例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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黒服達視点


百合があるなら薔薇もある

「ホシノの娘がいるという事は私とマザーの娘も居るのかしら」

 

「黒服という人外との子供が出来ていると仮定するとあり得ない話ではないな。……ならば私とユメの愛の結晶もいるのではないだろうか?」

 

『あ、マエストロ先生の娘は居ませんよ。貴方の体人形ですし異形過ぎるので』

 

「は?」

 

『人型ではありますけど血の繋がりではなく糸の繋がりになりそうですねw』

 

「あ?」

 

最悪の煽りをされたマエストロ、キレる。そして口喧嘩の開戦。

 

「いきなり怒り出したけど……」

 

「脚を舐めれば落ち着くかな……」

 

どうやらヒナ達には腹部刺され女(命名マエストロ)の声が聞こえていない様で急にマエストロが見えない何かと喧嘩を始めているように見えているらしい。

 

「私が言うのもなんだけど精神的に不安定なのね」

 

「人は長時間最愛の人と離れてしまうとああなるんですよ」

 

「分かるわ。私も24時間離れると情緒不安定になるもの」

 

「どこも似たような状況なのですね」

 

「もういい!! こんなクソ試験なんてやってられるか!! さっさとリオをどうにかして早くこのゴミ試験を終わらせるぞ!!」

 

ヒナと呑気に話していると突然何かが吹っ切れたマエストロが叫び先導し始めた。彼の脳は嫁も娘も傍にいないこの仮想空間に嫌気がさしている。早く終わらせるという事に関しては賛成するが少しツキノと話す時間も欲しい。彼女の出生理由やその方法についても非常に興味深い。

 

「せ、先生元気出してよ。後で足を舐めさせてあげるから……」

 

「イオリぃ……今の私に残っているのは君だけだ……」

 

「ちょ、ちょっと!? こんなところで触るなバカぁ!!」

 

「……イオリに縋っている辺り可哀そうになってくるわね」

 

「……ええ。彼の名誉の為にも早くリオをどうにかしましょう」

 

____

 

 

「待っていたわ。シャーレから来た先生達ね? 早速だけど助けて頂戴」

 

ミレニアムの生徒会的存在であるセミナーを訪れた際、普段の冷静さを欠いたかのように焦っているリオが居た。まるで人質の様に縄で縛られており一部の人間からは薄い本の導入と思われる程度には酷い状態。そんな彼女の隣に居るのはフウカ。嗚呼、ここにも愛故に暴走した人が居るとは。

 

「あれ、皆様お揃いでどうしたんですか?」

 

「そちらのリオをどうにかしようとしまして」

 

「そうだ! このクソ試験を早く終わらせる為にな!! リオをどうすればいいんだ!? 存在を消せばいいのか!?」

 

「落ち着いてください。『生徒を死なせてはいけない』というルールがあるではありませんか。ここはフウカの調教に任せて一度気分転換でもしに行きましょう」

 

「しかしだな……!」

 

「何事も冷静にならなければ物事の本質を見失います。感情に身を任せて破滅した大人が何人も外の世界に居たではありませんか。芸術家である貴方が彼らと同じ穴の狢になる姿を見るのは避けたいのです」

 

「黒服……」

 

「さあ手を。貴方はここで立ち止まるべき教師ではありませんよ」

 

「……ああ!」

 

こうして強引に良い雰囲気に持っていこうとした結果、偶然にもこの光景を見ていた空崎ヒナはぼそっと「まるでボーイズラブね」と呟いた。

 

「ボーイズ……ラブ?」

 

「……黒服、まさかそういう気があるのか?」

 

「そんなつもりはありません。私が好むのはホシノだけですので。マエストロに恋愛感情を抱くのは罰ゲームでしかありませんよ」

 

「……良いわね。男性同士の友情、そしてそれを超えた関係に発展する……純愛ならではの美しさがあるわ」

 

「ヒナ?」

 

何やら新しい境地への扉を開いてしまった様子……恐らくキヴォトスでは絶対に開いてはいけないものだとは思いますが……このままヒナに変な知識がついたらマダムに文句を言われ……いえ、過去にアリスに性的な行為を働いていましたね。ならばマダムに関しては気にしなくてもいいでしょう。ですがこんなものでボーイズラヴに目覚めてしまうのは大変よろしくない。既婚者×既婚者のBLはただの浮気ですよ?

 

「ちょっと待って頂戴」

 

おっと。ヒナの発言が衝撃的すぎてリオの存在を忘れてしまうところでした。然し良いタイミングです。彼女の救出という風に話題の切り替えを行って……

 

「どちらが受けでどちらが攻めかは決めておいた方が良いわ。更に言えば片方が強引に攻めて片方が押しに弱いのが好印象よ」

 

「貴女は何を言っているのですか?」

 

「調月リオ。それは考えが甘すぎるわ。純愛過激派である私から言わせて貰うけれどお互いがお互いを気遣いながら徐々に交わっていくのが愛の美しさとも言えるのよ。強引に迫って喜ぶのは二次元に囚われすぎているとしか思えないわね」

 

「理解出来ないわね。強引に攻められる良さを知らないのかしら? 初めはその気もなかった気弱な男性が段々と快楽を知り薔薇の才能を開花させる過程が美しいのよ」

 

「いいえ絶対に純愛の方が美しいわ」

 

「違うわ。多少強引にされた方が捗るわよ」

 

変な言い争いが此処でも勃発してしまった……あまりにも酷い光景に目を逸らすとマエストロは現実逃避をするかのようにイオリを連れてこの場から去っていた。『後始末は黒服に任せる』と書き置きを残して。

 

「………」

 

もうマエストロは試験失格でいいと思います。




ヒナとリオから始まるBL生活

タイトルはゲイマト……やめておきましょう。
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