マエさんのおかげで先生のプレゼント用の服が少しずつだけど形になってきてる。これなら明後日には間に合うと思う。……だけどプレゼントだけ、というのも味気ないよね。会場の飾りつけもしないと。
「ホシノママ、お帰りなさい!!」
「ただいまアリスちゃん。あれ、先生とケイちゃんは?」
「夕飯の食材を買い忘れたからと二人で手を繋いで出かけました」
うんギルティ。後でお説教だね。それはそれとしてこの状況は好都合。アリスちゃんと飾り付けの準備をしちゃおう。
「そっか。ところでアリスちゃん、明後日の事なんだけど……」
「……! パパとママの記念日なんですか!?」
「うん。それでお部屋の飾りつけをしたいんだけどね、明後日まで先生にはバレたくないんだ」
「!! つまり秘密の任務ですね!! アリスも手伝います!! ベア先生柄のアクセサリーで飾りつけをしますね!!」
「ありがとう。でもそれを飾るのはちょっと困るかな。不純物が混じっちゃうっていうか……」
「ベア先生柄はダメですか……ではモモイ達に相談して色々飾りつけを用意しておきますね」
「うん。お願いね」
ベア先生柄とかいう特級呪物は捨てて……あ、ヒナにでもあげようかな。これヒナも苦笑いしそうだけど……
ーーー
ホシノとアリスが明後日のお祝いの為の準備をしている中、夕飯の買い出しに行っている黒服とケイ。この二人にも何やら企みがあるようで……
「父の手は大きいですね。暖かいです」
「それは何よりです」
ノノミ達とナギサの助言により当日はホシノが喜んでくれるケーキを用意できそうです。ですがお祝いの日にケーキだけというのも味気が無いもの。会場の飾りつけを行う必要がありますね。場所は……まあ、折角なので自宅で行うとしましょう。そうだ、ケイにも飾りつけを手伝って頂きましょう。
「ケイ、少々よろしいでしょうか?」
「どうしました?」
「実は明後日なのですが……」
「……成程。父と母が初めて出会った日なのですね」
「ええ。その祝いを自宅で行う予定ですが部屋の飾りつけをしてよりホシノを楽しませたいのです。ですので宜しければケイに……」
「もちろん手伝います。父の事も母の事も好きなので」
「……それは嬉しい事ですね」
夕飯の材料を購入しながらどんな飾りつけをするのか、いつ頃飾るかについて話し出た案については明後日にでも発表すると致しましょう。
その日の深夜、二人のアンドロイドは顔を見合わせて計画を練っている。
「予想通り、でしたね」
「はい。ケイのいう通りでした」
「父と母、互いにサプライズも兼ねて明後日の記念日へ向けて準備をしている。……私たちも舐められたものですね。私たち姉妹が一か月程前から既に準備を始めていると知らずに」
「何も知らない感じで話を合わせるのはアリスにとってとても高難易度でした。それにママを騙している事の罪悪感もあって……」
「ハッピーエンドを迎える為には必要なのですよ。大丈夫、二日間だけの辛抱です」
「はい……」
大切な人に喜んで欲しい。……昔の私なら絶対に言わない台詞でしょうね。元々自分の存在意義すら無いんだと。それだけの存在だった私が今では王女であるアリスの姉となり日常を過ごしている。普通に生活したり叶わぬ恋を夢見て過ごしたり一時期卑しいなんて言われたりもした。その人はケイブレードで塵と化した。……とにかく。こうやって普通に生活が出来るようにしてくれた父と母には感謝してもしきれない。
「今回は良い機会です。このまま私とアリスの愛と想いを親二人にぶつけてやりましょう」
「おー!」
過剰すぎる愛を与えられてあの二人が耐えられるのかはともかく明後日に備えて二人のアンドロイドは暗躍する……アリスは暗躍できないので頑張って隠す努力をしてね。