例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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最後の準備

「セト神? それって一体……?」

 

『時間がないので簡潔に言ってしまえばなんかよく

分からないけど急に現れたすごく強い神様です』

 

「えぇ……高性能AIなんだからちゃんと説明を

してくれないと何も伝わらないよ……」

 

『下手な事を言って間違ってる事実を指摘される

よりはマシだと思いましたので』

 

「この子大丈夫なの……? でもあの状態の先生を

サポートしていた子だし……分かった。その神様を

どうにかすれば良いんだよね」

 

『はい。ちなみにセト神を討伐出来なかった場合は

黒服が逃げて本来の歴史を歩んでいる世界で同様の

現象が起きて絶望的な状況になるのでバッドエンド

ルートに突入してしまいます』

 

「さらっとそういうやばい事を言わないでよ!?

じゃあ急いで倒さないとじゃん!!」

 

『はい。世界の命運が掛かっているんです』

 

「現実味がなさすぎてリアクションが取れない……

とりあえず皆に共有を……」

 

『既にユメの脳波から信頼出来る先生の端末に

軽い概要と協力要請を送信してあります』

 

「念の為にどんな文章で送ったのかだけ見せて」

 

『どうぞ』

 

ーーひぃん! すっごく強い敵が現れちゃった!

このままだとキヴォトスが危ないよ〜!!

先生助けて〜!! アロナよりーー

 

「語彙力ないね」

 

『照れます』

 

「褒めてないよ。こんなスパムメールみたいなもの

で集まる人なんて居な……」

 

「"アロナから連絡が来て急いできたよ"」

 

「アロナという生徒は知らんが……ひぃん! は

ユメがよく発する言葉……つまりユメの頼みだと

判断した。ならば私も同行しよう」

 

「ほう、これが噂のアロナたん……黒タイツの白髪

とはこれは叡智な……」

 

「これ以上ホシノとアリス達との日々を崩される

のは困ります。その神とやらを倒しましょう」

 

「ごめんアロナちゃん、凄い効果があったよ」

 

『報酬はバニラアイスでお願いします』

 

「無事に解決したら沢山買ってあげる」

 

ーーー

 

「ホシノ達を取り戻し光明が見えましたが……

恐らく最後の障壁と言えるセト神。止めなければ

被害はこの世界以外にも及ぶ……まあ、色彩の被害

と同じ様なものですね」

 

「"色彩との違いがあるとすれば明確な敵と解決法が

確立している事。ようはボコボコにすれば解決する

って事だね"」

 

「まあ、ヒナが居れば解決ですよ。私の愛を受けて

育った最高に可愛いヒナが居れば、ね」

 

「待て、ユメを甘く見るな。ヒナと同じく覚醒して

いるのだぞ? 戦力としては一番だろう」

 

「"まあまあ。二人共落ち着いて。戦力は多い方が

絶対に良いんだからさ"」

 

「それもそうですね」

 

「そうだな」

 

「"とりあえず主戦力になりそうなのは……

ヒナ、ユメ、シロコ、ホシノ辺りかな"」

 

「いえ、私の娘達を忘れては困ります」

 

「"そっか黒服の娘達が……今なんて言った?"」

 

「アリスとケイの事です。彼女達も形式は違いますが

王女として目覚める事が可能なのです」

 

「"えっそれは駄目じゃない?"」

 

「本人曰く『カンスト勇者』なので問題ないです」

 

「"それは問題ないのかな……"」

 

「主力はこの人数で充分でしょう。あとはサブ火力

担当を決めていきましょう」

 

「ペロロジラでも投げるか?」

 

「何ですかそれ」

 

「"ヒフミが喜びそう"」

 

「……今考えたんですけど。この場にいる全員

で戦えば良くないですか?」

 

「"……確かに。世界の命運が掛かってるなら別に

人数に拘る必要はないよね。それに私とシロコも

昔大人数にボコボコにされた事があるし"」

 

「よし、では全員で行くか」

 

ーーー

 

「そういう訳で話し合いの結果全員で戦う事に

なりました。ですがホシノ、貴女は戦わずに私と

此処に残ってください」

 

「えっでも……」

 

「私の側から離れないで欲しいのです。

あんな思いをするのはもう……」

 

「……うへぇ。先生が甘えん坊になっちゃった。

依存してくれるのは嬉しいけど行かないと……」

 

「ホシノは戦わなくていいのです。セトに関しては

他の生徒が倒してくれるでしょう。貴女が傷つく

必要はない。このまま私と待ちましょう」

 

「せ、先生? なんか怖いよ……?」

 

「この数日の間私は貴女が居ない辛さを痛感した。

心に穴が空いた様に感じ余裕はなくなり他人に強く

当たってしまった。……今になって私はホシノが

居ないと生きていけない事に気づいたのです。

ただ側に居て欲しい。それだけで私は……」

 

「……うへへ」

 

「……ホシノ?」

 

「嬉しいんだ。先生が心配してくれるのが。本当は

私もこのまま抱き合って過ごしたいよ。だけどまだ

戦いは終わっていない。だから少しだけ我慢して

欲しいな。全部終わったら皆でお花見にでも

行こうよ。……先生、私を信じて」

 

「ホシノ……分かりました。貴女を信じます。

ですが今度は私も近くにいます。私は弱く大した事

は出来ませんがせめて側に居させてください」

 

「うん。先生が近くに居てくれたら私は……

絶対に負けないよ




おまけ

「"少し時間があるし記憶が戻った生徒達を
見てみようかな"」

「ぶ、部長。ちょっと待ってちょうだい。
そんなに抱きつかれても困るわ」

「数日分のリオニウムが不足しているんです。
大人しく抱きしめられていてください」

「リオニウム……? 知らない物質ね」

「"フウカとリオ……珍しい組み合わせだね。
そんな可能性もあったんだ。他の子は……"」

「毎食ロールケーキは嫌ですわ!!」

「愛の為なら乗り越えられます!!」

「私は自由な美食を追い求めていたいのです!!」

「貴女は捕食される側ですよハルナさん!!」

「誰か助けてくださいまし!! 誰かー!!」

「"……見なかった事にしよう。でもトリニティと
ゲヘナの子が仲良くやってるのは微笑ましいね。
……あれ、ミカが倒れてる"」

「ん? ああ、シャーレの先生。このゴリラに
関しては気にしなくていいよ。興奮しすぎて一時的に
失神してるだけだよ。これはマエストロ先生が全部
悪いんだけどね。何処から取り出したのか分からない
四葉のクローバーの栞を握ってね。大丈夫、戦闘前
には起こすからさ」

「"そっか。でもミカをゴリラなんて言ったら
駄目だよ。繊細なお姫様なんだからね"」

「何処に中国語煽りやCVがない煽りをするお姫様が
居るんだい? これはただのピンクゴリラだよ」

「"……ストレス溜まっているんだね"」

「私の事は気にしなくていいよ。学園に戻ったら
サンドバッグを殴って発散するからさ」

「"やっぱトリニティって怖い"」
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