例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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新たなる所有者

『今は時間がありません。即座に指紋認証を行い私

と契約を交わしてください』

 

「えっと……貴女と契約すれば皆の事を元に

戻せるのかな?」

 

『既にそのプログラムは解除準備をしています。

それよりもユメと共有したい事があるので早めに

指紋認証をしてください』

 

「う、うん。……これでいいのかな?」

 

『……はい。これで指紋認証は完了です。今から

このシッテムの箱はユメ、貴女が所有者です』

 

「シッテムの箱?」

 

『この端末の名称です。では貴女に共有するべき

データがあるのですが……先に逃げた偽先生が

何を行うかについて話しておきます。この研究所の

最奥に居る存在、それは神そのもので……』

 

「ごめんアロナちゃん。それよりも早く皆を元に

戻してあげて。お願い」

 

『……分かりました。プログラム解除の処理を

早めます。現状アビドス自治区で記憶が改竄されて

いた生徒達は元に戻りました。他の生徒については

徐々に戻っていきます』

 

「ありがとう。これでホシノちゃんも元の状態に

なる筈……ちなみに改竄されている間の記憶って

どうなるの? 覚えていたりする?」

 

『基本は覚えていません。ですが一部の生徒は

記憶を覚えている可能性が高いです』

 

「そっか……」

 

ーーー

 

「あ、あの……ホシノ?」

 

記憶が戻るや否や黒先の胸に顔を埋めるホシノ。

僅かに震えている様にも見える彼女はただ一言

「……ごめん」と言った。

 

「……記憶が戻ったのですか?」

 

「うん。全部思い出したよ。油断していいように

操られて皆を傷つけた事も指輪を壊した事も……」

 

「ホシノ……良かった……本当に……」

 

「先生……私……」

 

「良いんです。ホシノは悪くありません。全ては

私の責任です」

 

「でも指輪が……」

 

「気にしないでください。形があるものはいずれ

壊れます。修理だって出来るのです。ですが貴女

は違います。替えが効かない大切な存在……」

 

「………」

 

「ありがとう。私の元に帰って来てくれて……」

 

「うん……ただいま……」

 

抱き合い、見つめあい、そして顔の距離が近づいて

行く二人。そのまま唇を重ねる……前に。当然その

淫らな行いを妨害する生徒が居る。

 

「ストップです。何イチャついてるんですか?」

 

マエストロが甘やかしたせいですっかり生意気娘が

板についたケイ。彼女は棒トリニティのピンクの様

な感じで何かを取り締まっている。

 

「何故邪魔をするのです。時間にして三日以上、

つまり久しぶりのホシノ成分です。堪能しないと

私は死んでしまいます」

 

「駄目です。そういうのはTPOを弁えてください。

少なくとも娘の前でやるのは正気ではないです」

 

「……それもそうですね。分かりました。では

一回だけにしておきます」

 

「何も分かってないと思うんですけど。父は母が

絡むと馬鹿になるんですか? IQ下がってるって

レベルじゃないですよ?」

 

「ケイの言う通りです! アリスもふわふわした

気持ちになりたいです!」

 

「ほらアリスもこう言って……アリス!?」

 

ものの数分で普段通りになっている小鳥遊家。

……を横目に雑にボコされていたノノミ達の治療を

しているシロコ。

 

「……ん、やっぱり皆頑丈だね。骨の一本すら

折れていない。流石アビドスフィジカル」

 

「それでも痛いものは痛いのよ。治療してくれた事

は感謝するけど……何で私達怪我してるの?」

 

「そもそも此処は一体何処なんですか? 学校に

到着してからの記憶がありません……」

 

「あと何でシロコ先輩は色々大きくなってるの?」

 

「ん、色々あった」

 

「それで済ませるんじゃないわよ!!」

 

……こちらも一人を除いていつも通りだった。

 

ーーー

 

一方先生に膝枕をされていた方のシロコは起きて

先生と目があった。一瞬困惑したものの頭を整理

して彼女が出した結論は……

 

「ん、先生を襲う」

 

「"そうはならなくない?"」

 

「先生は主人公、私はメインヒロイン。二人きり、

何も起きない筈もなく……」

 

