私は時々不思議な夢をみる。その度に「ああ、またか……」と頭を悩ませる。それは深淵に触れる為に禁忌の扉を叩くような行為。即ち自分が望んでいなくても対価を支払わないといけない。金銭? そんな価値のないもので納得するような相手ではない。それにとって価値のある対価とは寿命、あるいは精神。私に悪夢のようなものを見せて疲弊している姿を見て愉悦に浸っているのかもしれない。
……みたいな感じで昔は三部が始まったね。覚えている人は皆無だと思うけれど。知っていると思うけど一応説明を挟もうじゃないか。私は百合園セイア。予知夢が見れるってだけで都合良くこき使われる可哀想な生徒さ。ちなみにこの後の展開は二回目だから予想できるよ。そういう事だからベア先生、さっさと決着をつけよう。そう意気込んで目の前に現れた扉を開けた。そこまでは良かったんだ。
『どうも』
ノリが軽くないかい? ダメだろう? 一応ボスなんだから多少は威厳というものをだね……
『ボスですか……分かりました。ではミレニアムとトリニティを攻めて私の領地にします』
それはやりすぎじゃないのかい? 0か100でしかベア先生は動けないのかな?
『此処は仮想空間なのでしょう? ならばマエストロの担当であるミレニアムとトリニティを私のハーレムに加えて素晴らしい余生をすごしたいのですよ』
別に余生って歳じゃないだろう? それにヒナの事はどうするのだい? 第三章が始まるという事はヒナと出会うって事だよ?
『そろそろでしたか……では準備をしましょう。ヒナは何処に居るのでしょうか?』
今はアビドスの三年生として黒服先生と活動しているらしいよ。
『……NTRですか?』
さあ……
『それをやってしまえば戦争ではありませんか……! よりにもよってヒナをNTRだなんて……黒服よ、許しませんからね!!』
あー……まあ、比較的平和なに話が進みそうだね。エデン条約なんて大層な話はなくただ元ゲヘナの風紀委員長をとりあうだけの第三章……これ見ている人は楽しいのかい?
ーーー
「みたいな風に話が進んだよ、ユメ先生」
「そっか。……まあ、あのゲマトリアの人達なら真面目に話を進めるのは難しそうだもんね」
こうして私は今朝見た夢の話をユメ先生に話したんだ。……ん? 何か文句でもあるのかい? え、2日くらい前のホシノ娘云々の時にセイアはベア先生の当番だと話していたって? いやいや、ちゃんと読んで欲しいね。私は一度も自分の当番が誰かとは言ってないよ。あれはホシノが勝手にそう解釈したに過ぎない。それに私と深く交流がある先生なんてマエストロ先生かユメ先生のどちらかだろう? 何故ゲヘナの赤い先生に従わないといけないんだい? 何をされるか分からないんだよ?
「アリスの様子はどうだい?」
「アリスちゃんならまだ眠ってるよ。ホシノちゃんという保護者が来るまでは保護しておかないとね。もしかしたら『自分の事をパパやママと呼んでくれるかもしれない』って思う輩がいるかもしれないし」
「流石にそんなバカみたいな欲望を持った人間は居ないと思うけどね。もし居たらその時はユメの足でも舐めるよ」
「ダメだよ、私の足を舐めていいのは旦那だけなんだから。いくらセイアちゃんとはいえダメ」
「冗談だよ。私にそんな趣味はないからね」
こんな感じで第三章が始まるまで雑談ばかりしていたんだ。だから残念ながらアリスはベア先生の傘下に入っていないんだ。悲しい事にね。もしベア先生に教育(意味深)をされているアリスが見たいのであれば深淵でも覗くと良いんじゃないかな。
「……あ、ナギサちゃんから連絡がきたよ。『頭が二つあるシャーレの先生と名乗った不審者が現れた』ってさ」
「おや、随分と早い到着だね。せっかくホシノの娘について話そうと思ったのだけど……」
「ホシノちゃんの娘? アリスちゃんとケイちゃんの二人でしょ?」
「その二人とは別にツキノと名乗る16歳の娘が居るっぽいんだ。これは私の予想だけどホシノは過去に他の男性に捨てられたバツイチで……」
「ごめんセイアちゃん、私今から黒服という存在を消さないといけないみたい」
「落ち着きたまえ」
この後急いで駆けつけたマエストロ先生の手によってユメは落ち着いた。……けれど大人なのだから多少は感情に流されず冷静な対応をして欲しいものだね。この仮想空間で実装されていて落ち着きを保っているセクシーセイアを見習って欲しいよ。
しれっとマエストロ先生は救われる
あ、今日臨戦ホシノ引けなかったら明日投稿しません