十六夜宅の一室。そこには縄で縛られた黒服とそれを
眺めて笑顔を浮かべているノノミの二人が居る。
「何が目的なのですか?」
彼に問われて悩む素振りを見せた後にノノミは当然の
ように「永遠の愛を誓う事です」と言う。永遠の愛、
つまり結婚をしたいという事だろうか?
「生憎ですが期待には添えません。ですのでこの縄を
解いて解放して頂けませんか?」
「解放? しませんよそんな事。ようやく二人きりの
誰にも邪魔されない時間を手に入れたんです。なので
黒服さん、貴方を私好みの人に調教します」
「……調教ですか?」
「はいっ☆」
この少女、神秘ではなく狂気を秘めているのか?
話が通じているようで通じていない……冷静に
考えればキヴォトス人は大体話が通じなかった。
「まず一つ目の選択肢です。ラブラブのカップル、
あるいは血が繋がっていない義理の姉弟。どちらが
好みでしょうか?」
「全く興味がない二択ですね」
「……☆」
ーーお仕置き中☆ーー
「甲乙捨てがたいので選択が難しいです」
「なるほど〜☆ では最初ですので刺激が少ない
ラブラブカップルにしておきましょう♪」
「それでお願いします」
「先生は私になんて呼ばれたいですか?」
「別にどのような呼び方であっても興味はな」
「……☆」
「いえ、やはり特別な呼び方を希望致します」
「良いですね〜じゃあダーリンとかはどうですか?
カップルといえば! みたいな感じがします☆」
「それはカップルというより新婚というイメージの
方が強いと思いますよ」
「カップル……まあ、先生は私との関係をそこまで
考えてくれているのですね♪ その調子でいけば
きっと悪い大人から素敵な旦那様になれますね♡」
「そういう訳では……いえ、それで構いません」
この短期間で黒服が理解した事。十六夜ノノミは
搾取する為の存在ではなく自身にとって恐怖を抱く
恐ろしい生徒だったという事。こちらに敵意、殺意
は感じないものの謎の強要をしてくるのは何故?
「強要の理由、ですか?」
……声に出ていたようだ。仮にそうであってもまた
お仕置きをされるだけだろう。狼狽える必要はない
「私好きな人がいたんです。ですが振られちゃって
私は諦めたんです。この恋心はもう捨てよう。そう
決めて前を向こうとした時に貴方に出会いました。
私の初恋の人と同じ姿の貴方に」
「見た目が同じなだけです。貴女の思う黒服と私は
違う存在。勘違いをしてはいけません。貴女の恋心
をぶつける相手は私ではなく……」
「……☆」
「是非私にぶつけてください」
「ありがとうございます。やっぱり貴女も私の知る
黒服先生と同じで優しい人ですね」
「(……アビドスで一番恐ろしいのは暁のホルスでも
砂の神でもなくこの十六夜に魅入られた狂人……
やはり生徒に接触するべきではなかった)」
「そんな優しい貴方を私はダーリンと呼びます。
ですので貴方は私を……」
「……ハニーと呼べば良いのでしょうか?」
「ぴんぽーん♪ 良くできました♪」
刺激しないように回答をすると彼女は上機嫌になり
頭を撫でてくる。子供扱いをされている感覚に陥り
多少は不快になったが撫でる手は止まらない。
「大人だから、子供だからなんて関係ありません。
私はダーリンを撫でたいんです♪」
「……本当にそう呼ぶのですね」
「はい♪ ほら、ダーリンも」
「……ハニー?」
「何ですか〜♡」
「この縄を解いてくれませんか?」
「嫌です☆」
嗚呼、この地獄はいつまで続くのだろうか。
ーー初日の調教結果☆ーー
・ヒアリングをして根が優しい事を確認♧
・ラブラブカップル×→新婚さん♡
・ダーリン、ハニーと呼び合う仲に発展!!
・お仕置き回数 一回
「以上が報告書です☆」
「あ、ああ。受け取っておこう。念の為に確認を
しておくがお仕置きとは何をしたんだ?」
「それは聞かない方が良いですよ」
「……そうしよう」
変な報告書を受け取り黒服の現在の状況を確認した
マエストロは同情した。しかし直後に「妥当だな」
と考えを改めた。悲しい事に黒服の味方は居ない。
「ふふ、もっとどろどろに甘やかしますよ〜♧」
パート2はまたいつか
余談ですがナギサ様天井しました