「反省しました?」
「反省は……していません」
「何故ですか?」
「私はアリスに手を出したのを恥じる事も後悔もしていないのです。彼女の肌も唇も全てが柔らかく包み込む様に抱きしめた瞬間はまるで天にも昇る快感でグベァ‼︎ ちょっと待ってください!! 顔面は酷くないですか!?」
「変な戯言を仰っていたので目を覚まさせようと強く殴らせて頂きました。次に変な言い訳をしたらその複数ある眼を潰します」
「ヒェッ」
「………」
私の好きな人は時々変。むしろずっと変。変なところを挙げたらキリがないくらいに。私を好きだと言う所も欲に塗れつつも変な部分で冷静なのも何もかもが。いつから依存していたのだろう? 一年生の頃にゲヘナでばったりと出会った時から? それとも初日に甘やかされた時から? 自分でも気付かぬ内にこうなっていた。一人で過ごしていた無機質な部屋もいつの間にか花が飾られてお揃いのカップが増えてダブルベッドになってコスプレ写真が貼られていた。今では指輪を貰い永遠の愛を誓い新婚旅行に行くまでの関係になっている。……まあ、新婚旅行っぽい所には行けてないのだけど。改めて何で私はこの生徒に対して土下座をして脚を舐めて愉悦に浸っている人が好きになってこうなったのだろう? あ、反省してないってまた蹴られてる。
「貴女がそんなだらしない性格ですとヒナに嫌われてしまうのではないですか?」
「一理あるかもしれません。然しその発言は百鬼夜行に居るミニスカ巫女服黒タイツのオキシトシン屋さんにハグをされたら言えなくなるでしょうね」
「そんな店はありませんよ」
「確かに私の口から説明しても理解し難いとは思います。そこでどうでしょう、今度私と共に百鬼夜行に行こうではありませんか。当然二人きりでデート、ですよ」
「生憎デートは父以外とはお断りしてます」
「それは残念……所でこのお仕置きはいつまで継続するのでしょうか? ヒナを待たせ過ぎているので……」
「反省するまでですが」
結局のところベア先生は反省しないので一生お仕置きは継続する……かと思われたけれどヒナがたまたまアリスを見つけて説得したおかげでベア先生は骨20本くらいで済んだとか何とか。
「……ヒナは私を笑いますか? アリスに手を出して報いを受けたこの私を……」
「笑いはしないけど自重はして欲しい」
「ヒナがそう言うなら少しは控えます……そしてミレニアムにもほとぼりが冷めるまでは近づかない様にしますね」
「それが良いよ。で、次の行き先は決まってるの?」
「アリウスにでも行こうかと。とはいえ殆ど何もない場所ですが……」
「それなら一旦家に帰ろう。荷物もかさばってきたから置きたいし」
「そうしますか。しかし新婚旅行っぽさがないですね……何処かにリゾート施設!! みたいなものがあれば良いのですが……」
「新婚旅行っぽさなんていいんだよ。私は貴女と一緒に過ごせるのならそれだけで良い。場所なんて気にしない」
「ッスゥ……良いですか、ヒナ。一度目を閉じて考えて欲しいのです。好きな人から唐突にその様な事を言われたら人はどうなるのかを。そう、破壊力充分で死人が出ます。そろそろヒナは自分が如何に魅力的なのかを理解してください。ドレスを着てピアノを演奏するだけでも周りは歓喜、そして周年を飾れる目玉キャラクターに抜擢されるがの如く美しいのですから」
「言ってる事はよく分からないけど……嬉しい」
「という訳で爆発させて頂きますね。あまりにも破壊力が高かったのでミレニアム自治区全てを巻き込ませてもらいます」
「さっき自重して欲しいって言ったばかりなんだけど本当に爆発するの?」
「ヒナへの愛を抑えるのが不可能なのと同様です。それでは爆発しますね」
「うん」
自分への想いが爆発するのなら良いか……とヒナは考えて爆発する許可を出し、新婚旅行中二度目であるベア先生の爆発を見届けて満足していた。そして案の定ミレニアム全土が爆発に包まれてマエストロが激昂した(ただし被害はない)
この後ミレニアムにババア侵入禁止令が出されたとか