ーー本当だよ! 砂漠に顔が二つある先生が埋まってたんだって! ほら、連絡先も交換したんだよ!
そんな変人が居る筈ないじゃないですか。仮に居たとしても絶対に碌でもない奴です。この前悪い大人に騙された事を忘れたとは言わせませんよ?
うっ……で、でも何だか優しそうな雰囲気の人だったから大丈夫だと思うよ
……はあ。先輩のそういうポジティブな所は見習いたいものですが……あまりこちらの心配をかけないでくださいね
はーい。気をつけまーす
ーーー
ーー
ー
「……みたいな夢を見たんだ」
「ふむ。このタイミングでその様な夢を見るのは些か引っ掛かりますね。ただの夢と片付けてしまうのは簡単なものですが……念の為にマエストロにもう一度確認するとしましょうか」
「お願い。私はちょっと用事が出来ちゃって……」
「嗚呼、ヒナの件ですね。其方も併せて確認してきます。おおよそ目処は立っているので」
「うん。『24時間連絡がない』ってだけであんなに弱々しくなるのも考えものだけどね……」
「……ではホシノは24時間以上耐えられるのですか?」
「私は1時間」
「だから気に入っています」
「うへへー♪」
僅かに何かが変わりつつある日常の中でも黒いロリコンとホシノさんは安定のいちゃつきを見せてくれるので今日も白米に含まれている糖分が異常なまでに活性化する現象が起きていたとか。
それはそれ、これはこれなので黒服はマエストロの家に向かって真実を問い詰めようとしている。ホシノの為なら動く大人は行動力があるようで……
「さて、マエストロは居るでしょうか。……いえ、遠目に見ても分かりますね。声が漏れているので」
芸術家のトレンドは玄関らしい。何がとは言えないが新婚気分を忘れたくないのだとか。但しその芸術は黒服には理解が及ばなかった様で扉を開けてズカズカと入っていった。そして案の定抱き合っているマエストロとユメを目撃して「マエストロ、大事な話が……」と切り出そうとしたところで花瓶を頭に投げつけられた。
「馬鹿野郎!! 少しは空気を読む事を考えろクソロリコンが!!」
「最低!! 完全にムードが壊れちゃったじゃん!! 黒服のバーカ!! ホシノちゃん洗脳野郎!! クソボケ芸術家ー!!」
「……朝からお盛りな方が問題だと思いますが」
「家で愛し合う事の何が問題だって!? 言ってみろこの野郎!! 貴様もホシノと朝まで愛し合ったりしているのだろうが!!」
「ほんとだよ!! 学校の廊下とか教室内でヤッてる癖にどの口が言ってるの!! 鏡見て反省して!!」
「………」
ーーー
「何故私はあそこまでボロクソに言われなければならないのでしょう」
「"実際空気を読むのは大切だからね……"」
「先生も先生で何故その生徒に膝枕を?」
「"成り行きかな……ほら、この子も黒先達がよく言ってるシャーレの先生失格の被害者だし"」
「それもそうですね」
花瓶のぶつけられた影響で発生した頭痛が治るまでの間に先生と話しつつホシノに連絡を送る黒服であった。