黒服が娘とパフェを食べたりマエストロが連邦生徒会長と言い争っていたりベア先生がベアカスに殺意を抱いていたり最終的に試験を突破している最中、さりげなく試験に巻き込まれていたゴルコンダとデカルコマニーは小さな公園で中華麺を茹でていた。
「……何をしているんですか?」
公園にテントを張って野営しているウサギの耳の装飾が施されたヘルメットを着用している生徒、月雪ミヤコが不審者二人? に対してそう問いかける。
「昼食の調理ですが」
「どうして此処でやるんですか? 他の場所でやってください、迷惑です」
「公園は私有地です。何も問題はありませんよ。安心してください、あなた方にも分けてあげますから。とりあえず食前のプリンでも食べてお待ちください」
「またプリンですね。……そうやって毎回……プリンを渡しておけばいいだなんて……甘。思わないでくださいね」
「今回のは如何でしたか?」
「前回よりも甘さを感じてこちらの方が好みでした」
「それは良かった。レッドウィンターでも糖度が高いプリンの方が好まれていたので貴女もそちらが好みかと思いまして」
「もっと甘くしてくれても良いんですよ?」
このウサギ、警戒心が強めかと思っていたら既に懐柔されていました。それも仕方ない事ではあるのです。女の子である以上甘いものを差し出されてしまったら抗うのは難しい。故に彼らが作ったプリンを食しその品質の高さに惹かれてしまいこうして多少警戒しているように見せかけて実際はペットの様に食事が出来るのを今か今かと待ち構えている。それが彼女月雪ミヤコ。RABBIT小隊のリーダー的ポジションではあるものの基本的に懐柔されたら大体こんな風になる。
「そういえば本日は他の隊員の方が居ませんね」
「何やら質の良い爆薬を見つけたとかで今ブラックマーケットに行っているそうです」
「ミヤコは行かないのですか?」
「私はこうして貴方を見張っていないといけませんので。いつ私達に牙を剥いてくるのか分かりませんから」
「冷やし中華、食べますか?」
「頂きます」
警戒云々言っておきながら既に警戒心はなくただ差し出される食事を今か今かと待っているだけだった。そして真夏の冷やし中華を頬張っている姿は愛玩動物らしい可愛さをゴルデカに連想させている。
「然し突然飛ばされてきてからと言うものの……いつ頃元の場所に戻されるのでしょうか? そろそろ戻らないとまた失踪扱いされて大捜索隊が結成されて面倒な事になるのですが……」
「その事なんですけど……知り合い経由でレッドウィンターの方に話を聞いたのですが『同志ゴルコンダとデカルコマニーなんて知らない』と言われましたよ」
「まさかそんな……いえ、レッドウィンターなら多少はあり得なくもない気がしますが……」
「まあ、そんな事は気にしなくても良いですよ。むしろこれを機にSRTの専属、あるいは私だけの先生になりませんか? 毎日同じテントで寝る事になりますが私は構いませんので」
「申し訳ありませんがお断りします。恋愛等の感情は持ち合わせておりませんので」
「大丈夫です、愛のない行為もそれはそれで悪くありません」
「あまり冗談を言うものではありませんよ。冷やし中華がぬるくなってしまうではありませんか」
「……まあ、今はそういう事にしておいてあげます。ですが近い将来、私は必ず貴方を捕食しますからね」
「何の宣言ですか……」
この様に影でゴルコンダとデカルコマニーは第四章を攻略しており、無事にクリアしていたのだとか。本来第三章の次はこれになる筈だったものの既にクリア済であるが故に飛ばされて最終章に行ったのだとか。そして結局ミヤコに襲われずに無事レッドウィンターに帰ってきたらしくゴルデカは普段通りの日常に戻ったとさ。
サキとか他のRABBIT小隊の子達は個人的に解像度がそこまで高くないので出すのをやめました。