ーーどうしよう、完全に起きるタイミング見失っちゃった……_(:3 」∠)_そもそもこれどんな状況なの? 大人の人とホシノちゃんが話してるのは聞こえたけど誰と話していたの? ……まさか彼氏が出来たとか!? だ、ダメだよホシノちゃんは嫁には渡さないよ!! って私が言える筋合いはないかもしれないけどアビドスでは先輩の言う事は聞いてくれないとダメなんだよ!! 選択が何たらとか言ってたけどホシノちゃんが選ぶものに間違いがあるわけないよね!……早く起きないとなぁ……でももう少しだけ寝ていたい……じゃなくて!! もうワケワカンナイヨー! とにかく早く起きよう……とは思ってるけどやけに身体が怠いね……あ、そういえば気を失う前に結構な大怪我をしていたような気がする。もしかしたら貧血なのかもしれないね。……って考えてる場合じゃないね……本当に起きないと……あれ、瞼が開かない。ああそっか、最近ずっと夜の見回りとか夜勤のお仕事してたから寝不足だからかも。よくよく考えたらベッドで寝るのは2ヶ月ぶりだし……今の私じゃこの誘惑に抗えない……やっぱこのまま寝ちゃおうかな……どうせなら何か抱き枕でもあれめ?ば……そうだ、寝ぼけたフリをしてホシノちゃんを抱き枕代わりにして寝よっと。
「うぇ!?」
あーこれこれ。程々な大きさの抱き枕。久しぶりにやったけどやっぱり良いなぁ……こうしてホシノちゃんを抱きしめられるなんて思わなかったなぁ……色々と考える必要はあるけど寝よう、起きてから考えよう。
ーーー
午前1時。一度ホシノの様子を覗いた方がいいと思い音を立てぬよう扉を開けてホシノと、ついでにユメを見ようとした。思えばそれが全ての始まりとも言えますね。経緯は不明ですが私の視界には抱き合って眠るホシノとユメの姿が飛び込んで来たのです。唖然とし、唐突に頭が痛くなりました。これではまるで……
「寝取られではありませんか……」
「違うよ!?」
何という事でしょう。まさかこの短時間の間にホシノが懐柔されて……いえ、本来のアビドスはこれが正しいのでしょう。ユメホシ、ホシユメ? 正式名称は知りませんがこの二人のカップリングが。然しホシノは私にしか身体を許さないと信じていた私の脳は許容を超えて爆発しそうになっています。
「貴女の事を信じていたのに……」
「だから違うって!?」
嗚呼、キヴォトスも外の世界同様寝取りという概念が存在しているという事実を前に思考を放棄せざるを得ません。それともゲマトリアである私にはホシノという太陽にも匹敵する存在は不釣り合いだから取り上げたとでも言いたいのでしょうか……大人だから理不尽な行いにも耐えられるだろうと……大人だとしても限度はあるのですよ?
「私はこの事実に耐えられないのでヤケ酒をして寝ます。それでは」
「待って話を聞いて! 先生は絶対誤解してるから! 話を聞い……ちょっと先輩離して……力強!? 先輩絶対起きてるでしょ!? もー!? 話がややこしくなるから早く離してって!!」
こうして混沌とした夜は更けていく……前に。
「ケイ、そちらのワインをボトルで」
「父がアルコールを嗜むなんて珍しいですね。グラスも用意しますね」
「必要ありません。このまま飲みます」
「???」
ヤケ酒としてワインを直飲みする黒服と困惑しつつもそれを眺めて酔った勢いで……と期待しているケイの姿もあったとかなかったとか。ちなみに襲われなかったそう。
ーーー
「んぅ〜ん、よく寝た〜。久しぶりに4時間以上寝て……あっ」
「……ようやく起きましたか」
「……あー!! そうだ、昨日寝ぼけてホシノちゃんを抱き枕にしてたね。だから気持ち良く眠れたんだ。ありがとうホシノちゃん。それと……お楽しみだったね♡」
「色々と言いたい事はありますが一先ず貴女のせいで家庭崩壊の危機を迎えているので土下座してくれません?」
「えっ、土下座? だ、ダメだよそんな薄い本の導入みたいな強要の仕方は!!」
「いい加減にしてくれません?」
「ひぃん! ホシノちゃんが怒ってるよぉ……」
「せっかくの感動の再会が貴女の行いのせいで台無しになってしまったんです。そもそも何も言わずに出掛けて帰ってこない時点で相当の後輩泣かせと言いますか先輩としての自覚が足りていないと言うか……心配かけたくないから黙って出て行ったのかもしれませんが逆にそのせいで不安で怖くなったりもしますし少しは後輩の事も考えて行動する様に意識して……」
「(起きたばっかでお説教されるなんて……そんなに抱き枕代わりにされるのが嫌だったのかな……? 後で謝らないと)」
感動0