マエストロと先生は明らかに悪い影響を与えている。日記の改竄、ホシノの記憶の混合。……これ以上好きにやらせてしまうと本当に危うい可能性が高い。
「……やるしかないのでしょう。下手に改竄される前に私の手でユメを……ホシノとの生活を壊されるわけにはいきません。しかし……」
ホシノの大切な人を撃つ。それ即ち彼女の心を裏切る事と同義。昔の自分なら気にならないと思うが今は罪悪感が芽生えてしまうだろう。そんな状態で彼女と並んで生きていけるのか……私利私欲の為に人の命を奪う事が……
「私はもうホシノを騙して生きたくはない。隠し事などもってのほか……定期的に私のシャツを着て一人で何かを行っているホシノを覗いている事は墓まで持っていくとして殺しの罪を隠して生きるのは……それならむしろこのままユメが生きる世界にした方が……」
「先輩がどうかしたの?」
「……ホシノ。ゲヘナから戻って来ましたか」
「うん。皆死んだように倒れ込んでるしちょっと気まずい人と会っちゃったけどベアさんが帰ってくるって分かったら一気に狂喜乱舞し始めてある意味怖かったよ」
「宗教みたいですね。一先ずはお疲れでした」
「それで……さっき先輩って言ってたけど何かあるの? マエさんが浮気したから処分しに行くとか?」
「発想が恐ろしいですね。然し残念ながら浮気ではありません。それどころか私達が破局してしまう可能性があるのです」
「えっ……それって……」
「お察しの通り過去のユメと接触して……」
「先生がユメ先輩と浮気したの!?」
「……???? 何故そうなるのです??」
「酷い! 酷いよ! わざわざ先生の潜在意識に潜入して私の事しか考えられない様にしたのにユメ先輩に浮気するなんて! やっぱりおっぱいなの!? 大きくないとダメ!? 私のじゃ物足りないの!?」
「あまり大声でその様な発言はしない方が……それと私は巨乳よりもホシノの控えめな乳房が好みです」
「えっ本当? うへへ、ありがとう」
「………」
最近のホシノはどうなっているのだろうか? こんなにも情緒が不安定になってしまったのは一体何故……? 実際私もホシノに浮気をされてしまえばこのくらい取り乱す自信はあるものの……まあ落ち着いたのならば良しとしよう。
「で、結局なんで先輩の事を呟いていたの?」
「それはですね……」
ーーー
「過去? マエさんとシャーレの先生がユメ先輩と接触? そんな事出来るの? ま、まあ……マエさんなら出来てもおかしくはないのかな……でもどうしてそんな事を?」
「日記に書かれた内容を確認する為……という名目との事ですが恐らく若い頃のユメを見ているだけかと思います。その証拠に日記の内容が改竄されている部分もありまして」
「……何これ。マエさんとシャーレの先生を部屋に招き入れたって事? あの二人何してるの?」
「余計な事ですね。……下手したら私とホシノが出会うきっかけすら改竄させられるかと思いま……」
「は、何それ? 困るんだけど。先生、その馬鹿二人を止めに行こう」
「ですが止めるとなるとユメが死ぬ事に……」
「いいから行くよ」
「……はい」
「じゃあぱぱっとタイムマシンを作って?」
「ホシノが望むなら一時間以内には」
「ありがとう。やっぱり私の先生は誰よりも頼りになるね。タイムマシンを使って馬鹿二人を捕獲した後に先輩も連れて帰れば問題万々歳だよね。過去って事は私の本当の先輩って事だから」
「そうなるかと思います。然しただ連れて帰るだけではいけません。死の偽装を行って過去の私達を騙さなければいけないので」
「それは先生に任せるよ。もし全部が上手くいった時はどんなお願いでも聞いてあげる。文字通り何でも」
「何でも……? ○○○○○とか×××××でもですか? あれ程それだけはと嫌がっていた行為ですら?」
「……まあ、一個だけなら」
「では早くタイムマシンを作るとしましょう。最近マエストロの奴は調子に乗っていたので一度成敗したかったんですよね。事ある事にロリコンだの罵倒してきて……」
「それは事実だと思う。助かってるけど」
そんなこんなでマエストロ達の元に黒星襲来予定