結局ユメとワカモの手によってFOX小隊(仮名)の
部隊は全滅、アビドスへの侵攻は防げたようだ。
『"いくらFOX小隊でも視界が広い屋外でワカモ
みたいな実力者と戦うのは分が悪かったみたい。
ところでベア先生、あの巨乳の子の名前を教えて
欲しい、あと所属も"』
「あ、部隊名はそれで合ってたんですね……
あの子の名前ですか? 箱から出てきてくれたら
教えてあげますよ」
『"本当? 出る出る、ちょっと待ってね"』
甘い言葉に騙されて馬鹿な先生はのこのこと
シッテムの箱から出てきた。そうするや否や
一直線にユメの方に走り出して胸を鷲掴みに
しようとしている。咄嗟の出来事だったので
その奇行に反応出来ず取り逃がしてしまった。
「"うっひょう巨乳だぁ!! あの大きさは
ヒナタ以上の揉み応えがあるぞぉ!!"」
「しまったあの野郎ユメに手を出そうと!!
触る前に止めねば先生の命が!!」
「"もう遅い! 私はこの子の胸に手を伸ばし
柔らかな感触を堪能して……"」
「おい」
「"アッ"」
欲望に塗れた先生の奇行を止めたのは見るからに
怒りが滲み出てる芸術家。いつも以上に身体を
軋ませて不気味な音を立てて先生の前に現れた。
「貴様今私の妻に手を出そうとしたな?」
「"アハハ……冗談ですよマエストロさん。いくら
私でもそんな見境なく生徒を襲う筈が……"」
「黙れ。その腐った根性を叩き直してやる」
「"あ、アロナ助けて! 悪い大人に襲われる!"」
『先生は一度痛い目に遭った方がいいです。私に
コーヒーゼリーを食べさせるなんて最低です』
「"あれは青封筒しかくれないアロナが悪いんだ!
じゃあ、ワカモ!! 私を助けて!!"」
「……あなた様」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「"………"」
「お任せください♡ 私とあなた様の愛を邪魔する
障害物は全てぶっ壊して差し上げますわ♡」
「"ありがとうワカモ、でもそこまでする必要は
ないかな……気持ちは嬉しいけど……"」
「手始めにそこの木偶の坊から始末しましょう♡」
「……ねえ、まさか今私の旦那の事を木偶の坊って
呼んだの? それは許せないかな……」
「旦那……ですか? それは失礼致しました。
先程の木偶の坊という言葉は取り消します。
私も愛する人がそのように呼ばれれば腹を立てる
身でありますので……」
「……そっか。謝るなら許すよ。一応さっきまで
一緒に戦った仲だからね」
「ですが先生を傷つけようとしたのは紛れもない
事実。もし手を上げるのでしたら私が裁きを下す
必要が出てきてしまうのです」
「……裁くならその先生だけにしてくれ。私達は
お互いを守ろうとしたに過ぎない。そいつが妻の
胸を触ろうと近寄ってきたのでぶん殴ってやろう
と思っていただけだ」
「"仕方ないじゃん、巨乳が嫌いな人間なんて
この世に居ないんだよ。でも人妻なら話は違う。
NTRをする気はないからその子には触らない。
めっちゃ揉みたいけど。すっごく揉みたいけど
代わりにワカモのでも触ろうかな"」
「あなた様さえ良ければ喜んで……♡」
「(NTRは許さない癖に浮気はするんですね)」
「(都合のいい解釈だね)」
「(浮気とか最低じゃんね)」
「"っといけないいけない。FOX小隊とさっきの
RABBIT小隊を医務室に運ばないとね。ベア先生
にも手伝って欲しいな"」
「生徒の為なら手伝いますが……あなた人として
色々終わってますね」
「終わってるな」
「"二人とも酷くない?"」
「大丈夫です、あなた様。このワカモはずっと
あなた様の味方ですよ♡」
「"ワカモ……君だけが私の救いだよ……"」
「でもその人浮気してるよ☆」
「あなた様……?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「"アッ……アハハ……"」
先生はハイライトの消えた瞳でワカモに見つめられ
苦笑いをしつつシッテムの箱を受け取って静かに
その場を立ち去った。この後シャーレに向かって
連邦生徒会長代理の子をこの一件の騒動で揺すり
その座から引きずり降ろすのだとか。残された
ベア先生と合流したマエストロとユメも合わせて
SRTの生徒達を医務室に運びこの一件は解決した。
そして五人は喫茶店でお茶をしつつ今回の件の話
をする事にしたそうな。
「とはいえ消化不良ではありますね。ヒナとミカの
共闘が見られると思ったのですが……」
「気になったのだが何故ミカがマダムと共に
シャーレ付近まで来ているんだ? 今日は親善大使
として活動をする日だった筈だが」
「ミカは私がついてくるように頼んだのです。
本来であれば風紀委員会の幹部四人で行く予定
だったのですがイオリとチナツの二人をあまり
シャーレの先生に会わせたくなかったので……」
「そうか……何故あいつは私の友人のように誠実
ではないのだろうか……欲望を隠す事なく生徒に
曝け出しているような人間にシャーレの先生が
務まっていいのか?」
「今回はあれがセクハラした事が原因で騒動が
起きたと言っても過言ではないので……本当に
救えませんね……」
「……ねえねえ、いっその事ベア先生がシャーレ
の先生になれば良いんじゃないかな? それなら
ゲヘナの子以外も合法的に食べられる(意味深)し
悪い話ではないと思うんだけど……」
「私が? それは出来ませんよ」
「なんで?」
「一度応募しようとしたのですが見た目が完全に
悪役なのでダメだと言われました」
「あー……」