一見何に感謝をされているのかは分かりません。ただ一つ言える事は歓迎されているという事実。そしてケモ耳のオンパレード。犬、猫、狐、狸、身共……身共? とにかくゲヘナでは早々見られないケモ耳ガールズ達が私達の為に屋台を開いてくれているのです。それだけで胸が高鳴ってしまいますね。そうとなれば一つ一つ丁寧に見て楽しまなければなりません。
「という訳ですのでまずは視界に入ったりんご飴というものから食べましょう。……おや、このりんご飴は何やら独特なデザインをしていますね」
「それはベア先生飴です! 外見は怖いものの中身は包容力があり甘い甘い愛を捧げてくれるベア先生をイメージした今回の祭り限定のりんご飴です! 酸味がないりんごを使用しているので皆を平等に甘やかす方にぴったりな味わいとなっております!」
「そう、良い商品ね。全部買うわ」
「ヒナお待ちください。数十個もりんご飴を買っても持て余してしまうだけですよ。此処は一つずつ購入して他の子達の手に渡る様にしましょう」
「マザーがそう言うなら一個にする」
ヒナの私に対する愛が重いのは嬉しいですが女の子とはいえ糖分を摂取し過ぎてしまうと太ってしまいます。ヒナにはスレンダーでいて欲しいのです。……さて、私もこの頂いたりんご飴を堪能するとしましょう。外側はとても甘いキャンディーでコーティングされていて懐かしさを覚える優しい味です。私の顔を再現した白い部分は砂糖の塊ですね。まるで糖尿病になってしまいそうなくらい甘いですね。そしてお次は中のりんごと一緒に齧りまして……なんと!? 味の調和を感じますね。りんご特有の自然な甘さが砂糖と合わさってお互いを引き立て合い上品な味わいへと早変わりしましたよ。りんご飴は初めて食べましたが此処まで素晴らしいものだとは思いませんでした。これなら箱買いをしても……いえ、それは控えましょう。太ってしまいますので。かつて糖分を摂取し過ぎて太った経験があるので……とにかく次に行きましょう。
「次は射的ですか。景品は……私のぬいぐるみ? ヒナくらいにしか需要がある様には見えませんが……」
「私もいいかな。魅力的ではあるけど本物には勝てないし。だけど一個は欲しいから狙うね」
「分かりました。……周りを見たら私のぬいぐるみを持っている方が多い様ですね。何だか不気味に感じますが……そこまで慕われるような事をした覚えがないにも関わらず……」
「手を出してたくらいだもんね。むしろ人によっては嫌われていてもおかしくはないと思う」
「そうですね。ただゲヘナ以外の生徒に此処まで慕われた経験は殆どないのでむず痒くもありますね」
そういえば百鬼夜行は担当が決まっておらず今はシャーレの担当……という風になっているとか。この際百鬼夜行の教師権限を貰ってしまおうかと考え始めましたよ。頭がピンクのアホが追放されているので今なら容易く資格を得られますよね。……おっと、今はこのお祭りを楽しもうではありませんか。
「次は……『オキシトシン屋』? あまり聞かない屋台ですね。折角ですのでどういうものか説明を受けてみましょう」
桃色髪で修行装束、という名前の巫女服に身を包んでその上に黒タイツを着用している癖マシマシの店主さんから説明を受けてみると……なんとオキシトシンとはハグをされた際に分泌される成分との事で……私はその癖モリモリ巫女服黒タイツちゃんに抱きしめられたんですよね。
「ヒナ」
「えっこのタイミングで?」
「仕方がないでしょう。まさかこんな歓迎をされるなんて思ってもみなかったのですから」
長い事私を見ている方なら察しがついていると思います。急に可愛い生徒に抱きしめられた際に私がどのような行動をするかを。
尊みエクスプロージョンツァーリ・ボンバ一択なんですね
「皆様、わざわざ用意して頂いた手前申し訳ありません。私はあなた方の愛に応えるべく今此処で爆発させて頂きたいと思います」
「被害は出さない程度にね」
「それは無理です☆」
この後半径10kmにも及ぶ大規模爆発が発生したのは言うまでもない。……まあ、キヴォトスの生徒にとっては埃を巻き上げる程度の火力しかないのだけど。
その後ベア先生とヒナは夜まで祭りを堪能した後に謎にグレードアップした宿屋で休んだとか。
最近深淵という名前のえっちなものを要求されている気がします。
そして内容のストックだけ増えていっている現状です