例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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酷い話


愛の暴走

「先生先生」

 

「どうしました?」

 

「じゃーん! 一年生の時のコスプレー!」

 

「ほう」ムラッ

 

「かーらーのー……先生、好きですよ」

 

「敬語攻撃……」ムラムラ

 

「うへへ〜元気になった?」

 

「なりましたよ。なので責任をとってもらいます」

 

「うぇ///」

 

パンパン(賞味期限が近い食パンを食べさせる音)

 

「も、もう入らないよぉ……」

 

「吐き出してはいけません。全部味わって食べて

くださいね?」

 

イチャイチャイチャイチャ

 

「一線越えてない? というか学校で何してんの

あのバカップル」

 

「最近黒服先生もおかしくなってますよね。

やけにホシノ先輩の近くにいるような……」

 

「昔からずっとそうじゃない」

 

「ん、でもホシノ先輩が幸せそうだからいい」

 

「その代わり毎日私達はブラックコーヒーを飲む

羽目になるんだけど? なんならブラックなのに

甘ったるく感じるレベルよ?」

 

「あ、あはは……まあ平和なのは良い事です」

 

「それはそうだけど……ところでノノミ先輩は?」

 

「本日は学校に来ないようです。シャーレに用事が

あるらしくて」

 

「そうなの? 珍しいわね」

 

「ん、シャーレの全権利を握ればアビドスの復興も

夢じゃなくなるね」

 

「……おや。貴女達来ていたのですか。全く、声を

かけて頂けないと分かりません」

 

「最初からいたんだけど?」

 

「ホシノ先輩を抱きしめてキスをしている辺りから

ずっと……」

 

「まあ良いでしょう。……おや、ノノミの姿が

ありませんが遅刻でしょうか?」

 

「ん、少し上にスクロールしたら書いてある」

 

「本当ですね。それとシロコ、メタ発言を多用

するのは控えてください」

 

「ん、検討に検討を重ねて更に検討するね」

 

「ねえ黒服、あんた少しは自重してくれない?

毎日毎日ホシノ先輩とのイチャつきを見せられる

私達の事も考えてよ」

 

「分かりました。では週210回のいちゃつきを

週209回に減らします」

 

「あんた本当に馬鹿よね」

 

ーーー

 

「黒服さん」

 

牢屋の中で大人しく過ごしている黒服の前に現れた

生徒。彼女の名前は十六夜ノノミ。何故か牢屋の鍵

を持って彼の牢屋前に立っている。

 

「貴女は……ノノミさん?」

 

「はい。貴方を解放しに来ました」

 

「貴女に何のメリットがあるのです?」

 

「私はただ……貴方に変わって欲しい。私の知る

黒服さんは悪い大人ではありましたが……今では

ホシノ先輩が大好きな変態さんになっています。

貴方もきっとそうなれる筈なんです。だから私は

チャンスを与えます。少しでも変わりたいとそう

願ってくれたならこの手をとってください」

 

「………」

 

馬鹿馬鹿しい。悪い大人に良心を見せるなんて実に

愚かだ。その優しさにつけ込まれて良い様に利用

されるのがオチなのに。なんて都合のいい存在。

是非有効活用させて頂こう。

 

「……分かりました。私は変わりたい」

 

黒服はノノミの手を掴み内心ほくそ笑んだ。

また実験が再開出来ると。

 

「ありがとうございます☆ では帰りましょう♪」

 

「? 何処にですか?」

 

「『私達の家』に、ですよ♣︎ ようやく出会えた私の

私だけの黒服先生。絶対に逃しません♡

 

その日黒服は思い出した。搾取される側は彼女では

なく『自分』なのだと。そしてその獲物を捉えた瞳

から逃れる事は出来ないと。いつの間にか自身に

絡まった謎の縄がそれを物語っていた。

 

「マエストロ先生に作って貰ったんです。私以外

絶対に解けないゲマトリアすら逃さない拘束具。

大丈夫ですよ、黒服先生。貴方が変わりたいと

言ってくれたから私はそれを信じて行動します。

ですので時々は私に応えてくださいね♡」

 

「……嗚呼。終わりですね」

 

彼は自分の運が無さすぎる事を呪うしかなかった。

その後永遠に続くノノミの拘束によってきっと

変わってしまう時が来るのだろう。最もその記録は

既に破り捨てられているので閲覧は出来ないが。

方や星に魅入られて幸福に包まれた黒服。

方や十六夜の月に魅入られて束縛から抜け出せず

闇を彷徨う事となる黒服。

同じ存在でも積み重ねてきた行動と経験によって

結末というのは変わるものだ。でもこの結末は

悪役には可哀想だね。




黒服先生の癖は敬語で照れるホシノ


それはそれとしてやりきりましたね。
暫くはイベント的な話が続くかもしれません
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