例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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ここだけの話
胴体=ゴルコンダ
絵画=デカルコマニー
だと勘違いしてました

正しくは
胴体=デカルコマニー
絵画=ゴルコンダ
でした
ゲマトリアを取り扱う人がやってはいけないガバを
見事やりました


……? 

「……本当にこの場から去る予定なのですか?」

 

「はい。私はもうプリン職人ではなく一人の大人

として存在していたいのです。……確かにプリン

を頬張り幸福に浸る姿を見るのは愛玩動物を眺める

際の感情に近しいものはありましたがそれは私が

追い求める崇高ではないので」

 

「ですがプリンを作っているのも肯定するのも

全てデカルコマニーが担当しているのでは?」

 

「そういうこった!」

 

「それが困るのです。デカルコマニーにプリンを

作らせる、即ち私が机に放置されるのです。

そのような扱いが耐えられないのです。もうあの

洗脳曲を隣で流されながら理解不能な思想に

染まる空間になど居たくありません」

 

普段穏やかな彼がここまで拒絶反応を起こすとは

一体レッドウィンターの生徒達は何処まで常識が

通用しないのだろうか……

 

「では私が貴方を脱出させ……」

 

「ちょっと待って先生。工務部に行って私達の家

を建ててもらう契約をしないと」

 

「そうでしたね。……ゴルコンダ、貴方を助ける

代わりに工務部の場所を教えて頂きたいです。

一応言っておきますがこれは契約ではありません」

 

「工務部ですか。今彼女達はシャーレでデモ活動

をしているので自治区内には居ませんよ」

 

「そういうこった!」

 

「???」

 

何故デモ活動を? 何故? 何故? 何故?

 

「シャーレでって事はもしかしたらベアさんと

出会ってたりするのかな」

 

「その可能性がありますね。念の為後で連絡して

おくとしましょう」

 

既にマダムの毒牙にかかっているのかもしれないが

その責任は彼女自身が取るだろう。既婚者だが。

 

「では脱出するとしましょう。忘れ物等があれば

今のうちに回収しておいてくださいね」

 

「お気遣いなく。そのようなものはありません」

 

「分かりました。三人とも準備は……」

 

「父。この人を脱出させるなら私がワープで送り

届けた方が早いのではないでしょうか?」

 

「なんと。そちらのお嬢さんはそのような神秘を

持ち合わせているのですか。しかしですね……

この自治区内ではそんな都合のいい能力は使用

出来ないのです」

 

「何故ですか? ただえさえ前回の六部でも大した

出番がなく終わったというのにここでもそんな不遇

的な扱いを受けないといけないのですか?」

 

「ワープ自体は可能です。私も何度か試しました。

しかしどんなに座標を細かくしても自治区の中心部

にしか飛べないのです」

 

「そういうこった!」

 

「致し方ありませんね。徒歩で向かいましょう。

ゴルコンダが希望する場所は何処ですか?」

 

「いつもの会議室が良いです。前回戻れた際は

そこまで執着されておらず洗脳されていたので

レッドウィンターに帰ってしまいましたがもう

二度と戻る事はないでしょう」

 

「……ではそういう手筈で」

 

ーーー

 

「そういえば外にいた神秘を帯びたシロクマは

貴方が生み出した作品なのですか?」

 

「何ですかそれは? そのようなものを生み出す

意味はありませんよ。ただえさえクーデターやら

で面倒事が多発していたと言うのに……」

 

「そういうこった!」

 

「ではヘイローを破壊する爆弾の開発は……」

 

「そのようなものでレッドウィンターの生徒を

従わせられるとでも? それに使用してしまえば

面倒な敵が多くなってしまいます」

 

「そういうこった」

 

「一理ありますね。マダムやら先生やら……敵に

回すと鬱陶しい事この上ないです」

 

どうやら彼は既に悪い大人というよりも社畜の

ような存在に成り果てているようだ。そして

レッドウィンターというブラック企業からの脱出

を図るただの大人……なんて世知辛いのだろう。

……ならばあの生物は誰が生み出したのか?

もしやゴルコンダを地下に監禁したのもその生物

から守る為だったのか? だとすれば敵は一体

誰なのだろうか……

 

「ホシノママ! アリスはレアアイテムの

『喋る絵画』を手に入れました!これで秘伝の

プリンレシピを知る事が可能です!」

 

「じゃあ家に帰ったら一緒に作ろっか」

 

「はい!」

 

「嗚呼……私はレッドウィンターから脱却しても

尚プリンの呪縛から逃れられないのですね……」

 

「……ホシノ達は何をやっているのでしょう」

 

「アリスが美味しいプリンを食べたいと言い始め

まして。折角ならレシピを教えてもらいながら

家族で作ろうという話になりました」

 

「いつの間に……」

 

ゴルコンダからプリンのレシピを聞いてメモを

取っているホシノ。涎が絵画に垂れているが

気にしていないアリス。さりげなく恋人繋ぎで

手を握ってくるケイ。無言のデカルコマニー。

いつも通り混沌とした空間が形成されていた。

 

「……父。そちらの方が地図を開いてます」

 

「……どうしたのですか?」

 

デカルコマニーが指で示しているのはシャーレ。

そこに行きたいのだろうか? 何の為に?

 

「シャーレに行きたいのですか?」

 

「そういうこった!」

 

「先生に会いたいのですか?」

 

「………」

 

「ではマダムに?」

 

「………」

 

「……もしや教員免許が欲しいのですか?」

 

「そういうこった!」

 

「まさかレッドウィンターで教師を……?」

 

「そういうこった!」

 

「ああ、違和感の正体はこれですか」

 

普段そういうこったとしか叫ばないゴルコンダの

手足のような存在であったデカルコマニー。彼は

一足先にこちら側に足を踏み入れていたようだ。

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