『黒服ファミリー……何その地獄の権化みたいな
単語……でもこのアリスって子も黒服パパって
言ってたし……そんなのが本当に存在してるの?
最も破壊するべき世界じゃないの?』
『シロコちゃん、私もそう思ったんだけど……
幸せそうなホシノちゃんを見ているとあの黒服を
撃つ事は出来なかったんだよ……』
『絶対洗脳されてる。私が呪縛から解き放つ』
「落ち着いてくれシロコ。確かにあいつは
どうしようもないロリコンの朴念仁だがな?
ホシノに対する愛だけは本物なんだ」
『黒服に愛なんてある訳がない』
「一体あいつは何処まで業を重ねているんだ。
……ん?急にモモトークが」
『黒服信用されなさすぎて草生えますね』
「…マダムは出禁喰らっているがな」
『はぁ!?まさか本当に私のヒナサンドの夢は
儚く消えてしまうのですか!?何故私は出禁
なのですか!!理由を教えてください!!』
「知らん」
『何ですか!?大した理由もなく私はただ出禁
という事実を受け入れろと言うのですか!?』
「そうだ。……そろそろ朝食を食べるので通知
を切らせてもらうぞ」
『言い逃げは許しませんよマ』
「よし」
「話は終わりました?丁度アリスの分の朝食も
用意して貰えましたので冷めないうちに……
既に冷めかけていますが頂くとしましょう」
「これがリョカンメシというものなのですね!
レトルトカレーよりも美味しそうです!」
「モモイ……アリスに何を食べさせているの
でしょうか……」
『ま、毎回その子が原因という訳じゃないと
思うけど……』
「いえアリスにレトルトなんて食べさせるのは
堕落しているモモイしか居ません」
「ゲーム開発部自体料理出来る生徒がいる印象が
ないが……」
『……ねえ、貴女の親って本当にホシノ先輩と
黒服なの……?』
「はい!アリスはホシノママと黒服パパの手で
育てられた優秀な娘です!」
『そうなんだ。狂ってるね』
「黒服はそんなに嫌われているのか……」
『私の知る黒服はクズです』
『同じく』
「あいつ可哀想だな」
「先生、アリスは育ち盛りです。なので先生の
白米をもらいます!」
「おい待て勝手に食べるな!分ける分には構わんが
全部食べるのは違うだろう!」
「食事中に気を抜いた先生が悪いです。あ、私も
卵焼きを貰いました」
「好き勝手やりすぎだろう!」
『……まあ、黒服もあんな感じで振り回されてる
からさ?納得出来ないとは思うけどね。だって
黒服とマエストロ先生は全然違うからさ』
『……それには同意する』
『さ、私達も参戦しよっか。朝食戦争』
『……ん』
「おい待てお前達まで私を狙うな!!やめろ!!」
パーティに勇者アリスが合流した!
そしてマエストロは朝食を失った!
結局進行していないという野暮なツッコミは
受け付けております