ホルスリンチを喰らい敗北した黒服。こいつをどう
処理するのか? 既に抵抗する気もないのか縄に
縛られて「こんな馬鹿な話が……」とぶつぶつ
言っているのを他所に話し合う事にした。
「処刑で」
「マダムに同意です」
「"うん、一旦冷静になろっか"」
「そうだぞ。憎むのも分かるが落ち着いて考えろ。
私達は教師であって殺人を好む訳ではない。だが
考えればこの黒服はユメの先生が残した箱を悪用
していたな。うむ、処刑しよう」
「"マエストロまで……"」
三体一の結果によりこの黒服は処刑……
「待ってください」
を静止したのはケイ。いつの間にかカンスト勇者
から元に戻っているのは置いておいて何故彼女は
黒服の処刑を止めたのか。
「私が更生させます」
「危険です。また操られでもしたら……」
「当然対策はします。全裸で縛って調きょ……
ではなくお話出来るようにします」
「"ケイさん?"」
「大丈夫です。私が責任を持って恋人……もとい
善人に戻しますので」
「"……もうそれでいっか。皆も良いよね?"」
「……そうだな。安易に処刑するよりも屈辱を
与えた方が奴を苦しめるだろう」
「一先ずはシャーレの先生と一緒に牢屋に監禁
しておけば大丈夫でしょう」
「とりあえず一度解散しましょうか。打ち上げは
また後日という事で」
「打ち上げも良いですがまずは治療をしないと
いけませんね。薬が足りるかどうか……人手は
ゴルコンダ達に頼めばいいとして……」
「"私も手伝いたいけど……色々放っておいて
来ちゃってるから一度帰らないと"」
「ならば先生は私と来るといい。原因も解決した
ので他世界の移動も出来るだろう」
「分かった、あんたに着いていくね。それで?
いつ私と籍を入れるの?」
「……キキョウ。頼むから抱きつくな。ただえさえ
疲れているのだからこれ以上争いを始めるな」
和気藹々で混沌とした空間の中皆が帰路に着いた。
ある者は悪人を連れてシャーレに行きまたある者は
それに着いて行って教員免許を取得した。
友人と談笑をしながら帰る者も居た。
そして黒先はと言うと……
「ただいま。……はぁ、何だかどっと疲れたよ。
今日はお風呂入ってさっさと寝たいなぁ」
「駄目です。夕飯は食べてください。ホシノ達が
風呂に入っている間に用意しておきますので」
「えっ先生も一緒に入るんだよ?」
「それは流石に絵面が酷いので……」
「先生が言ったんだよ? もう離れたくないって。
それならお風呂にも着いてきて貰わないと。それに
私も寂しいから離れて欲しくないなって」
「ホシノ……分かりました。ただし今夜は絶対に
寝かせませんからね」
「うぇ/// ……お願いします///」
イチャイチャイチャイチャ
「この二人よくも娘の前でいちゃつけますね」
「ラブラブですね!」
「若干イラッときますが……二人とも楽しそうに
笑っているので良しとしましょう」
「アリス達家族はこうでないといけませんね!」
……このように家族団欒の時間を満喫していた。
ーーー
牢獄内で何故か先生と出会った黒服はウザ絡みを
されていた。
「"へえ。新しい罪人ってロリコンだったんだ"」
「何故先生も捕まっているのです?」
「"シャーレの特権使って生徒に手を出してたら
セクハラで捕まった"」
「……嗚呼、今理解しました。私が実験を行えず
この様な未来を辿った理由。それはただ一つ……
『来るべき世界を間違えた』それに尽きます」
「"厨二病っぽいこと言ってるところ悪いけど……
なんで黒服そんなボロボロなの?"」
「色々ありまして。良ければあなたにお伝えし」
「"あ、ごめん。今からノアとえっちするから私は
シッテムの箱に入るね。それじゃ"」
「………」
この世界は狂っている。黒服がそれを理解するのに
そう時間は掛からなかった。
ーーー
一方こちらはマエストロ視点。救援に応じてくれた
先生とシロコを送り届けて打ち上げをする日にまた
迎えに行く約束をして暫しの別れをしたそうな。
「さっき聞いたんですけど……シロコちゃんがあの
先生に告白するらしいです」
「そうか、あいつは手強いだろうな。少なくとも
シロコが生徒である以上は首を縦に振らんぞ。
恐らく言うとしても成人した時にまだ私の事を
好きだったら云々〜くらいだろうな」
「それなら安心ですね。……ところで先生?
随分と泥棒猫に好かれているようでしたね?」
「……あれは私にも分からない。何故あんなにも
好かれて張り付かれたのかも知らん」
「大方先生が何かしてしまったのでしょう。ですが
安心してください。貴方の妻は私です。誰にも邪魔
はさせませんから……♡」
「ああ。私もユメだけを愛していたい」
……こっちもいちゃついていた。この後は思う存分
二人の時間を満喫して過ごすのだろう。ユメには
もう恐怖に染まっていた頃の面影はなく純粋無垢な
笑顔で幸せそうに笑っている。
「あ、そうだ先生。少し頼みがあるんだけど……」
そう言ってシッテムの箱をマエストロに渡し小さな
声でごにょごにょと伝えるユメ。
「面白い。次に先生が来る前にやってみるか」
「はい♪」
騒動が終わればいつも通りの日常へ。
それがキヴォトスである。