あれから黒い人とホシノちゃんがいちゃつき始めたきり私を気にせずにハートマークが見えるくらいラブラブな二人を前に軽く引きつつホシノちゃんの娘? の子から全く詳しく話を聞く事にしたんだ。さっきホシノちゃんが言っていた通りここは私とホシノちゃん二人で頑張っていたアビドス時代から二年が経過している事。そして私は死んだ扱いになって旧校舎にお墓があるとか……自分の墓があるとか想像したくないね……でもそれならもっと喜んでくれてもいいと思うんだけど……そんなに感動の再会! って感じじゃなかったし……
「大丈夫です、ああ見えて母は貴女の事をずっと想って居ましたよ。毎週欠かさず墓参り、そして近況報告を欠かさずにしていました。……時々涙を流していたのも記録しております」
「……本当? まあ、私としては二年経ったって感じはしないから嬉しいけど実感がないかな……」
「それはそうでしょう。此処は二年後です、とか言われても信じる人なんて中々居ませんから。とりあえずは慣れ親しんだもの……アビドスの学校を見にいけば実感が湧いてくるかもしれませんね」
「アビドスかぁ……うん、そうだね。見に行きたいかも。でもホシノちゃん達を置いていっていいのかな?」
「大丈夫です、あの二人は馬鹿ップルなので私達が何を言ってもいちゃつきをやめません。なんなら学校でもいちゃつく姿を見せびらかして後輩達に引かれてるとか」
「ずっとあんな感じなんだ……」
「それにいちゃつきを邪魔したらとんでもなく不機嫌になる時もあるので放置しておくのが無難です。そういう事ですのでさっさと行きましょう」
「うん」
……ドッキリの看板持った人とか居ないかな……この事実を受け入れるのって結構時間かかりそう……この際全部嘘でしたー! の方が良いんだけど……カメラ持った人とか居ないよね……どうしよう、借金の利息分が払えてないから学校の大半が差し押さえられてるとかありそう……ああ、これが夢なら覚めないでほしいな……
ーーー
なんて現実逃避をしている間に見慣れた校門と砂まみれの校舎が見えてきた。時間は朝の6時……6時? 早朝からあんなベタついていちゃついてたの?
「到着しましたがここで一つ注意する事があります。現在キヴォトスでは確認出来ただけでも6人の教師が居ます。そのうち2人を除いて4人が変態です。私の父も変態側の人間です」
「6人も居るんだ。あとさりげなく娘さんに変態と言われる黒い人って一体……」
「ロリ婚なので致し方ありません。それで洗礼と言いますか……その変態達に目を付けられるとストーカーされて美味しく頂かれる、なんて事もあるので注意してくださいね」
「りょーかい。……変態さんが沸いてるって事はアビドスの治安も私が知っている時よりも悪くなっちゃったのかな」
「いえ、どちらかといえばアビドス以外の地域から変態が来る形となっています。むしろアビドスは父と母の働きによって前よりも治安が良くなったと報告がされています」
「良くなってるんだ。それは嬉しいね。……あ、もしかしてホシノちゃんが夜の見回りをしてるとか? ダメだよ! 夜更かしはお肌に悪いんだから寝ないと!!」
「母が聞いたらブーメランですよって言葉を返しそうですね」
「そうだぞ。ユメの全身の傷を見る度に私はこう考えるのだ。その奉仕の心はとても美しく芸術性を帯びているものの儚き美しさに近いと。だが私はユメに自らの身体を労って欲しいと心から願ってしまう。芸術性よりも大事にして欲しいのは身体。考えてみてくれ、身体がボロボロな人間が芸術を生み出せるのか? 画家が腕を骨折して自らが描きたいものを描けるのか? 答えはノーだ」
「相変わらず気色悪いですね。傷に芸術性を見出す前に治療が先でしょうが。さあこのゲヘナ印の安心安全なお薬を飲んで怪我を治しましょう。ちょっと身体がぽかぽかして頭がボーッとすると思いますがそれは薬が効いている証拠。決して抵抗出来ない状態にして襲いたい、という訳ではありませんからね。私はただ貴女の痛々しい傷を治して美味しく頂きたい、それだけなんです」
………………………
なんか来た。しれっと会話に入ってきた。何この人達……なんか見覚えがある様な……あ、顔が二つある人!? それともう1人は……あ、さっき私の脳内でホシノちゃんを襲えとか言ってきた人だ……
「ユメ、この人達は先程申し上げた4人の変態のうち2人です。顔が二つあるユメ依存症の人はマエストロ。トリニティとミレニアムを担当している教師です。そっちの赤い人はベアトリーチェ。ゲヘナを担当している人……ではあるのですが最近お気に入りの生徒と攻守が逆転しまった様で何がとは言いませんが搾り取られているとの事です」
「だからげっそりしてるんだね……それで……どうしてこの2人が私に会いに来てくれたの?」
「決まっているだろう? 私はユメを愛しているからだ」
「生徒と叡智な事を行う。それに理由が必要でしょうか? 否、必要はありません!」
かっこいい事言ってる……と思ったけどこの人達はただ欲望に忠実なだけだ……どうしよう、顔が二つある人に告白されたけどまだ知り合ってから数日も経ってないし……
「大丈夫です。いずれ慣れます」
「そうなのかな……」
どう考えても慣れる未来が見えないよ……
この後マエストロとベア先生はホルスに粛正されました