今回ぶっ飛んでしまい申し訳ありません
ホシノ「んー……」
いつもより強い日差しに照らされて目が覚めた。寝ぼけながらも愛用している鯨のぬいぐるみが手元にない事に気がつき付近に手を伸ばしてみる。
ホシノ「鯨ちゃんどこー……」
左手が何かを掴んだのでそのまま引き寄せて抱きついた。……この匂い、鯨のぬいぐるみで間違いない。
ホシノ「うへぇ……落ち着く……」
鯨ちゃんには先生が普段使用している香水と同じ匂いがするようにしている。これなら先生が居ない夜も乗り切れるからだ。数秒して鯨ちゃんにしては大きいし何だか硬めな事に気づいた。そして今ミレニアムに出張していて鯨ちゃんを忘れてきている事にも。
黒服「……満足しましたか?」
ホシノ「?!?!」
ーーー数分後
黒服「起こしに行ったら引き寄せられるとは思ってもみませんでした」
ホシノ「……///」
黒服「落ち着いたら本日の業務を始めますので教えて下さいね」
ホシノ「……はい」
昨日の夜といいとんでもない事をしてきた自分が恥ずかしくてたまらない。穴があったら入りたい。……でも先生の腕は暖かったなぁ。
ホシノ「……うへへ///」
しばらく余韻に浸ってしまいすっかり冷めてしまった朝食を食べた後制服に着替えた。
ホシノ「お待たせ先生。準備できたよ」
黒服「予想より早かったですね。では本日のルートですが……」
説明をしようとした途端轟音と共に光の柱が立っているのが目に映った。
黒服「……エンジニア部の辺りですね」
ホシノ「初日からこれかぁ……」
黒服「最初から厳重注意をする羽目になるとは思いませんでしたよ」
ホシノ「シロコちゃんですら学校は壊さな……」
黒服「……思い当たる節はいくつかありますね」
ホシノ「……とりあえず行こっか」
黒服「そうしましょう」
ーーーエンジニア部 部室
ウタハ「素晴らしい開発が出来たね。前回のレールガンよりもクオリティが上がっているよ」
コトリ「飛距離も前回よりも7240M伸びてますね!この技術を応用すれば宇宙に行く事も夢じゃないです!」
ウタハ「初号機が3620Mしか届かなかった事を考えるとその可能性は多いにある。やはり技術に不可能は……」
黒服「盛り上がっている所失礼しますよ」
ウタハ「おお、黒服先生じゃないか。我らがエンジニア部にようこそ。歓迎するよ」
黒服「ありがとうございます。……では天井に穴を開けた事に関してお話を聞かせていただいても?」
コトリ「それなら私にお任せください!あ、私は豊見コトリって言います!以後よろしくお願いしますね!話を戻しますと何を隠そう天井に穴を開けたものはこちらの発明です!その名も『光の剣:※※※※gazer』!!!これは聖剣デュランダルから発せられるエネルギーを制御した3人の少女が生み出した奇跡を元に開発した……」
黒服「………」
ホシノ「………」
コトリ「そしてそのエネルギーを再現するのにかかるチャージ時間はたったの3分!素晴らしい発明だとは思いませんか!?」
黒服「ロマンはあると思いますが……天井を破壊してしまうのは擁護出来ませんね」
ウタハ「昨日も言っただろう?犠牲はつきものだってね」
黒服「……とりあえず損害額分を予算から引きますね」
ウタハ「なんだって!?黒服先生にはこのロマンが分からないのかい!?」
コトリ「そうですよ!これ以上予算を引かれてしまったらミレニアムプライスに出展予定の『光の剣:※※※※zation』が作れなくなってしまいます!!」
黒服「ならばこれ以上学園を壊す真似は避けてください。後でユウカにでも報告しておきますので」
ウタハ「致し方ない、か……それはそれとして折角来てくれたんだ。よかったら開発してきたものを見て行ってほしい」
ホシノ「色々あるんだねぇ。……ちょっと興味あるかも」
コトリ「!!でしたら説明や解説は私に任せてください!ささ、こちらへ!!」
ホシノ「うへー……とっても元気な子だねぇ……」
黒服「ところでウタハ。エンジニア部に所属しているのは3人だとユウカからお聞きしましたが……もう1人の方はどちらに?」
ウタハ「ああ。それならそこの部屋に居るよ。何やら自信作が作れそうだから集中したいとの事でね」
黒服「一応挨拶くらいはしておきましょうかね……失礼しま」
ノックする前に扉が開いた。目に隈が浮かんでいる少女はこちらを観察するように見ている。
ヒビキ「今頃だと予測して扉の前で待ってた。黒服先生が私に挨拶をしてくれる……この瞬間を」
黒服「扉の前で待つくらいなら普通に出てきなさい」
ウタハ「彼女は猫塚ヒビキ。とある人に恋をしている可愛い後輩さ」
黒服「(……部屋の中には触れないでおきましょう)」
ヒビキの部屋には至る所にマエストロの写真が貼ってあった。彼はこの少女に何をしたのだろうか?興味深くはあるが触れてはいけない気もする。
ウタハ「それで……自信作は出来たのかい?」
ヒビキ「うん。これがその自信作」
黒服「紫色のブレスレットですか。これはどのような効果が?」
ヒビキ「まず特定の台詞を言う事で変身できる」
黒服「それはまたロマンがありますね」
ヒビキ「その状態なら時空も越えて好きなところに行ける」
黒服「???」
ヒビキ「これで私は先生の所に……早く会いに行かないと」
