例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

267 / 500
因縁? そんなものはない

「では行きましょうか、ヒナ」

 

「うん。任せて」

 

ベアとヒナの二人は悪事を働いた悪い大人によって

殆どの生徒が敵に回っている中、少しでもこちらに

味方をしてくれる生徒を探しに行く事になった。

 

「ですがその前に法則性を見つけないといけません。

具体的にはリオやハルナの様な例外が居るのか?

そこをはっきりさせなければなりません」

 

「無駄足になるのは避けたいからね」

 

「……それなら私の考察を聞いてくれるかい?」

 

「おやセイアたん。是非聞かせて貰いましょう」

 

「ありがとう。ただこれは推察に過ぎないんだ。

……聞けばリオという生徒は元ミレニアム生で

今はゲヘナ生として過ごしているらしいね」

 

「はい。彼女の身体は抱き心地が良さそうですよ」

 

「そこはどうでもいいんだけど……実はハルナも

似た様な状態でね。というのもナギサという生徒に

目をつけられてしまった彼女はナギサの側近として

の役を与えられていたんだよ」

 

「だからトリニティの制服を着ていたのですね……

後で抱かねば」

 

「ベア先生は平常運転の様で助かるよ。それで

こんな仮説を思いついたんだ。

『操れるのは本来その組織に所属しているべきで

ある生徒限定』ではないのか、とね」

 

「……つまりこういう事ですか?

美食研究会所属のハルナは操れて……

ナギサの側近であるハルナは操れないと?」

 

「そういう事さ。だから本来の所属ではない

リオとハルナの二人は操られていないんだよ」

 

「ですがその理論ですとセイアたんが無事な事の

説明がつきませんよ」

 

「……確かにそうだね。まあ私はトリニティの中

でもかなり特殊な能力を持っているからね。

決して私だけ未実装だから操られなかったとか

そういう事ではないんだからね。本当だよ?

まさか私がそんなつまらない理由でトリニティで

唯一洗脳されていないだなんて筈はないんだよ」

 

「え、ええ……ちなみにヒナは何故私の事を

忘れずに慕ってくれているのでしょうか?

彼女は風紀委員会所属から変わっていませんよ」

 

「それは……分からない。けど操られていない

ならそれに越した事はないと思うよ」

 

「そうですね。私のヒナが寝取られでもしたら

それこそ自殺しますからね」

 

「大丈夫、私はずっと貴女一筋だよ」

 

「ところでセイアたん、唐突ですが私の特技を

教えて差し上げましょう。尊さ爆発です」

 

「は? 頭海綿体なのかい?」

 

「ヒナに一筋と言われたら爆発するのが無作法と

いうもの……ヴッ゛」

 

そしてセイアは爆発に巻き込まれた。しかしその

爆発は見た目は派手なものの全然ダメージがなく

ただ埃を巻き上げる程度であった。

 

ーーー

 

セイアを爆発に巻き込んだベアとほんのり顔が

紅くなっているヒナはアリウス自治区から出て

ミレニアム自治区近辺に向かっていた。

 

「気を取り直して協力者を探しに行きましょう」

 

「うん。でも当てがあるの?」

 

「勿論です。本来所属していない組織に加入を

している生徒、ですよね。であれば四人程度

知っています。先程モモトークを送信したら

すぐに向かうと全員言ってくれました」

 

「そっか」

 

「それとミレニアム付近に来た理由ですが……

アリスが気になりまして」

 

「アリスが?」

 

「はい。過去にマエストロが書いた報告書には

小鳥遊アリスではなく天童アリスと記載されて

ありました。苗字が違う場合でも洗脳されずに

記憶はそのままの可能性があると思いまして」

 

「確かに可能性はあるかも……」

 

「ですがミレニアムには恐ろしい連携で相手を

お掃除するかのように戦うメイド集団が居ると

マエストロに自慢された事がありますので……

注意して探索をしましょう……」

 

「……それならもう勘付かれてるよ。

前方と後方にそれぞれ二人ずつ居る」

 

「……何ですって? 流石はメイドさん。

サービス精神が凄いですね。ただ少し残念なのは

見るからに操られているって雰囲気を醸し出して

いるところでしょうか。メイドさんを……いえ、

生徒を駒扱いしている性格の悪さが滲み出ていて

なんとも憎たらしい……」

 

「……どうする? 全員倒す?」

 

「そうですね。ですが大丈夫ですか?

