例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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黒服先生のミレニアム出張編#8

ホシノ「せーんせ、準備出来たよー」

 

黒服「早かったですね。……その格好、お似合いですよ」

 

ホシノ「うへへ……ありがと///」

 

黒服「ホシノ」

 

ホシノ「!!それじゃあ失礼して……」

 

差し伸ばされた手を握るとほんのりと温もりを感じる。まだ部屋から一歩も出ていないのにも関わらず満たされてしまう辺り私は彼が居ないと生きていけなくなっているのかもしれない。

 

ホシノ「こんなに幸せならそれでもいいかなぁ〜」

 

黒服「まだ出かけていませんよ?」

 

ホシノ「……声に出てた?」

 

黒服「はい」

 

ホシノ「……///」

 

黒服「……もう少し待ってからの方が良さそうですか?」

 

ホシノ「う、ううん大丈夫。行こ?」

 

黒服「それならいいのですが……」

 

ーーー

 

ホシノ「先生っていつも黒いスーツを着てるよね。白いスーツとかも似合いそうだけど」

 

黒服「白ですか……あんまり好みではありませんね。やはり私には黒のスーツが1番です」

 

ホシノ「そっか。……そのネクタイ、ずっと結んでくれてるよね」

 

黒服「ホシノからの贈り物ですので。時々ほつれそうにはなってしまいますが……」

 

ホシノ「後でまた縫ってもいい?」

 

黒服「お願いしますよ」

 

ホシノ「うん!任せて!」

 

ーーー

 

黒服「こんな狭い箱の中で撮影を行う意味は理解しかねますが……」

 

ホシノ「こういうのも大切な思い出になるんだよ。あ、先生笑って笑ってー!」

 

黒服「こうでしょうか?」

 

ホシノ「……ちょっと表情が硬いかも」

 

黒服「ふむ。難しいものですね」

 

ホシノ「撮り直す?」

 

黒服「いえ、ホシノの笑顔が撮れているのでこのまま現像しましょう」

 

ホシノ「えっ……嬉しいけど恥ずかしいよぉ……」

 

ーーー

 

ホシノ「そういえば私達って周りからどう見られてるんだろ?」

 

黒服「先生と生徒じゃないですか?」

 

ホシノ「ほら、今は制服着てないからさ?」

 

黒服「確かに。とはいえそんな気にするようなものでは……」

 

ホシノ「もしかしなくても恋人とかに……」

 

一般店員A「あれって事案?」

 

ホシノ「?!?!」

 

一般配達員「ゆ、ゆゆ誘拐とかですか!?通報しないと!!」

 

ホシノ「!!??」

 

黒服「何故?」

 

ーーー

 

ホシノ「こういう狭い空間に2人きりってのは緊張するね」

 

黒服「カラオケルームに何を期待しているのです?」

 

ホシノ「ほら、個室でイチャつくカップルが問題になる事とかちょっと前に話題になったじゃん」

 

黒服「馬鹿な事を言ってないで曲を選んでください」

 

ホシノ「はーい。じゃあこれデュエットしよー?」

 

黒服「『かがやきサマーデイズ』……これは貴女たちの持ち歌じゃないですか」

 

ホシノ「私は私のパートやるから他はよろしくー」

 

黒服「4役は押し付けすぎでは?」

 

ーーー

 

ホシノ「クレープ食べ歩きなんて初めてだよー」

 

黒服「アビドスにはああいう出店がありませんからね。……私の分も買ってくるとは思いませんでしたが」

 

ホシノ「先生も糖分補給した方がいいよ」

 

黒服「それもそうですね」

 

ホシノ「……うん、甘い。先生と一緒だからもっと美味しく感じるよ」

 

黒服「それは良かった。……口元にクリームが付いてますよ」

 

ホシノ「うへ……せんせー取って?」

 

黒服「仕方ありませんね」

 

ホシノ「ありがとー……///」

 

黒服「顔が真っ赤ですよ」

 

ホシノ「後から恥ずかしくなってきちゃって……///」

 

ーーー

 

ホシノ「♪〜」

 

黒服「(ホシノにとって良い気分転換になれたようですね。このまま何事もなく1日が終わればいいのですが)」

 

しかしそう願ってしまった以上問題というものは起こるものでいきなり目の前に黄色い車が止まったかと思えば麻袋を被せられて連れ込まれた。

 

ホシノ「うへぇー何これ?」

 

「実に優雅な拉致でしたわね」

 

「……責任はあんた達が取りなさいよ?」

 

「ええ。全てあのお方に押し付けますわ」

 

「はぁ……どうなっても私は知らないからね!」

 

「あれは……フウカさん、あそこにあるたい焼き屋さんに参りましょう!」

 

フウカ「後にしなさいよ!」

 

「そんな殺生な……」

 

黒服「とりあえず降ろしてもらえますか?」

 

ホシノ「うへぇ……」

 

世の中そう上手くいく事なんてない。今日もまた濃い1日になってしまいそうだとため息混じりに呟いた。

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