例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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主導権を握っているのは胴体

大分面倒な事になってきている。今までこのように

ゴルコンダとデカルコマニーの意見が相違する事態

は起こった事例がない。そもそもそういうこったと

しか言わない彼と意思疎通をした事すら殆どなく、

普段何を考えているのかすら不明だった。そんな

彼が教師になりたがっている。

 

「どうすればいいのでしょう」

 

「絵画の人を説得してレッドウィンターの専属に

なってもらうしかないのでは?」

 

「ゴルコンダの考えは変わらなさそうです。

彼とあの学園は相性が悪いようですし」

 

「どうせロリコンですし適当な事を言えば納得

してくれますよ」

 

「そういうこった!」

 

「………」

 

ゴルコンダは何故舐められているのだろうか……

彼が一体何をしたと言うのか……フランシス?

あれは別人格のようなものなので問題はない。

 

「では一度会議室に送り届けてからシャーレに

行くとして……問題はあちらの方でも何かトラブル

が発生している事なんですよね」

 

「大方あちら同様『カルバノグの兎編』のような

問題が起きていると予想されます。多少、いえ

かなり流れは変わっていますが本筋は変わらずに

先生とSRT特殊学園の生徒達が奮闘していると

予想されます。それにしても思っていたよりも

この本編先生の記憶は役に立ちますね。仮に悪用

でもされてしまえば悲惨な目に遭いますが」

 

「ほう、そのようなものを所持していたのですか。

後で共有をして貰えると有り難いですね」

 

「キス一回でどうでしょう」

 

「いいですかケイ。記録よりも大切なものは存在

しているのです。例えば理性、これがなければ

人という存在はただの獣に成り果てる。何かを

得る為に大切なものを捨ててしまうのは愚策。

記憶という取引材料を持ち出したのは賢明だと

言えますがその代償があまりにも大きい。私は

ホシノ以外に接吻をするつもりがありません。

よってその契約は不成立です」

 

「では耳元で愛していると囁いてください」

 

「いいですかケイ。時に人は間違いを犯します。

感情が移ろいで愛する人とは別の人間に愛を

伝えたりもするでしょう。それが如何に愚かな

行いかを貴女は知らなければなりません。

もしここで私がケイに愛していると囁き、それが

ホシノの耳に届きでもしたらどうなるか……

考えただけでも恐ろしいですよ。脳が破壊される

という言葉が当てはまってしまいますからね。

結論としてはその契約も不成立です」

 

「娘に愛していると伝える分には問題ないと

思います。なので言ってください」

 

「何故そこまで私に愛されたいのですか?」

 

「親に愛されたいと思う事に理由が必要ですか?」

 

「必要ないですね。流石自慢の娘です」

 

「……それと私はアンドロイドなので生殖機能が

ないので愛玩用として使用して頂いても」

 

「今度倫理観と道徳について勉強をしましょうか」

 

ーーー

 

「以上がレッドウィンターに在住していた最中に

構想したプリンのレシピです」

 

「まさかプリンだけで数百種類もレシピを考えつく

なんて……大半はおふざけだったけど」

 

「スネイルプリンが作れるのですか!? しかし

それはスネイルではなくバブルスネイルの方が

似ていますね」

 

「ゴルさんはどうしてこんなにプリンのレシピを

考えついたの? やっぱり生徒の為?」

 

「あちらの胴体、デカルコマニーが張り切って

いましてね。一人一人に要望を聞いてはそれに

近いプリンのレシピを考案する、といった事を

頻繁に行っておりまして。その過程でレシピが

大量に増えたという訳です」

 

「そうなんだ……熱心なんだね」

 

「面倒ではありますが大人としての筋は通すべき

だと判断したのです。その後に利用する都合上今の

うちに幸福を与える、といった意味も多少は

秘めていましたが今となっては利用されていた

のは私達の方でしたね」

 

「それだけ頼られていたという事だとアリスは

考えます。魅力以外が1の絵画さんでも他の人達に

とっては大切なメンバーなのだと!」

 

「成程……? いえおかしいですね、魅力以外の

能力が1ですって? 何て失礼な事を……黒服は

娘の教育すらまともに出来ないのですか?」

 

今先生の事を悪く言った?

 

「いえ何でもありません。家族想いなのだと

遠回しに褒めたのですよ」

 

「そっかぁ。そうだよね、先生の悪口を言う人が

生徒に好かれる訳がないもんね」

 

「え、ええ(なんて恐ろしい殺意……黒服はこんな

化け物をどのように懐柔したのでしょうか……)」

 

「今母の事を化け物呼ばわりしましたね?」

 

「思考盗聴ですか? もしや貴女も先生同様に

メタファー要素に踏み込める資質が……」

 

「何ですって? ホシノを化け物呼ばわり?

ゴルコンダ、貴方は最低な大人ですね。人の妻を

そのような低俗な呼び方をするなんて」

 

「呼んでいません。あくまで脳裏で想像した際に

化け物という言葉で表現したに過ぎませんよ」

 

「充分に失礼ですね」

 

「アリス、その絵画は雪の下に埋めましょう」

 

「ですがプリンのレシピがまだ……」

 

「それを埋めたら父が新しいゲームを買ってくれる

らしいですよ」

 

「埋めます!」

 

「まさか本当に埋めるつもりなのですか? 冗談

などではなく!?」

 

「はい」

 

「わ、分かりました! 謝罪します、このような

失礼な態度をとってしまい申し訳ございません!」

 

「上っ面のくだらない謝罪に価値はありません」

 

「デ、デカルコマニー! 見てないで私を助けて

ください! お願いします!」

 

「………」

 

「デカルコマニー!?」

 

「彼は既にこちら側の大人ですので」

 

「そういうこった」

 

「裏切ったんですか!? お待ちください!!

お慈悲を!! 挽回する機会をください!!」

 

「雪の下に埋まるか存在の抹消、です」

 

この世界はホシノを馬鹿にする人間は消される。

悲しい事にそれがルールなのだ。




この後ホシノの慈悲によって30分後に掘り起こされました
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