紆余曲折を得て諸悪の根源である元連邦生徒会長を成敗し無事先生試験をクリアしたゲマ先生達。そんな彼らの目の前に用意されたのは『試験合格おめでとう☆』と書かれている小さな白い箱。開封すると中には手紙とシャーレのロゴ付き教員免許証が入っていた。
ーー以下手紙の内容ーー
まずは謝らせて欲しい。まさか連邦生徒会長がそこまで余計な事ばかりするとは思ってなかったんだ。でも滅茶苦茶な状況になったとしてもこうして試験を合格出来た事は凄いと思う。……ただ正直な話この試験にあまり意味は見出せなかったんだ。連邦生徒会長がやりたいって言うから仕方なくやらせてみたんだけど……考えてもみて、そもそも生徒とどう向き合うかは自由なんだよ。イオリの脚を舐めるのも自由だしトリュフを包んだ下着を嗅ぐのも自由だしスク水を着せようとするのも、ね。だから結局は自分のやりたいように生徒達を思って先生として生きるしかないんだ。それはそれとして試験をクリアしたからお祝いのプレゼントを用意したよ。ちょっとした特典がついている新しい教員免許証。是非有効活用してみてね。それじゃあ人外先生達、これからも宜しくね。
PS:寝ればこの仮想空間から出られるようにしたのでやり残した事があるならやっておいてね。やり残した事なんてない、さっさと帰りたい場合は出口って書いてあるその辺の扉を通って行けば帰れるよ
ーー手紙を読み終えて新しい教員免許証を見に着けてみるも特段あまり変わった様子はない。強いて言うならホシノが「似合ってるねぇ」と目をキラキラさせてこちらを見ているくらいで………
「(? 裏に何か書いてありますね。『ピンク髪の生徒に好かれやすくなる』……まさかこれが特典だとでも言うのですか? ホシノに好かれるではなくピンク髪の生徒に? ただの嫌がらせでは?)」
……まあ、そんなに大事になるとは思えませんが少しはメリットがあるので良しとしましょう。この感じだとマダムは白髪生徒に好かれやすくなる、マエストロは巨乳に好かれやすくなる、なんて特典を貰っているのではないかと容易に想像出来ますね。それは教師に与えるものとして如何なものか……とにかくこの茶番が終わるのだから他は妥協しましょう。出口という扉は……確かにありますね。あそこを通ればようやく……
「ホシノ、やり残した事はありますか?」
「私はないかな。ツキノちゃんはどう?」
「私もないよ」
「マダムとマエストロは如何ですか?」
「私とヒナはこの連邦生徒会長さんに色々とやりたい事があるのでもう暫くは残ります」
「私とユメも今だけはアリスを梔子家に迎え入れたいので今夜は家族団欒を過ごさせてもらいたい」
「そうですか」
欲望に忠実な人外二人を置いておいて小鳥遊家の三人は出口へと歩みその先へと進んでいくと光に包まれていって意識が朦朧としてくる。そんな中一人だけ前へと進んでいっていた。彼女とは此処でお別れのようだ。
「……それじゃあ二人とも。未来で待ってるね」
そう言って光の先、新世代へと走り出していった未来の娘を見送った後、意識が完全に途絶えた。
「あ、目が覚めましたか?」
意識を取り戻した途端ナース服を着たピンク髪の生徒に声をかけられた。確かユメ先生(20歳)に吹き飛ばされた次の日に戻ってきた筈で……時間を確認しようとスマホを取り出す動作をした途端に激痛が走った。
「大丈夫ですか!? まだ怪我は完治していないのですからあまり動かないでくださいね?」
「……ホシノは何処に居るのですか?」
「ホシノさんなら先程までお見舞いに来ていましたよ」
……成程、どうやら本当に戻ってこれたみたいですね。とても長い夢を見ていた気分ですよ。もうあんな体験はしたくないものですね。……何故だか急に疲れが出てきましたね。先程まで睡眠をしていた筈なのに……
「申し訳ありません、少々仮眠をするので離れて頂いても宜しいでしょうか?」
「分かりました」
起きたばかりですがまた私は睡眠を取り……取り……
「………」
……何故でしょう、このナースが離れないのですが。私の寝顔を笑顔でずっと見つめてくるのですが。何故?
「……暫く一人にして頂いても?」
「それは出来ません。睡眠中にもし怪我が悪化でもしたら大変ですからね」
「それはそうなのですが……そう見つめられると睡眠が取れないので……」
「……分かりました。ですがこれだけは言っておきますね。私セリナはこれから、いつでも何処でも貴方の為に現れますからね♪」
セリナと名乗る少女はそう言うとベッドの側から離れていった。……起きて早々に厄介な生徒に捕まりましたね……まさか私が起きるまでずっと寝顔を見つめられていたとかは……流石にないですよね?
セリナさんは黒服が起きるまでずっと側で見守っていました。優しい子ですね。