「おはようございま〜す☆」
「あ、ノノミ先輩おは……よ?」
「えっ……」
元気よく挨拶をして登校してくるのは十六夜の狂気ことノノミさん。彼女はさも当然の様に黒服先生と恋人繋ぎを見せびらかしながら歩いており、朝早くから学校に来て校内の掃除をしていたセリカとアヤネが唖然としている中二人は校舎の中へ消えていった。
「……ねえ、あれどういう事なの!? あの二人ってそういう関係だったの!? 恋人繋ぎをしてるって事は黒服がノノミ先輩と浮気したの!? ホシノしか愛していません(キリッ)とか言ってたロリコンも結局は大きいおっぱいに勝てなかったって言うの!?」
「ちょっとセリカちゃん落ち着いて……」
「落ち着けないわよ!? アビドスの先生が浮気性のクズだって世間にバレたらどうするのよ!?」
「それは確かに困るけど……ほら、ゲヘナの先生とかは沢山の子と浮気してるって噂が流れてるし一回くらいは……とはならないよね!? 二人をとっちめてきます!!」
「私も行く!!」
セリカとアヤネの二人は真偽を確かめるべくノノミ達が消えた校舎へと足を運ぶ。しかし教室の中でノノミの足を舐める黒服の姿を見てそっと離れて屋上に登り空を見上げて現実逃避する事にした。
「あれはどうしようもないわね」
「脚を舐めてるのはちょっと……」
「この後ホシノ先輩が来たら間違いなく修羅場……というか戦争が起きると思うけどどうする? 帰る?」
「学校を壊されるのは困るし止められそうなら止めたいけど……」
「いくらホシノ先輩でも闇討ちしたら案外コロッと倒せそうじゃない? ほら、最悪のタイミングでホシノ先輩が登校してきたし」
「普段は遅刻するのにどうして今日に限って早く……? あれ、ホシノ先輩の隣に黒服先生が居るように見えるんだけど……」
「そんな訳ないじゃない。って言いたいけど私にも見えるわね……え、じゃあさっきノノミ先輩の脚を舐めてた黒服は何?」
「私達の見間違いなのかな……でも生徒の足を舐める人なんて限られてるし……」
「というか黒服って脚を舐める趣味があったの? 普通に気持ち悪いわね。まああいつが気持ち悪いのは今に始まった事ではないけど」
「……あれ、ホシノ先輩がこちらを向いて銃を構えてるよ」
「もしかして足舐め黒服の事がバレたのかしら?」
否、ホシノが怒っているのは足舐め黒服の事ではなくセリカ本人に対して。黒服に対する悪口は誰であっても許さないという精神を持ち合わせているので黒服を気持ち悪いと言ったセリカを粛清しなければならない。そんな地獄耳を持ち合わせているのは明らかに神秘の無駄遣いとも言える
「ホシノ、ステイですよ」
当然黒服は止める。無駄な争いは避けるべきだと。
「止めないで先生、セリカちゃんには一度お灸を据えないといけないんだよ」
「何故500M以上離れているセリカの声が聞こえるのです? 最大の神秘だから、という理由では済まされないのですが」
「愛の力だよ!?」
「もっと有効活用してください」
暴れるホシノを抑える黒服。明らかにおかしい状況ではあるものの現実逃避をしている一年生組は途中から空が透き通る様に綺麗であるとしか考えていなかった。こんな日常でいいのか? 大丈夫、元から歯車は狂っているので。
それはそれとして黒ホシの二人もノノミの脚を舐めている人物を見つけてしまった訳でございまして。謎の優越感に浸っていそうな表情を浮かべているノノミさんとその脚を丁寧に舐める黒服の図。これを見た二人の反応は……
「あれは見なかった事にしましょう」
「そうだね」
セリカ達と同様屋上で空を眺めて現実逃避をする道を選んだ。黒服としては誰かの足を舐める自分の姿を見たくない、ホシノとしては自分以外の脚を舐める黒服を見たくないという利害の一致もあったので……
「今日は休校にしましょう。あれは規制を入れないといけないレベルなので」
「映せるものじゃないよね。『CENSORED』って書いた看板で隠した方が良いレベルだよ」
「然しノノミは凄いですね。あそこまで従順に教育を施すとは……そんな恐ろしい才能を持っていたなんて」
「ノノミちゃんの事だから少しずつ心を開かせる様な感じで接してたんじゃないかな。それで脚を舐めさせる関係にまで発展したとか」
「確かに……彼女に一日目世話をされたら堕ちる人間も大勢居る事でしょう」
※実際は洗脳並みの教育をして逆らったらお仕置き☆ をしているだけなので二人が考えている様な事は何一つしていない。彼らは十六夜の狂気を知らないので……
この後ノノミさんは『私の』彼氏と皆に紹介したのだとか。