そろそろ黒服とホシノが初めて出会った日。ホシノにとって大切な記念日が近づいてきている。過去に渡したネクタイを越えるプレゼントを用意しようと現在教室に居残って案を考えていた。自分にとって誰よりも大切な彼に贈るもの……当然中途半端な品を用意することは出来ない。
(だけど……決まらないなぁ……ネクタイはすぐに決まったんだけど……先生が喜んでくれそうなもの……あれ、よく考えたら先生が好きなものって私以外に何かあるのかな……?)
人ではなく物の話だからね? ほら、先生ってミステリアスな部分が多いし……ずっと一緒にいても分からない事だって多いんだよ? あれ、そう考えると結婚はもっと互いの事を知ってからの方が良かったのかな……? でもあんな素敵なドレスと会場をサプライズで用意されたら断れないし本望だったし……うん、やっぱり結婚してよかったね。
(ドレス……あ、そうだ! 先生に渡すプレゼントが決まった! 先生に似合う服を渡そう!!)
そうと決まれば手作りで服を作れそうな知り合いに相談しようかな。えっと……思いつくのはベアさんかマエさんかな。ベアさんは見返りにエッチな事を要求されそうだしマエさんに相談しよう。
ーーー
「それでわざわざ一人で私の家を訪ねてきたというわけか」
「うん。マエさんならこういう事に詳しいと思って」
「趣味でユメに着てもらう衣装を製作してはいるが……私の知識がホシノの期待に添えるかは分からないぞ。それでも良いなら力になろう」
「ありがとうマエさん」
「それでホシノは黒服にどんな衣装を贈りたいんだ? 服と一言で言ってもそのジャンルは大量に存在するが」
「先生に似合うのが良いな。普段の黒いスーツもカッコよくて好きなんだけどもっとラフな格好の先生も見てみたいんだ。だから先生のカッコよさを崩さなくて尚且つ気軽に着れそうな服が理想なんだよね」
「ふむ。ホシノの案を考慮すると……和服が良いかもな。がっちりしたものではなく気軽に着れて洒落ている黒服の雰囲気に合う和服もあるだろう。これはホシノの好みにもなるが半袖の和服を贈れば家の中で奴の腕を心ゆくまで眺められるぞ」
「ダメだよマエさんそれはエッチだよ確かに私そういうの好き好き大好きだけどエッチなのは私の心が持たないよでも案としては最高だしありだと思うから一概に否定が出来ないのも考えものだよねもうどうしてそんないきなり魅力な提案をしてくるのさマエさんはだからユメ先輩の心も掴んだんだね」
「あ、ああ……?」
「となると生地にも拘りたい気がするね。やっぱり1から選んで作り始めた方が先生への気持ちも伝わって喜んでくれるだろうし……ねえマエさん、和服の元になる生地を一緒に選びに行こう」
「すまない、それは無理だ。私は百鬼夜行に近づいたら家庭が崩壊する恐れがあるからな」
「……マエさんも色々大変なんだね」
「ああ……そうだ、ユメが明日シャーレの業務で百鬼夜行の見回りがあると言っていた。それに着いていって見回りのついでに生地を選んでくるといい。その間私の方でデザイン案を考案しておこう」
「ありがとねマエさん」
先生の知り合いって頼りになる人が多いね。見た目は個性的の人だらけだけど悪い大人ではないし……
「待て、何か勘違いをしていないか? 私達は悪い大人である事には変わりがないからな? 何処かの異星人王子も家庭を持って徐々に丸くなっていったが私達はそうはなってないぞ?」
「どうして必死に否定するのかは分からないけど今のマエさん達が悪い大人って名乗るのは無理があると思う。ベアさんはNTR? みたいな事をしたから悪い大人を名乗れるとは思うけど」
「あのババアは悪い大人というよりは性欲に身を任せるクズだな。だがあまり大きな声で罵倒するとヒナに制裁を下されるから困ったものだ。下手をすればババアの息がかかった生徒全員に命を狙われるまである」
「誰だって好きな人を馬鹿にされたら怒るからね」
「私にもそういう頼れる生徒が居るが馬鹿にされた程度で動いてくれる程慕ってくれている生徒は多くないからな……」
「大丈夫、マエさんとベアさんがぶつかる時が来たら嫌でも慕われている事を理解出来ると思うよ。二人の喧嘩、即ちゲヘナとミレニアム+トリニティ連合軍の戦争になるし」
「大袈裟だな。まあそんな話は置いておいて明日は頼んだぞ。それともし桐生キキョウという猫耳生徒に出会ったら私の事は何も知らないと伝えてくれ。絶対だぞ」
「う、うん」
とても怯えていそうだし……マエさんの為にも気をつけてあげないとね。
本来ホシノとヒビキで百鬼夜行に行かせる予定でした。
没理由はヒビキを出すと私の衝動によって絶唱してしまうからです
真面目な話の時にガングニッてるヒビキを出すのはどうかと思いまして