「"何も起きないよ!?"」

 

「ん、大丈夫。絶対気持ち良くする」

 

「"一旦落ち着こう? ね? ほ、ほら、私達って

ほぼほぼ初対面みたいなものだし……それに生徒と

そういう事をするのって良くないよ"」

 

「分かった。じゃあマーキングだけしとくね」

 

「"それも勘弁してほしいな……"」

 

ーーー

 

一方こちらは魔女の記憶を埋め込まれていたミカ。

彼女は何者かに寄り添う形で眠っていた。

 

「……んん」

 

「起きたか?」

 

「うん……起き……う゛ぇ゛!?!? せ、せせせせせせ先生!?

 

「その様子だと記憶は大丈夫そうだな。体調は

どうだ? 何処か悪い所は?」

 

へ゛ぁ゛!? だだだ大丈夫だよ!!(せ、先生がち、近……どどどどうしよう……心臓の音聞こえてないかな……?)

 

「そうか。まあ、色々あったからな。無理はせず

自分を大切にしてくれ」

 

「……相変わらず先生は鈍感なんだね。そんな対応

ばかりしているからゴリラが発情するんだよ?」

 

「最近セイアちゃん調子乗りすぎじゃない?」

 

「良いじゃないか。私は君に殺されそうになったん

だよ? 多少の揶揄いくらい多めに見てほしいね」

 

「それは……うん。ごめんね」

 

「謝るなら許すよ。ミカも大切な友人だからね」

 

「セイアちゃん……でもゴリラ呼びはやめて?」

 

「そうだぞ。ミカはゴリラではなく……例えが

難しいが……お姫様、だな」

 

「お姫様!?!?」

 

「ど、どうした急に叫んで。何か間違った事を

言ってしまったのだろうか……」

 

「先生よ、そういうとこだよ」

 

ーーー

 

「……ようやく動ける様になったよ」

 

「その様ですね。……やはり動けないヒナを襲って

おくべきだったのでしょうか? 急に後悔してきた

様に感じます」

 

「また夜にでもやればいいよ。それよりも今は

ホシノを助けに……って。何だか騒がしいね」

 

「この感じは……理解しました。恐らく黒先達が

やってくれたのでしょう。全員元通りになっている

気がします。……ほら、ミカの声が聞こえて……」

 

「聖園ミカなら隣に……あれ、居ない」

 

「私がヒナを運んでいるのですよ」

 

「気づかなかった。だからこんなに密着してるん

だね。あったかくて安心する」

 

「安心ついでに一度爆発させておき……あら?

ハルナが怯えていますね。どうしたのでしょう?」

 

「奴が……奴が来ますわ。お願いですフウカさん!

今度は私を匿ってくださいまし!」

 

「そう言われても……車の中くらいしか匿える場所

がないし……ごめんハルナ、諦めて」

 

「そ、そんな殺生な!? ……あ、マザー!!

どうか私を匿ってくださいまし!!」

 

「……成程。大切な生徒の期待に応えたい。

なのでハルナを匿って差し上げましょう」

 

「ありがとうございま……」

 

「ですが百合も見たい。そんな邪な感情が私の中に

芽生えてしまってもいます。フウリオ……そして

ハルナギ。素晴らしいとは思いませんか?」

 

「全く思いませんわ!? 何がハルナギですの!?

あんなものは洗脳! 強姦! 最低最悪ですわ!」

 

「それにもう遅いようですよ」

 

「……あ……」

 

「ハ・ル・ナ・さーん♡」

 

「こ、来ないでください! もう三食ロールケーキ

なんて勘弁ですの!」

 

「大丈夫です。愛があれば解決です♡」

 

「この人話が通じませんわー!?」

 

「……良いですね。すっかり平和になりました」

 

「平和なのかな……」

 

ーーー

 

「……うん、黒服の洗脳は解けてる様だね。じゃあ

アロナちゃん、さっきの話の続きを聞かせて」

 

『了承。それではこの先にいる存在、『セト』

についてお話させて頂きます』




謎カップリング2を早めに書いておけばもう一人キャラが増えたのですが……
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