あれは正直驚いたよね。窓からこちらを覗いてくる人? を凝視してるユウカちゃんの顔が怖かったんだよ。例えるなら待ち望んでいた人にようやく会えて二度と離れないように束縛したいって顔なんだよ。簡単に言えば『捕食者』みたいな……その後? 「お時間頂けますか?」ってゆっくりと近づいた後に仮眠室に二人仲良く向かって行ったよ。流石にそれだけはいけないって思ったから止めたけど……もしそういう行為に発展していたら争いの火種になっていたと思う。まあ、ユウカちゃんって一番先生と過ごした時間が長い? みたいだから我慢出来なかったんだろうね。私も多分好きな人と数日離れていたら同じようになると思うし仕方ないとは思うよ。でも、でもね? 人が理性を失ってしまえばそれはもうただの獣なんだよ?
「って感じに纏めたんだけどどうかな?」
「まあ……良いんじゃないか? それで先生は何処に?」
「どうにかユウカちゃんを引き離して今そこに座って震えてる」
「あいつ可哀想だな……後で慰めて……いや、この際記憶を消して元の場所に帰すか……間違いなく碌な目に遭ってないからな」
「それが良いと思う」
「流石にミレニアム生に暴走する生徒が居ると理解したくはなかったが……ユウカの心境を理解せずに安易に接触させようとした私の責任でもあるな。普段どんなに合理的に行動している彼女であっても最終的には人間の本能に勝てない……そういう事なのだろう」
「キヴォトス人って暴走したら恐ろしいよね」
「ユメもその一人だぞ。とりあえず先生に話して安全に帰れるようにするとしよう」
ーーー
気づいたらいつもの机に顔を伏せている状態で目が覚めた。何だか酷い悪夢を見た気がする。ヒナに好かれているベアトリーチェ、バーを経営しているマエストロ……うん、絶対に有り得ないね。とにかくいつも通り仕事をして各学園を回って……先生としての仕事をこなそうかな。
「まだ疲れているなら休んだ方が良いぞ」
「"話しかけないでよマエストロ、せっかく現実逃避をして昨日と今日で体験してきた事を全て夢にするつもりだったのに台無しだよ"」
「ユメならそこに居るが」
「"違うそういう意味じゃない"」
「呼んだ?」
「"呼んでないけどお話したかったしちょうど良いや。君は確かマエストロと結婚してるユメ……なんだよね? どうしてシャーレの制服を着てるの?"」
「諸事情でシッテムの箱の所有者になったからかな。あとこっちのシャーレの先生がやらかして捕まってるから代理として働いてる感じだよ」
「度重なる生徒への猥褻な行為によって先生である自覚が足りないとの事で現在教育中なんだ」
「"終わってるね"」
「まあな」
「"この世界がちゃんと秩序保たれてるか心配になってきたんだけど……大丈夫なの?"」
「大丈夫かどうかはそっちの状況を知らないから何とも言えないけど……この後見回りがあるから一緒に見に行く?」
「"折角なら着いて行こうかな"」
ーーー
ユメ先生? に見回りも兼ねて色々な自治区を巡り始めた。最初に訪れたSRT特殊学園……こっちでは閉鎖されていないようで見慣れない校舎を歩きつつ見慣れた子達にすれ違ったので軽く挨拶をしたら急に張り付かれた。特に異常なしとの事なのでとんでもない力で抱きついてくるうさぎを引き離して次は向かう。次はゲヘナ……ベアトリーチェの件もあるのであんまり近寄りたくはないものの特に危害を加えてくる生徒も居なかったのでとりあえずイオリの脚を舐めてその場を後にした。何故かリオがフウカに対して壁ドンみたいな事をしていたけど触れないでおこうと思う。お次はミレニアム。こちらも特段変わった事は見受けられない。強いて言うならコユキとミカの二人でセミナーの仕事を回している事くらいかな。そのままトリニティにも寄ってナギサとハルナの追いかけっこを眺めつつ見知ったゲマトリアがサンドバッグにされていたりとこちらはこちらで治安が終わっている学園へとなっていた。定期的に見えるマエストロ1/1スケール人形がチラついて怖い。というか元々あいつ人形でしょ。
「今日回る学園は以上だけど何か気になる箇所とかあった? 例えばそっちの学園との相違点とか」
「"色々ありすぎて何処から突っ込めばいいか分からないよ。でもどの生徒も楽しそうに過ごしてる事が分かった気がするからこういう教育もありなんじゃないかなって考え始めてるよ"」
「それはないと思う」
多少洗脳されかけた先生とそれを抑制するユメ。……を後方でストーカーしているマエストロ。酷い絵面のまま三人はシャーレに戻ったそう。
なんかぐだぐだしてきたのでそろそろ新しいカップリング作ろうかな