例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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ゲヘナサイドのお話


副委員長だってシナる

ゲヘナ学園は前回の騒動で膨大な被害が生まれた。

大半がヒナに喧嘩を売って返り討ちにあった生徒

のものであるが操られていたのなら仕方ない。

幸いにも致命傷を負っている生徒はいなかったので

治療は滞りなく進んでいた。……この生徒までは。

 

「珍しいですね。貴女が抱きついてくるなんて」

 

「……何か文句でもあるんですか?」

 

「いいえ、歓迎しますよ」

 

天雨アコ。ゲヘナ学園に所属している生徒で唯一人ベア先生に悪態をつく子。実際はただ素直に言うのが苦手なだけで先生の事は慕っている。なんなら大好きまである。それでも素直になれない、ならない謎のプライドを持っている面倒な子。ただし0.75%程の確率で甘えるモードに入る。

 

「(こういう時のアコは大体思い悩んでいる。

前にこうなった時は確か一年生の頃にサポートが

上手くできずに落ち込んでいた時ですので。一先ず

アコが話し出すのを待ちましょう)」

 

「……今回の騒動」

 

「………」

 

「私は良い様に操られて……その上で何も出来ずに

ただ貴女達に迷惑を掛けただけでした。他でもない

大好きなヒナ委員長と貴女に……」

 

「ツッスゥ……」

 

甘えてくるアコの恐ろしい所。それは普段の彼女からは想像つかない程に直球で大好きと伝えてくる素直さ。このギャップ萌えの破壊力は思わず普段の面倒臭い彼女すらも愛おしく思える程。過去にこの破壊力を知ってしまったベア先生は自らの手で仕立てて用意した制服の横乳部分を切り取ったり生意気に罵倒されたりしても受け入れてしまう。現に今も話を遮って寝室に連れて行きたいという欲求も生まれている。ただし彼女は怪我人。普段とは違って乱暴に扱えないのだ。

 

「……やっぱり私は駄目な人間なんです。先生が側に居てくれないと何も出来ない……だから見捨てないでください……お願いします」

 

「見捨てませんよ。貴女も大切な生徒の一人だという事を忘れないでください。……それとアドバイスを贈りましょう。アコはあまり自分を卑下してはいけませんよ。あの異変は一部を除いて殆どの生徒が操られていました。あれは仕方のない事だったのです。それに貴女は戦闘よりも普段の書類整理や風紀委員会の業務を半分くらい請け負ってくれるではありませんか。私はそれに助けられているのです」

 

「ですが私は……」

 

「もし納得出来ないようでしたら悩みなさい。私と違い貴女はまだ若い。どれだけ時間が掛かっても良い。いつか自分が納得出来る答えを出してください。自分を大切にする為にも」

 

「……分かりました」

 

「(……さて、ここまでまともに助言をしましたがそろそろ限界なんですよね。何がって? よく考えてください、アコが抱きついて来ているのですよ? 柔らかいものが当たっているし首に手を回されている。足も同様に密着してくる。これは一体どうすればいいのですか? 見方によっては既におせっせ中に思われても仕方がない体勢ですが? まあ、確かに? アコも今はその様な気分ではないと思うので偶々この大勢になったと思いますが……まず大前提としてアコの身体は柔らかい。マッサージという名目で全身愛撫したくなる程には魅力的です。そんな彼女に抱きつかれてみてください。飛ぶぞ。叡智とか過酷とかそういうレベルじゃないんです。性欲丸出しのシャーレの先生はともかくこれはマエストロも堕ちるレベルの誘惑。既に理性は限界を迎えようとしている。このまま抱き合っていると間違いなく寝室に連れ込んでしまう。俗にいう深淵行きとなってしまうんですね。これはベアアコカップリングもありになってしまうのでしょうか……いえ、結婚は一夫多妻制がないのでまだ出来ませんが……)」

 

「……もっと強く抱きしめてください」

 

「アコ、私達結婚しましょう」

 

ーー理性とは誘惑の手によって蝕まれ、そして失われた場合目の前の果実に手を出すのだ。

 

ベ=ア・オーバ(1923〜1973)




まだ若いんだから大丈夫。私が職場でよく言われる言葉です
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