例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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仁義なき戦い

第一の試練はアル社長の尊い犠牲によって事なきを得たものの……第二の試練はそう簡単にはいかない様子で……

 

「ん」

 

「……随分と早いお迎えではありませんか?」

 

「第二の試練は私が担当しているから」

 

待ち構えていたのはシロコ元テラー。彼女は挑戦者を待っているのか舞台の中心で待機している。……何故か体操着を着ているがそれは触れてはいけない気がした。

 

「私と仁義なき戦いをして勝ったら次に進める。負けたら一日スクール水着を着て先生の仕事を手伝ってもらう」

 

「……セイアちゃん、頼んで良いかな?」

 

「わ、私かい? ユメ、ちょっと待ってくれないかい? 私はスペシャル枠候補なんだよ? あんな見るからにストライカー枠の強そうな相手には荷が重すぎると思うのだけど……」

 

「大丈夫、負けても私はセイアちゃんのスク水を一日目見ていられるから。絶対似合うし可愛いよ!」

 

「そういう問題じゃないのだよ!?」

 

ユメとセイアが何やら言い争いをしている。負けた時の罰が想定よりも酷いものであったが為の争いでしょう。マエストロやマダムもそれぞれの当番に頼んでいる様子です。

 

「……あ、じゃあ私がやるよ」

 

誰が勝負に行くかを争っている中自ら名乗りを上げたのはツキノ。呼ばれたのはいいものの大した出番がなく影が薄くなっていた彼女に出番が到来した。

 

「……ん? 知らない子だけど……黒服の生徒なの?」

 

「一応は」

 

「それなら良いよ。じゃあ早速……」

 

「シロコさんストップ。まだ勝負の内容を聞いてないよ」

 

「ん、忘れてた。今回の内容は……『ん、私ともあっち向いてホイをやるべき』だよ」

 

………

 

「……過去に似たような経験をした記憶がありますね。昔私の生徒であるシロコもあっち向いてホイを要求してきたりしました……」

 

「見た目が成長してもシロコちゃんはシロコちゃんなんだね。どうしてあっち向いてホイに拘っているのかは分からないけど……」

 

成程、先程から右手を握って構えているのはじゃんけんを行うつもりだったからなのでしょう。……然しこれは試練というかただの遊びなのでは……?

 

「先生が生徒を苦しめるような事は出来ないって言うから苦肉の策でこうなった。でもこれは大事な試練でもあるの。生徒を楽しませられない先生は失格になるからね」

 

「成程、そう考えると奥が深……くはないですね。結局はただの遊びですし」

 

「ん、それっぽい事を言っても騙されない」

 

「……えっと。とりあえずあっち向いてホイをやればシロコさんが満足して倒してくれるって事だよね?」

 

「その通り。貴女が誰だかは分からないけど先生の為に私は全力で挑んでスクール水着を着せさせるよ」

 

「シロコさんが慕っているその先生もお父さんみたいに変態なんだね……私の求めている理想の男性像とはちょっと違いそう……」

 

そう言ってツキノも同じように左手を握ってじゃんけんを……

 

「少々宜しいでしょうか?」

 

「ん、黒服。仁義なき戦いに口を挟むのは良くない」

 

「それは申し訳ありません。ですが先程ツキノが発した言葉に引っかかる事がありまして……『お父さんみたいに変態なんだね』とはどういう意味なのでしょうか?」

 

「そのまんまの意味だけど……」

 

「そのまんま? 娘に変態だと言われるのは幾ら私でもかなり傷がつくのですが?」

 

「……ん、ちょっと待って? この子黒服とホシノ先輩の……?」

 

「そうだけど……」

 

……シロコ元テラーはかなり困惑している。ツキノとホシノと私を次々に見比べて目に見えて狼狽えていた。そんな中あっち向いてホイのじゃんけんが始まり……ツキノはあっさりと負けた。それはもう完敗した。

 

「ごめん……ストレート負けしちゃった」

 

「大丈夫大丈夫。シロコちゃん相手に善戦したから頑張ったと思うよ。あ、シロコちゃん。私の娘にスク水で当番なんてさせたら許さないからね?」

 

「……ホシノ先輩がそう言うならスク水は着せないよ」

 

シロコ元テラーさん、ホシノ相手にビビりペナルティーを取り下げる。後に彼女は『ん、あの時の殺意の目は命の終わりを悟った』と語るほどに恐怖を感じていたそう。それはそれとして負けてしまったのでまた挑まなければならない。このあっち向いてホイという遊戯に付き合い、そしてシロコを撃ち倒さなければ……

 

「じゃあ……今度は私が相手になろうかな」

 

次に名乗りを挙げたのはユメ元テラーことユメ先生。負けたらスク水という重い罰を受けるかもしれない圧を感じながらもシロコに近づいていく。元テラー同士の仁義なきあっち向いてホイが今此処に始まった。

 

「シロコちゃん、私はチョキを出すよ。その後は上方向に指を指す」

 

「ブラフ? そんなものは私に通用しな……」

 

「もし私を勝たせてくれたら先生を堕とす方法を教えるよ」

 

「……!?」

 

「私のやり方ならどんな堅物も振り向かせられる。保証するよ」

 

「……ん、そんなやり方には賛同できない。私は先生と純愛をしたい」

 

そう言って断ったシロコはパーを出して上を向きあっさりと負けた。清々しい程にストレートで負けた。

 

「ん、私の負け。それじゃあ先に行っていいよ」

 

その後ユメと小声で何かを話した後にシロコはワープしてこの場から去った。……こんなに試練が簡単で良いのでしょうか?

 

「ユメよ、シロコと小声で何を話していたのだ?」

 

「男の人っておっぱいが好きなんだって話だよ」

 

「……否定は出来ないな」




「ん、負けちゃった」

「"見てたよ。……わざと負けてるように見えたけど……"」

「大丈夫、対価は貰ったから」

「"……それなら良いのかな?"」

「それはそうと先生、私ともあっち向いてホイをやるべき」

「"今は試験中だから後でね"」

「ん」
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