例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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会話休題

黒服達が絵画虐待をしていた頃。

トリニティではすごく活き活きとしているユメと

マエストロラブ勢であるにも関わらず六部の招集で

未実装な為戦闘に参加させてもらえずに留守番して

いたセイアがテーブルを囲んで会話していたた。

 

「それでその時先生がグイって私を引き寄せて

耳元でそっと囁いたんだよ。「可愛いな」って!

胸がキュン、ってなったよね!」

 

「そうだね」

 

「その後はもう暫く抱きしめられて過ごしたよ」

 

「羨ましい限りだよ。君の話を聞いていると私が

飲んでいる紅茶に砂糖を入れていないのに甘くて

仕方がなくなるくらいだ。幸せそうで何よりだ」

 

「えへへ」

 

「しかし君のヘイローも黄色なんだね。私とお揃い

じゃないか。どうやってあの黒く染まった姿から

元に戻ったんだい?」

 

「後輩とロリコンのお陰かな」

 

「ロリ……コン?」

 

「うん。アビドスにはロリコンが居るんだ」

 

「……まあ、トリニティにもロールケーキを主食に

したピンク色のゴリラが居るしロリコン一人程度

では驚かないよ。だから私は先生に選ばれなかった

のだろうね。彼はロリコンじゃないからね」

 

「でもセイアちゃんって結構大胆な服だよね。

脇が丸見えだなんて恥ずかしくない?」

 

「セクシーフォックスたるものこういう些細な

ワンポイントを用意するのは大切なんだよ」

 

「そうなんだ〜」

 

「……それで? 本題に入ろうじゃないか。

普段ならモモトークで済ませている会話ではなく

こうしてあって話がしたいと言った理由をね」

 

「分かったよ。実はセイアちゃんに……」

 

「私に?」

 

「私の先生の将来について見てもらいたいんだ。

風の噂(アリスという天然地雷爆弾)に聞いたことが

あるんだけどセイアちゃんって予知夢? が見れる

んだよね? もし私と先生関連の内容の夢を見たら

教えて欲しいなーって」

 

「なんだそんな事か構わないよ。その内容なら別に

会って話す必要性を感じないけど……」

 

「そうやって理由をつけないとセイアちゃんって

普段忙しいから会えないと思って」

 

「別にそんな理由を付けなくても友人から誘われ

たら断る理由はないよ。仕事はナギサとか他の

メンバーに押し付ければ問題ないからね」

 

「それは問題があるような……まあアビドスとは

違って人数が多いからいいのかな」

 

「そういう事さ。ところで時間は大丈夫かい?

そろそろ夕方になるけど今日は先生と一緒に夕食

を作るって言ってなかったかい?」

 

「えっもうそんな時間なの? 名残惜しいけど

先生を待たせたくないから今日はこの辺で帰るね」

 

「新婚は大変だね。嫉妬したトリニティ生に襲われ

ないように気をつけて帰るんだよ」

 

「分かった。それと今日はありがとう!

また会って話そうねー!」

 

「次の機会を楽しみにしているよ」

 

ーーー

 

とはいえ予知夢なんてそう簡単に見ない。それに

大体そういうのを見る時は碌でもない事が起こる

前触れでもあるんだ。見ない方がいいまである。

 

「でも知ってるかい? 人はこういうのをフラグ

と言うんだ。……そう、私は今夢の中に入った

つもりなのに何故か意識がある。つまり予知夢を

見てしまっているんだ。全く、口は災いの元とは

よく言ったものだよ」

 

多少茶化しつつ独り言を呟いている最中目の前に

現れたのは見るからにヤバそうな黒い扉。この先に

何があると言うのだろうか。このまま見ずに過ごし

何事もなく起きるという選択肢もあるだろう。

しかし時に人は好奇心を抱く。そしてその欲求を

満たそうと行動してしまう。そして私はドアノブに

手を掛けてその先にある光景を知ろうとした。

 

「……なんだ、普通の場所じゃないか。ここは

アビドス学校かな」

 

夜の学校。ただそれだけの場所。辺りが静まって

風が心地よい。何分変わったものはなくただ何事も

ない平和な……

 

「……なんだいこの割れた金属は。まるで指輪の

ようにも見えなくはないね。……『小』『黒』?

何が何だかよく分からないね。他の破片は……

酷いな。粉々に砕かれているよ」

 

アクセサリーの破壊。この程度の事が何に繋がる

のかは分からない。精々一組のカップルが破局する

くらいだろう。あの時の予知夢に比べたら些細な

問題とも言える。これなら特に気にする事も……

 

「貴女は一体? 何故この場に存在が許されて

いるのですか?」

 

「!?」

 

なんだこの異質な存在は……先生と同じ人外では

あるものの何かが違う。こいつが存在する事を

許してはいけないような悍ましい嫌悪感が心を

支配するような感覚に襲われる……

 

「ああ。あの時も会議を覗いていた鼠ですか。

困るんですよ、勝手に介入されては」

 

「何を言って……」

 

「予知夢とは厄介な能力ですね。不安因子は

早急に処分しなければなりません」

 

「……いいのかい? ここで私を処分してしまえば

私の先生が君の事を追い詰める事になるよ?」

 

「いえ、私が処分するのは貴女の記憶です。

いずれ貴女は私の手駒になるのですし利用出来る

資源を処分する必要はないでしょう?

 

「記憶を……?」

 

「これ以上の会話を記録に残すのは今後に響く

ので避けさせてもらいます。それでは後程」

 

「待っ……」

 

懇願する間もなくその人外は銃の引き金を引いて

弾が脳に直撃をしたかと思えば何かを書き換える

ような……そんな感覚に陥った。

 

 

 

 

「……おや、もう朝か。結局のところ都合よく

予知夢なんて見れないものなんだ。ユメには悪いが

もう暫く待ってもらうしかないだろう。なあに、

いずれ嫌でも見る事になる筈だからね」

 

そう、それまではいつも通りの日常を過ごそう。




破滅の足跡はすぐ側に
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