例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

341 / 500
アリウスへ旅行です

恥ずかしいコスプレ撮影会をして以降周りの何かを期待する視線に耐えかねて逃げるように新婚旅行を再開しました。ヒナが「スマホの待ち受けにしてみたよ」と自分の醜態を晒されてやはりやらなければよかったと後悔しながら向かう場所はアリウス自治区。少しの異変時に緊急避難所として利用していた所ですね。私が教師として歩みを始めるきっかけになった場所でもあります。面倒を見ていたアリウス生達はそれぞれが逞しく成長して自立し社会に溶け込み時々楽しく過ごしている写真を送ってくれます。一人はマエストロに無理言ってトリニティに転入させましたが……元気でしょうか?

 

「アリウスで思い出した事があるんだけど聞いて良い?」

 

「良いですよ」

 

「アリウスクインテッド、だっけ? 自称私の娘とか言ってる集団ね。どう見ても四人なのにどうしてチーム名がスクワッドじゃないの?」

 

「ああ、それはアツコが譲らなかったんですよ。『私達の恩人だからチームに加えるね』と」

 

「ふうん。昔も今とあまり変わらずに生徒達から好かれていたんだね」

 

「実はそうでもないんですよ。アリウス自治区ってゲヘナと同等、下手したらそれ以上荒れ果てていまして……毎日射殺されそうになっていましたよ。それに最初は駒として利用しようと近づいていたので不器用な接し方しか出来なくて……心を開いてくれるのに時間がかかりましたよ」

 

「確かに昔のマザーは不器用そう。玉子焼きも黒焦げになるまで焦がしてそうだし」

 

「……今でも多少は焦がしますよ。とにかくアリウスには思い出があるものの既に当時の生徒達はもう居ない場所なんです。文字通り廃墟しかない……悲しい場所ですよ」

 

「復興したりしないの?」

 

「それは考えましたが……全て一から作らねばならないので時間とコストが掛かりすぎてしまうのです。それに立地も宜しくない。ですが思い出が詰まっている場所ですのでいずれは百鬼夜行にも並ぶ程の観光名所にさせますよ」

 

「良いね。その際はゲヘナも総出で手伝うよ」

 

「嬉しいですね。いずれはシャーレを乗っ取って自治区の境界線を無くし生徒全員が自由になれる場所を創立したいものですが……」

 

「生徒だけじゃなくて住民もどうにかしないと」

 

「あいつらは大人なんで好き勝手に生きますよ。そんな奴らに時間を使うくらいなら生徒とコミュニケーションを取ります」

 

「ブレないね」

 

それはそうでしょう。一部を除いてキヴォトスには悪い大人しか居ないのですから手を差し伸べるなんて無意味な行為をする必要はありません。それに下手をしたら差し伸べた手を払いのけて偽善者呼ばわりしてくる奴だって居ますよ? そういうプライドだけは高い人間を助ける通り等ないのです。そんなくだらない話はさておいてようやくアリウス自治区に着きましたよ。薄暗く陽の当たらない陰のような場所に。想像通りと言いますか……やはり廃墟だらけですね。愛する人と終末世界を散歩している気分を味わうには最適ではありますがやはり寂しさも覚えますね。

 

「おや、懐かしい落書きがありますね。これは確か将来の夢を一人ずつ壁に書いてもらった時のやつですよ」

 

「『人の役に立てる仕事』しかないけど」

 

「良いではありませんか。当時はやりたい事を見つけられるアリウス生は一人も居なかったのですから。伝わらないとは思いますがここまで前向きに考えてくれる様になるまで異常な程苦労したのですからね……皆豆腐メンタルですぐ自殺しようとしたり鬱を発症しているので慣れないメンタルケアを余儀なくされたり……」

 

「でも上手く行ったんだよね?」

 

「そう思いたいです。……もう少し歩いたら離れて宿探しでもしましょう」

 

「じゃああっちの方に見える青く発光してる場所に行ってみよう」

 

「発光ですか?」

 

ヒナが指差す場所には確かに不自然過ぎる程に発光していました。青黒く見えるそれには見覚えがありその答えはお世辞にも良いものとは言えませんでした。

 

「あの光の色は昔現れたベアカスこと熟女が操っていたHENTAI集団が纏っていたオーラの色に似ていますね」

 

「熟女じゃなくて淑女だよ」

 

「良いんですよ、熟女がお似合いです。とにかくまたあの集団が現れでもしたら被害が出てしまうかもしれません。駆除しに行きましょう」

 

「うん」

 

せっかくロリコンとクソボケと協力して掴み取った平和をHENTAI集団に壊されるのは困りますからね。まあ、今の彼らなら「ハイレグニーソのホシノ……ありですね」とか「ハイレグのユメだって!?」とか言いそうですが……敵は敵なので倒さなければなりません。そう思いヒナと走って発光している場所へと足早に向かうもそこにはハイレグガールズはおらずただ渦のようなものが存在しているだけでした。……決して残念なんて思っていませんよ? ただ余り物があったらヒナに着てもらおうとしただけで……今だと私も着せられるのでしょうか? 流石に嫌ですね……

 

「それはそれとしてのこの渦は何でしょう?」

 

「近づいてみる?」

 

「危険ですよ、ここは大人である私が覗き込んでみましょう」

 

好奇心はヒナを犯すと言いますが私はその欲に勝てず渦の中を覗きました。そこに広がるはなんとリゾート施設の景色ではありませんか!? その時確信しましたね、これはテレポートの様なものであると!!

 

「ヒナ、飛び込みましょう! ようやく新婚旅行にぴったりな場所を見つけましたよ!」

 

「渦の中が? 正気なの?」

 

「いいから行きますよ、ハネムーンへ!」

 

「ハネムーン……うん行く」

 

行き当たりばったりな新婚旅行が辿り着いた場所はまるで南国の様なリゾート施設だった。……そんな偶然があるのでしょうか? もしかしたら何かに導かれて……いえ、考えすぎでしょうね。とりあえずリゾートに着いたら岩陰でヒナと……




やりたい事が出来たので軌道修正をしました。

本来はアリウスガールズ達を呼んで色々やろうとしてました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。