4対1は分が悪すぎます」

 

「それはどっちが?」

 

「当然あちらのメイドさん達の方がですよ」

 

「だよね。貴女はいつもそうやって私を信じて

送り出してくれる。だから私は常に全力で貴女の

為にこの力を使える」

 

そう言って優しく微笑みかけるヒナ。その破壊力

は敵ではなくベア先生に刺さったが今はそこまで

気にする必要はないのだろう。メイド集団こと

C&Cとの戦いはリーダーであるネルとヒナの

撃ち合いによって始まった。

 

「(遂に始まってしまいましたか……操られた

生徒達との戦いが。こういう時は戦況把握から

行う必要がありますね。まずは前方にいる二人の

メイドさんに注目していきましょう。

控えめな体型でスカジャンを着用しているとても

イカした子はネル。相当な実力者だとマエストロ

から伺っておりますがなんて可愛らし……いえ、

強そうな生徒なのでしょう。ヒナにも劣らぬ強靭

さと耐久力の高さが伺えます。その隣に居るのが

バニーが似合いそうで幸運そうなアスナ。

そのスタイルの良さはリオに匹敵する程で今も

たわわをブルンブルンと揺らして戦っております。

私なら目を奪われて即死、でしょうね。あれに

動じないヒナの精神力の高さが伺えます。

背後に居るのは恐らく褐色メイドというシャーレ

の先生が大好物である存在ことカリン。中々注目

されにくい子ではありますがその破壊力はまるで

ミカが落とす隕石のように凄まじいです。私も

前に彼女が働くメイド喫茶に訪れて色々楽しい

事をしましたので。そして最後の一人はアカネ。

C&Cのマエストロラブ勢でお馴染みの子ですね。

昔マエストロの家の天井を爆発させてしまい彼の

芸術作品をダメにしてしまった経緯があって

マエストロからは「本人は反省しているから許す

が次やったらミレニアムから追放する」と寛大な

精神で許したそうです。……さて、ここまで

メイドさんについて語っていきましたが何故私が

ここまで語ったと思いますか?その理由は至って

単純でして。このままですと私は背後の二人に

撃たれて倒されてしまうのです。そう、実は

脳を高速で回転させてどうにか策を練ろうと

していたのです! ……まあ、私が一発でも

撃たれればヒナが覚醒してメイドさんを殲滅する

まで止まらなくなるのであえて撃たれるという

選択肢もあり……ではないんですねこれが。

ヒナを悲しませる選択肢を選ぶのはナンセンス

です。ならばどうするか? 決まっています)」

 

長きに渡る思考を終えた後、突如ベアの足元に

発煙弾が転がってくる。徐々に煙が広がって姿

が隠れきった後、誰かに手を引かれてその場から

離脱をする。

 

「良いタイミングですね。お待ちしていましたよ」

 

「久しぶりだね、お母さん」

 

「……しまった」

 

「どうしたのリーダー?」

 

「久方振りに会うというのに土産の一つも

持ってきていない事に気づいた……今すぐに

買いに行ってくる!」

 

「貴女達の元気な姿を見れたのです。

それ以上に嬉しいものはないですよ」

 

「……えへ、えへへへへへ……やっぱりお母さんは

優しいですね。来た甲斐がありました……えへ」

 

「……願わくはまた貴女達を戦場に赴かせるのは

避けておきたかったのですが……どうかお力を

貸してください……アリウスの娘達よ」




ずっと出すタイミングがなかったアリウス達を
ようやく登場させられました。
ちなみにそれぞれの職業は

サオリ:用心棒
アツコ:花屋兼喫茶店経営
ミサキ:心理カウンセラー
ヒヨリ:運送会社
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。