「ホシノとの会話は如何でした?」
「正直な話数日振りに話したって認識しかないからあんまり特別感はないけど……ホシノちゃんとのお話は楽しいなって再認識出来たよ」
「それは良かった。……で、何故私を呼び出したのですか?」
「当然お話する為だよ。ホシノちゃんを良く知る者同士の楽しいお話をね」
「……成程。良い時間になりそうですね」
「……まず最初に聞きたいのはどうやってホシノちゃんを惚れさせたか、かな。正直な話ホシノちゃんって結構人を信用しにくい子って言うか‥…気難しい性格なんだよね。そんな子をどうやって……」
「別に特別な事はしていませんよ。彼女に2年程尽くしただけでああなってました。当時は微塵も興味はありませんでしたが今となってはもう少し早く彼女の想いに応えてあげても良かったとは思いますね」
「ちゃんと真っ当に堕としてたんだ。てっきり怪しいお薬で無理やり……って感じだと思ってたよ」
「むしろそういう意味で言えば私の方がホシノに盛られたと言ってもいいと思いますが……」
「まあ、過程がどうであれ今ホシノちゃんをしっかり可愛がってくれているのは事実だからね。黒服先生……? でいいんだっけ。ありがとう」
「感謝したいのは私の方ですよ。こんな不可解な状況を受け入れた貴女の心の広さ、そしてホシノの心の枷となっていた負の部分を解き放ってくれた事。……何より私とホシノの未来を守ってくれた事もね」
「……じゃあお互いに感謝し合う関係って事で。今後もアビドスを宜しくね、先生」
「ええ、宜しくされてあげましょう。……所でユメ、貴女が寝泊まりする場所についてですが……」
「大丈夫だよ、私にも家があるから。暫く帰ってないから掃除をする必要はあるけど……」
「いえ、そこは既に砂に飲まれてます」
「えぇ……砂漠化進みすぎ……」
「代わりと言ってはなんですが貴女の家を再現した住宅を学校の隣に建設しましたので暫くはそちらに住んで頂ければ」
「良いの? ありがとう先生! ……でもこんな短期間でどうやって用意したの?」
「そこは悪い大人だから、とでも言っておきましょう。鍵を渡しておきますのでご自由にお使いください」
「あ、うん。……ねえ先生、貴方は一体何者なの? 何が目的でホシノちゃんに近づいたの?」
「目的ですか。生憎その質問は既に答える必要がありませんね。まあ、強いて言うのならば正しい選択をする為にホシノに接触したとでも言っておきましょうか」
「よくわからないけどまあいっか。ホシノちゃん好きに悪い人は居ないからね!!」
「それはどうでしょうね……」
その後ホシノの話を数時間してからお互いに帰路に着いた。とはいえユメは学校の隣なのであまり帰路に着いたと言えるのか分からないが。
「わぁ……凄い。内装も私の家にそっくりで……あれ、浴室が何か開放的になって……違う、これ温泉だ!? え、毎日温泉入れるの!? やったー!!」
アビドス近くにユメの家を建設した理由。それは昔作った温泉へ直行出来るようにしたかったから、らしい。決してマエストロが覗きを行いたいからそうした訳ではないのでご安心を。
「早速入っちゃおう! ……の前に身体を洗おうね! こんな風になるなんて二年経過した世界ってのも悪くないね☆ ……って痛っ!? 全身怪我だらけなの忘れてたぁ……」
洗剤が身体に染みる中どうにか洗い終えて温泉にダイブ。程よい温度に包まれて気分が良くなっていき「はぁ^〜」と変な声が出ている。
「………」
……そんなユメを眺める一人の女の子。そう、この温泉はとある場所にも繋がっている。本編世界のアビドスと。お察しの通りこのタイミングで入っているのは当然本編のホシノさんでした。ここからトラブルメーカーユメ先輩の伝説が始まるとか始まらないとか。
「ホシノとユメ、そしてシロコ。一体何パターンの可能性を提示すれば気が済むのですか?」
「同じユメなら抱けばいい」
「貴方は反省していないようで……」