例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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夢の残した足跡を見ました。
仕事中もその事について考えていました。
どうして幸せそうな先輩とホシノを最初に
見せつけてくるのでしょうか。
泣くぞ


こうして手駒にするんですね

三人と別れてコスプレ少女を追う二人。

途中に居た忍者集団と巫女服を着た集団を

通り過ぎ……

 

「なあユメ、巫女服に興味はないか? あの桃髪の

生徒のように巫女服黒タイツを履いて欲しい」

 

『次は巫女さんですか……絶対考えておきます』

 

「それか忍者でもいいぞ?」

 

『先生にはお色気の術がよく効きそうですよね』

 

「よく分かってるじゃないか」

 

……やはり妄想はしてしまう。それもその筈、

ユメという存在は彼にとって最高の芸術を表現する

為に欠かせない。故に見知らぬ衣装を見かけたら

第一に『ユメに似合うのか』を考えてしまう。

それが今の彼にとっての崇高であった。

控えめに言って常軌を逸している。

 

『それはいいですけど先生、さっきの子が目の前に

居ますよ』

 

「よし。まずは話を聞いてもらう所からだな」

 

声をかけようとした刹那、自称コスプレ少女は

左手で銃を構えてながら疑うような眼差しで

 

「どうして追ってきたの?」

 

と警戒心強めな口調で問いかけてくる。その反応は

何も間違ってはいないので語る事もないだろう。

……さて、どうやって説得しようか?唐突に核心を

突いたような発言をする訳にはいかない……よし、

ここは親しみやすくなるようにこう言おう。

 

「その完成度の高いコスプレに興味があってな。

是非其方と話がしたい」

 

「……いや、これはその……」

 

嗚呼しまった。さっきのコスプレは咄嗟についた

嘘だったな。掘り返すべきではなかった。彼女も

どう返していいか困っている。どうやら私は話題を

振るのが苦手なようだ。それならばいっその事……

 

「困らせてしまったのであれば謝罪しよう。だが

その反応から察するにただのコスプレ少女では

なさそうだな」

 

「……私に接触して何が目的なの?」

 

「目的か……私はただ話がしたいだけだ。

百花繚乱とは縁があるのでな。お前もその一人

なのだろう?」

 

「……いえ、私はただの一般生徒だから」

 

「それならばその羽織の事はどう説明する?」

 

「………」

 

おかしい。何故か彼女の警戒心が強くなっている。

私は説得に向いていないのだろうな。

 

『先生、ここは私に任せてください』

 

「……すまない。私にはダメだったようだ」

 

『大丈夫です。警戒心は強くなりましたが先程まで

の殺意と敵対心はなくなっています』

 

ユメに言われて気づいた。確かに彼女の表情は何も

変わっていないが構えていた銃を降ろしている。

……これはただ舐められているだけではないか?

敵以下の存在だと認識されたのでは?

実際敵対する必要はないので構わないが……

 

『ごにょごにょ……』

 

「……! 分かった。話だけなら」

 

「おい待て何を話した。私の説得の1割にも満たない

時間で上手くいっているのはおかしいだろう」

 

『まあまあ。とりあえず移動しましょう。彼女が

話し合いに丁度いい場所を知っているようです』

 

「……まあいいか」

 

ーーー

 

コスプレ少女に連れてこられたのは焼き鳥屋

……焼き鳥屋? 朝から? 何故だ?

まあ……私も空腹ではあるので助かるが……

 

「食べないの?」

 

「ん? あ、ああ。食べるとも」

 

この少女もマイペースなのだな……何故百花繚乱は

濃いメンツしか居ないのだろうか……百花繚乱に

限った話ではないのかもしれないが……

 

「御稜ナグサ」

 

「ん?」

 

「私の名前」

 

「そ、そうか。……待て、ナグサだと? その名は

百花繚乱の委員長代理の名前じゃないのか?」

 

「もう退部した」

 

「それなら違うか……退部だと!?」

 

現委員長代理が退部してしまっていいのか?

残された委員は混乱するのでは? まさかこれも

私がユカリに関わった事で起こってしまった事態

なのだろうか?だとすれば……

 

「私には実力がないから……委員会を率いる資格

なんてない。だから退部って伝えてきた」

 

「色々大変なのだな……だがそれ以上の事は無理に

話す必要はない」

 

「……話がしたいって言ってきたのにいいの?」

 

「確かにそう言ったが何も暗い話だけという訳では

ないからな。例えば……焼き鳥では何が好みか。

そんな単純な話題でもいいんだ」

 

「ねぎま」

 

「食い気味で答えてくれるとは思わなかった」

 

『……あ、ねぎま3本追加でお願いします』

 

「貴方達はいい人」

 

「私が言うのも何だが……この程度の事で簡単に

いい人かどうかを判断するのは駄目だぞ」

 

「でも悪い人ではない。私はそう思った」

 

「……いや、私は悪い大人で……」

 

「嘘が下手なんだね」

 

「その羽織をコスプレなんて誤魔化したナグサに

言われたくはないな」

 

「……やっぱ悪い人」

 

『この短期間で息が合いすぎではないですか?』

 

「恐らく波長が合うのだろう」

 

「ただの偶然だから」

 

『やっぱり合ってないようですね』

 

「何故嬉しそうなんだ」

 

『先生と相性が良いのは私だけで充分ですので』

 

「………」

 

少し前から気にはなっていた。だが今まで触れずに

いたがそろそろ限界なので言わせてもらおう。

ユメの湿度が高くなっている気がする。思えばユカリ

と出逢った時から様子がおかしいと思っていた。

ケイと同様に自己主張が強くなったのだろうか?

……つまり自分に自信が持てているという証拠だ。

 

「私はそんなユメを愛している」

 

『えっ/// もう、いきなりどうしたんですか?

私だって先生の事を誰よりも愛していますし……

ごにょごにょ……」

 

「……何これ」

 

初対面の相手の前であってもイチャつく二人を

見ながらねぎまを左手で食べるナグサ。焼き鳥を

食べる彼女には既に警戒心は無くなっていた。

 

……代わりに困惑しているが。




私思ったんです。既に独特の世界観で展開される
この作品で原作通りに進める必要はないと。
という気力がなくて百花繚乱編を見返す時間が
ないという事の言い訳に使います。
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