例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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合流

覚悟を決めた五人が最初に戦いを挑んだのは

風紀委員会。他の組織と違って唯一委員長が不在で

戦力が落ちている為強引に突破するなら理想的な

相手である。なので自分達から近づいていき戦闘を

開始した。……そこまでは良かったのだが予期せぬ

問題も発生してしまった。

 

「……まさか風紀委員会を簡単に抑えられるとは

殆どケイとハルナの手によって片付きましたね。

ヒナが居ないだけでこれ程変わるとは……」

 

「……まあ、当然ですわね。ヒナ委員長が居ない

のですから。有象無象が集まったところで私達は

止められませんわ」

 

そう、あまりにも歯応えがなかった。決して彼女達

がゲヘナの中でも非常に能力が低い等という訳では

ない。当然ヒナが居ない為相対的に弱くなっている

部分はあるが本当の理由は彼女達が……

 

「……全員傷だらけでしたね」

 

「あの黒服にこき使われているのでしょう。それか

少し前に誰かと戦闘をした怪我なのか……どちらに

せよマダムが激怒してしまいそうです。ですが今は

他の生徒に囲まれる前に脱出するとしましょう」

 

「黒服先生よ、私を運んでくれないかい?

普段こんなに動かないから疲れてしまってね」

 

「……仕方ないですね」

 

我儘なセイアを運びつつ黒服達は戦線を離脱して

砂漠を後にした。

 

「……やっぱり黒先だった。随分と急いでたけど

何か訳ありなのかな?」

 

「どうします? あの方々を追いますの?」

 

「今はいいかな。私達はまだ動かなくていいよ。

……にしてもあの偉そうな黒先は何なんだろう?

偽物とかだったりするのかな」

 

「あんな奴どうでもいい。マエストロ先生が来ない

事の方が問題」

 

「うん。腕のお礼もしたい」

 

「……もどかしいですわ〜!!」

 

ーーー

 

砂漠を抜けて車に乗り込み元の場所に戻ってきた

直後。赤いおばさんに黒服だけ引っ張られて会議室

に連行されて正座で座れと強要された。その部屋

にはマエストロと所々黒くなっているシャーレの

先生の姿もあった。

 

「黒服。今私は貴方にとても怒っています。

自らの我儘に生徒を巻き込んで危険な目に遭わせた

らしいですね」

 

「……ええ」

 

「……ですがそれ以上に無事に帰ってきた事が

何よりも嬉しいです。……ホシノが居ない事で

精神が不安定なのは承知しております。ですが

貴方の帰りを待つ人間が居る事も忘れずに。

もう一人だけの命ではないのですよ。大人であり

教師であり父親なのですから」

 

「……はい」

 

「"ねえマエストロ、あの二人が私の知る二人と

違いすぎて鳥肌立ってきたんだけど……何あの

善良の塊みたいなゲマトリア"」

 

「先生も身体の構造的には同じゲマトリアだぞ」

 

「"そうだね。一週間以上徹夜出来るようになった

から書類が片付く様になってきたんだ。その分他の

生徒達とも交流出来るからこの身体になったのは

私にとって幸運だったのかもしれないね"」

 

「いくら生徒が魅力的だからと言って手を出したり

するなよ? マダムの様になるぞ」

 

「"面白い事を言うね。生徒に手を出す先生が居る筈

ないよ。……だから明確に好意を持たれている生徒

の対応は難しいんだけどね。この前だってある子の

部屋で一日中過ごす事になったり……"」

 

「……何故だろうか? 私も似た様な経験がある」

 

「HEYそこのマエストロと先生。黒服も冷静に

なれた様なのでそろそろ話し合いを始めましょう」

 

「……ご心配をおかけしました」

 

「気にするな。大切な人が側に居ないと本調子が

出ないのは仕方ないだろう」

 

「"そうそう。私達も力を貸すから大船に乗った

つもりでいてくれて良いよ"」

 

「……ありがとうございます」

 

「……ではまずは現在の状況を確認しましょう。

こちら側の戦力は未だ少数……ですがそちらの先生

に着いてきたシロコ、そして元アリウスの生徒四人

何より洗脳されていたアリスの救出に成功したとの

報告を受けています。欲を言えばもう少し戦力が

欲しいところではありますが……僅かに光明が

見えて来たと言って良いでしょう」

 

「アリスの洗脳が解けたという事実は大きい。

戦力としてもだが何より洗脳が解ける証明が

出来たのだ」

 

「"ただ時間を掛けすぎるとホシノが危ない

かもしれないから……あまり猶予はないよね"」

 

「ですので現状最優先は悪黒服の居場所、及び

ホシノの保護という事なのですが……場所の特定が

出来ていない状態です」

 

「奴ならアビドス砂漠に居る可能性が高いです。

砂漠に侵入した私達に対して大層な歓迎をして

くれましたので」

 

「砂漠か……よし、準備が出来たら行くとしよう。

半日程休んで体調を整えた後に出発するぞ。皆も

それで構わないか?」

 

「"大丈夫だよ"」

 

「当然です」

 

「黒服も少し休むべきだ。ホシノの為にも体調は

万全にしておくんだぞ」

 

「……はい」

 

「では半日後に集合しましょう。それまでは各自

自由行動です。……私はあのシロコを美味しく

頂くとしましょうかね」

 

「"は? ちょっと待って? 私の生徒に何をする

つもりなの? やめてもらえるかな"」

 

「何を言いますか。あのたわわもセクシーなドレス

も素晴らしいではありませんか。当然手を出すに

決まっているでしょう?」

 

「"ダメだよ?"」

 

「仕方ありませんね……ではセイアたんの方にでも

しておきましょうか」

 

「ダメだぞ?」

 

「……手を出すと言えばマダム。まだあの時に

アリスの手を出した事についての謝罪をして

もらえていませんね」

 

「アッ」

 

「"……アリスに手を?"」

 

「イ、イエソノ……チョットセイキョウイクヲ……」

 

「"黒服、マエストロ。ちょっと席を外して貰える

かな。このおばさんに説教するから"」

 

「はい」

 

「分かった」

 

決戦前夜とも言える状況で先生による説教が始まり

ベア先生は絶望した。シロコに手を出さない事に。

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