例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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私が望む未来

「ホシノは卒業したらどうするの?」

 

公園のベンチに座って空を眺めている時にヒナが問いかけてくる。突然の問いかけに思わず困惑するも昨日も先生と進路について話したのである程度の答えは決まっていた。

 

「そうだなぁ……とりあえず先生が隣に居てくれるなら私は何でも良いかな。強いて言うならユメ先輩と一緒にアビドスの復興をしていこうと思ってるよ」

 

これが自分なりに出した答え。アビドスを卒業した後もOBとして後輩達の為に廃れてしまった街を復興したい。それなら皆とも離れ離れにならないし手の届く距離に居るなら守れるから。

 

「そう。やっぱりアビドスに残るのね」

 

「まあね。そういうヒナはどうするか決めたの?」

 

「私は先生になるつもり」

 

「えっ」

 

「正確にはシャーレの全権力をマザーが使えるようにさせたい。そうすればキヴォトスはより良くなる。生徒に手を出したりコスプレさせたり抱いたりしてるけど……生徒に対する想いは誰にも負けない人だから」

 

「……そっか。なんていうかヒナらしいね。ベアさん第一優先に考えてるところとか」

 

「当然よ。……まあ、先生になりたいのは私の意思でもあるのよ。間近で見てきたからこそ自分も同じ道を歩みたいって思えたの」

 

「確かにベアさんはちょっと生徒の事が好きすぎて暴走するだけで害を与える事はあんまり……最近してたね」

 

「しょっちゅう暴走してるわよ。今は反省して大人しくなってるけど持ってあと数日でしょうね」

 

「懲りない人だねぇ……」

 

「……ねえホシノ」

 

「どうしたの?」

 

「私と一緒に先生にならない? 私と貴女の二人ならどんな問題でも解決出来ると思うの」

 

「どんな問題も……」

 

「勿論無理にとは言わないわ。だけど答えは考えておいて。……そろそろ仕事の時間だから帰るわ。また今度ね」

 

「あっうん。またねヒナ」

 

私が先生……先生かぁ……迷うなぁ。

 

ーーー

 

「うわぁぁぁぁぁぁん!!」

 

「うぇ」

 

考え事をしながら家に帰ったらアリスちゃんが大泣きしていた。何があったんだろう……? あれ、何処かで見た記憶がある子が隣に居るね。確かお花見の時に見たような……

 

「お邪魔してます」

 

「うぇ? ああ、いらっしゃい。ごめん、どうしてアリスちゃんが泣いているのか聞いてもいいかな?」

 

「それは優秀なAI対決を行って私が圧勝したからです。王女と呼ばれるAIだからと言ってシッテムの箱出身である私のスペックには敵わないのですよ」

 

「く゛や゛し゛い゛て゛す゛!!!!」

 

「ま、まあ……仲良く遊んでくれているのなら良いんだけど……」

 

「もう許しません!! アリスが超超得意な格闘ゲームで勝負です!!」

 

「良いでしょう。自らが有利な土俵に立ったところで私には勝てないという事を教えて差し上げましょう」

 

 

 

ーアリスWIN!ー

 

「……まあ、最初の一戦は譲ってあげますよ」

 

ーアリスWIN!ー

 

「………」

 

ーアリスWIN!ー

 

「………」ムスッ

 

「まだやりますか?」

 

「当然です」

 

「(あの子アリスちゃんにボコボコにされてムキになってる……二人共負けず嫌いなのかなぁ……いけないいけない、つい親目線になって眺めちゃってた。私は自分の進路について考えないとね)」

 

未記載の進路希望調査の紙と睨めっこをしつつも私はペンをとって自分の名前を書いた。そしてそのまま第一希望の欄に……欄に……

 

 

 

無意識のうちに先生の奥さんって書いてた。

 

えっどうしようこれ。よりにもよって油性で書いちゃってる。既に叶ってるしもう私の人生はゴールって事なの? それとも改めて籍を入れる感じなのかな? あ、じゃあ先生には小鳥遊黒服って名乗ってもらおうかな。……今更だけど先生の本名を知らないかもしれない。出会った時に黒服と呼んで貰えればって感じでずっと違和感がなかったんだけどよくよく考えたら黒服って偽名だよね? 本名じゃないよね? 永遠の愛を誓った相手に偽名使うのっておかしくない?

 

「という訳で先生、本名教えて!!」

 

「何故進路の話からそう発展したんです?」

 

ごもっともなツッコミの後に私だけにと本名を教えてくれた。ありがとう先生。

 

「ところで先程からリビングが騒がしいのですが」

 

「アリスちゃんが友達とゲームしてるんだよ」

 

「そうでしたか。後で客人をもてなす紅茶と菓子を渡しておきましょうかね。……それとホシノ、進路調査についてですが現時点で深く考えすぎる必要はありません。自分が本当にやりたい事を見つけてくださいね」

 

「うん、そうする。ああでも私が一番望んでいるのは……先生の側で生きていける事かな」

 

「それは私が叶わせるので他の願いにしてくれませんか? それと……今の発言は卑怯ですよ」

 

「? ……あ、先生が照れてる〜♪」

 

「不意打ちされるとは思いませんでしたよ……」

 

「うへへ〜♪」

 

貴方のその照れた表情を一目見た時、将来への不安が一気に吹き飛んだんだ。だって……大切な人と一緒に生きるっていう一番望んでいた願いがもう叶ってるんだから。

 

だから私は貴方が好きだよ。

 

「私もですよ」

 

「うぇ?」

 

「声に出てました」

 

「……ぁ///」

 

……やっぱり訂正! 貴方は少し意地悪な人! ……でも好き




一応昨日の補足です
卒業式が最終回と決めてはいますが一応続編等は考えております。あと卒業式の日程は決まってないです
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