「おはよう※※」
「……外の世界で呼ばれていた名前で起こされるとは思いませんでしたよ。急にその名前で呼ぶなんてどうしたのでしょうか?」
「せっかく前に教えてもらったから……二人きりの時くらいは黒服とか先生じゃなくてその名前で呼びたいなって」
「ホシノがそう呼びたいなら構いませんが二人きりの時限定ですからね」
「はーい」
うへへ、これで良し。先生に明日のサプライズを悟られないようにしないといけないからね。きっと今頭の中で「何故急にあの名前で私を呼んだのでしょうか……何故? 何故? 何故?」ってなってる筈。私が先生の為に準備をしているなんてバレたらサプライズじゃなくなっちゃうからね。それに先生は私の事に対して凄く敏感だからこうして他の事を考えさせないとすぐに見抜かれちゃう。昨日だって体重か0.1kg変わっただけなのに「一目でわかります」とか言われちゃったからね。
「……ああ、そういえばホシノに聞いておきたい事が一つあるのです。将来に関わる重要な事で」
「何々? あ、進路の事? それなら……」
「子供は何人欲しいのですか?」
……………
「ぴぇ」
クックック。相手を揺さぶり精神的に余裕を失くす。これこそ私本来のやり方です。ホシノに対してこの様な行いをするのはなるべく避けておきたいのですが明日の事を考えてやれる事はやっておきたい。ホシノは時々勘が鋭く隠している薄い本を容易に見つけるかの如く隠し事を暴かれる。そこで利用するのは彼女のクソ雑魚恋愛耐性。子供は何人欲しいか、という質問から連想されるものは性的な行い。今のホシノに対しては致命的な精神ダメージを与えることができる。これならば明日の祝いの日の事を考える余裕がなくなる筈……ククク、実に素晴らしい。彼女の能力を把握して相手を手玉に取るやり方……久々にやりますが悪くない気分です。
「やっぱり一人かな」
「……? 何がですか?」
「? 子供の話だよ?」
「ああ……そうでしたか」
……ふふ、先生は勘違いしているよ。私の恋愛耐性がクソ雑魚なのは当然だけどそれはそれとして将来的に愛の証として子供は当然欲しい。それは常日頃から考えてきている事なんだよ。だから先生の読みは間違えてるよ。きっと私の照れ顔を期待していたのかもしれないけれど私はそう簡単に……あ、でも結構簡単に照れちゃいそう。さっき言われた事にだけは耐性があるってだけだから膝に座ってとか言われてたら間違いなく照れるし気絶するけど。
「(とにかく明日のお祝いの事を……)」
「「(絶対に悟らせない様にしないと)」」
「みたいな事をパパとママがやってました」
「朝から何をやっているんでしょうね」
こんなノリで明日を迎えていいのでしょうか……
私のやる気もってください