黒服「(マエストロ、貴方も人の事が言えないほど生徒沼にハマっていそうですね)」
ウタハ「変身機能か。ヒビキが変身する所を見たいな」
黒服「……ヒビキ……紫色のブレスレット……変身……はっ」
ヒビキ「いいよ。ただ……それなりに大変な事になるかも?」
ウタハ「大丈夫。既に天井に穴が空いてるからね」
ヒビキ「そう?じゃあいくね……エレ※※※※、スイッチオン!」
黒服「……はぁ」
ウタハ「やはり変身はロマンだね。……黒服先生、どうしたんだい?」
黒服「今回は最悪な話だなと思いましてね」
ウタハ「?よく分からないが気に入ってくれたようで何よりだよ」
ーーーコトリに連れて行かれたホシノ
ホシノ「なんか物騒なものが4つ置いてあるけど……これは何かな」
コトリ「おお!それに注目するとはさすがアビドスの方ですね!!それはかつてキヴォトスにいたであろう超大型の蜘蛛が背負っていたとされる武器をイメージして開発したやつです!!」
ホシノ「うへぇ……なんかこれ以上は触れちゃいけない気がするよ」
コトリ「そんな事を言わずに聞いてください!まずこの火炎放射器こと『フレアキャノン』はですね、その圧倒的な熱量で周囲の草木を跡形もなく燃やし尽くしたと言われている恐ろしい武器なんです!そして隣にあるのが『モンスターポンプ』!!こちらは水の塊を相手の頭上に降らせて混乱を引き起こさせるほどの凶悪な武器です!」
ホシノ「やっぱり……あの、コトリちゃん。もう満足したから……」
コトリ「何を言いますか!!ここまできたら最後まで話しますとも!忘れてはいけないのがこの『マイナスイオン・コンバータ』です!足元に強力な電流を流して動きを封じる武器のはずがあまりの威力にそのまま息の根を止めてしまうと恐れられた兵器です!そして最後は『ケミカル・ウエポン』!!この禍々しい見た目から察するとは思いますがなんと猛毒を散布して周辺の生命が死に絶えると言われています!この4つの凶器を背負って人類に襲いかかってきた生物が居るなんて想像しただけでも恐ろしいですよね!……以上です!」
ホシノ「……個性が色々行きてるんだねぇ」
ーーー
ウタハ「いつでも訪ねてくれていいからね。それじゃあ」
黒服「……なんだかどっと疲れましたね」
ホシノ「今回は露骨すぎたねぇ……」
黒服「他の部活の確認……と言いたい所ですがもう夕方ですね。思っていたよりもエンジニア部に時間を取られてしまったようです」
ホシノ「あっという間の一日だったねぇ」
黒服「私はユウカに報告しに行ってから戻りますのでホシノは先に部屋に戻っていてください」
ホシノ「えー……私も一緒に……」
黒服「……実はホシノに頼みたい事がありまして……」
ホシノ「……!うん。じゃあ先に戻って待ってるね」
少し寂しそうなホシノを撫でてからユウカにエンジニア部の事を報告した後、部屋に戻る頃には既に夜になっていた。
黒服「………」
誰かにつけられている。最初は気のせいかと思ったが気配が一定の距離を保っている為間違いないだろう。
黒服「(ホシノが身支度を済ませる前に端末で周辺の神秘を検索した時からずっと付けられている。誰が何のために?)」
あえて1人になる事で接触してくるのを待って居たがどうやらその様子はなさそうだ。
黒服「………」
興味も薄れて来たので部屋に戻るか……そう考えて踵を返した途端背後から頭に銃を突きつけられた音がした。
「動いたら撃つ」
黒服「……あの気配は囮でしたか」
「あれは部長の気配。私のじゃない」
「エイミ、よくやってくれました。お付きの生徒さんが居なければ拘束するのは簡単な事ですがね」
黒服「……貴女方は一体?」
「そうですね。まずは自己紹介からしましょうか。特異現象捜査部の部長であり超天才病弱……」
「部長。長い」
「失礼。どうも自分のことを正確に伝えようとすると、いつも長くなってしまいまして…明星ヒマリと申します。そっちの貴方に銃を突きつけている子は和泉元エイミです」
黒服「……それでその特異現象捜査部が私に何の用です?」
ヒマリ「デカグラマトン。この言葉に聞き覚えがありますよね」
エイミ「貴方が身につけている端末からその預言者であるビナーと同じ反応がした。隣にいた小さい子からも似たような波長が観測された」
黒服「………」
ヒマリ「ですのでお話を聞こうとエイミに尾行させて機をうかがっていたのです。こうも簡単にいくとは思いませんでしたがね。……そういう訳ですので撃たれたくなければこちらの質問に答えていただきます」
黒服「それは構いませんが……敵意は消した方がいいですよ」
ヒマリ「……何を仰っているのです?」
黒服「例えば……私の生徒が貴女方を敵と認識してしまうかもしれませんね」
ヒマリ「……エイミ!」
エイミ「!?くっ……」
どうやら後ろで銃を構えていたエイミと呼ばれる少女は吹き飛ばされたようだ。距離にして30メートル程だろうか。
ホシノ「私の先生に何をしてるのかな?」
だからこう忠告をしたのだ。『敵意を消せ』と。
最後のホシノの台詞以降の言葉だけで5時間くらい悩みました。
初めてアンケート機能を使ってみた結果甘々を見たい人が9割居たので明日甘々if投稿します