例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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第十部……? 先生昇格試験
ぶっ壊しシナリオ開幕


「待っていたわ」

 

アビドスに着いて早々正門前で待ち構えていた生徒にそう声をかけられた。ホシノと同じ幼児体型、紫色に発光している角、モップ並に毛量が多い白髪、そして際どいスカート。誰がどう見てもベアトリーチェに目をつけられた一番の被害者である空崎ヒナだ。彼女は物語の流れを完全に無視して何故か此処にいる。

 

「何故ヒナがアビドスに居るのですか?」

 

「その封筒に呼ばれたからよ」

 

彼女は何を言っているのだろうか? 封筒の中にはホシノの名前しか書かれていない筈……おや、裏面に何か書いていますね。

 

『少しおまけをしてヒナさんを配布しておきました☆ 本来はアンケート通り別の子にする予定でしたが色々ありましてバグが多発して実装出来ませんでした。その為ユメさん同様お蔵入りに……あ、今マエストロ先生が激昂しました』

 

「……という訳で改めて名乗らせてもらうわ。ゲヘナ学園三年……いや、アビドス高等学校三年の空崎ヒナよ」

 

嗚呼、何なのでしょう。幾らなんでもふざけすぎている。シュミレーションなので現実ではないにしてもあまりにも酷すぎる。私のホシノとゲヘナ最強を組ませるとか正気の沙汰とは思えません。それよりもマダムと離れて大丈夫なのでしょうか? ヒスっていきなり憎しみに満ち溢れたりしませんよね?

 

「大丈夫よ。マザーは三章まで出番がないからその期間の私はフリーなの。私の転入を反対したゲヘナ生達は全員黙らせてきたから安心して。当然死者は0人よ」

 

「安心出来ませんが? この後の展開が滅茶苦茶になる事が確定してしまったのですが? それにアビドスに転入なんて面倒な事まで……ホシノからも何か言ってください」

 

きっとホシノなら私の意図を汲み取ってヒナの転入を受け入れずにゲヘナに戻してくれる筈。これで一先ずは安心し……

 

「歓迎するよ☆」

 

「宜しく頼むわ」

 

嗚呼忘れていた。ホシノとヒナは親友でした。親しい仲のヒナがアビドスに転入なんてホシノからしてみれば断る理由がない。むしろ彼女からしてみれば私とヒナ、愛する人と親友が側にいる事になり最高の状態とも言えてしまう。……それならいいのでは? ヒナの転入など現実では絶対にあり得ない。ならばこのシュミレーション期間くらいは許しても良いでしょう。彼女の実力はキヴォトスでもトップクラス。ホシノ一人ですらRTA並のレベルだったストーリー攻略が更にヌルゲーになりましたよ。

 

「ではヒナのアビドス制服を用意しますね。……ああ、私とした事がついうっかりしておりました。まだアビドスの子達に接触する前の段階でしたね。ホシノと狂人の二人に出会っていたので感覚が麻痺しておりました」

 

そう、今この場にいるホシノ、シロコ、ヒナ以外は記憶の引き継ぎが行われていない。いつもの様に接触しても不審がられてしまう。……だけどそもそもホシノと手を繋いでいる時点でダメかもしれない。逆にホシノが信頼している大人として容易く信用を勝ち取れるのかも……これ以上考えていても仕方がありません。接触して反応を見てから考えましょう。こちらにはメインヒロインが居るのだから。

 

「ん、照れる」

 

「貴女の事ではありません。ホシノの事です」

 

「え、二人とも急にどうしたの?」

 

「シロコに思考を盗聴されまして」

 

「ん、メインヒロインの特権」

 

「よく分からないけどあまりふざけすぎるのはダメだからね。こんな緩い感じでやってるけどこれは一応試験なんだよ」

 

「試験とは分かっているのですが状況がふざけ倒しているので……考えてみてください。第一章の敵役として想像出来る人物を」

 

「一番最初でしょ? だからカイザーPMCとか……あれ、他に何か居たっけ? 敵になりそうな人」

 

「ゲマトリアの『黒服』です」

 

「え、先生が敵なの? 私の旦那だって理解(わから)せないとダメ?」

 

「そんなシュポガキ的なノリで言われましても……それに今更ホシノ達と敵対したところで意味もありませんし……何より敵対してしまった場合の末路を知っているので」

 

十六夜の狂気に魅入られて彼女の脚を舐める存在に成り果てた愚かな黒服を知っているが故に敵対する気は起きない。仮に敵対したとしてもこの星空コンビに勝てる筈もない。アビドスの借金をチラつかせればどうにかなるかもしれないが今のホシノの優先順位は下記記載の通り

 

私>>>>>>>>>ユメと過ごした学校>>>後輩達

 

になっているので下手をすれば「先生が望むなら……」とアビドスの放棄する解釈不一致の行動を取ってしまう。恋は盲目とも言うが彼女に過去を捨て去るような行為をさせたくはない。

 

「そっか。でも私は先生が敵対してもいいと思うよ」

 

「それは意外ですね。何故でしょうか?」

 

先生に強引な事出来るじゃん

 

それ良いわね。私もマザーに理解(わから)せが出来るのね。先生シュミレーター様々よ

 

「……はあ」

 

聞こえていますか? 腹部から血を流して電車に揺られていたそこの貴女ですよ。これで本当に教師としての資質を判断出来るのですか? 少なくとも現状何の意味もないシュミレーターになっていますよ?




一方マエストロは

半ば強引に当番の生徒を決められた。現在ミレニアム生と共にアビドスを彷徨っているのだそう。

黒服先生の当番

  • ホシノちゃん
  • 他アビドス生
  • アリス
  • 他ミレニアム生
  • ヒナ
  • 他ゲヘナ生
  • ナギサ
  • 他トリニティ生
  • 百鬼夜行生
  • レッドウィンター生
  • その他学園生
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