例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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不貞腐れホシノと制裁

「ホ、ホシノ…そろそろ私の話を…」

 

「やだ」

 

街中でばったりと再開した後、ホシノはむすっとした顔でこちらの話を聞かず書類仕事をこなしている。目線すら合わせてくれず見るからに不機嫌そうにしていた。あまりの気まずさにアヤメ達は席を外して休憩室に居てくれているのでどうにかホシノに状況を理解してほしいのだが…

 

「先生。私ね、貴方みたいなかっこいい大人になる為に頑張ってたんだよ。先生が行方不明になって探しに行きたい、失いたくないって気持ちを押し殺して『先生なら帰ってきてくれる、だから今自分がやるべき事をやろう』って。なのにさ…何パパって? この歳でバツイチどころかバツニにされたんだけど? 先生もシャーレのあの人みたいな節操のない大人だったんだね。がっかりだよ」

 

「ですから…」

 

「いいっていいって。イブキちゃんの親としてゲヘナに行ってきなよ。私はこのまま百鬼夜行のお世話になるからさ」

 

…こうなるとホシノはとても頑固になる。取り付く島もなく手であしらうようにされてしまった為仕方なく一度離れて作戦を練ってから話を聞いてもらおう。そう思い踵を返して仕事部屋を後にした。

 

 

 

 

先生の馬鹿!ロリコン!!人でなし!!! 私の心配を返せ!! ようやく会えたと思ったら小さい子にパパって呼ばせてるなんて…パ〇活させてるの? 私の事を放っておいて酷いよ…でもお話くらいは聞いてあげても良かったのかな…ううん、浮気は許しちゃいけない。浮気は…

 

「…はあ。何やってるんだろう私…」

 

冷静になれば先生が浮気しない事なんて分かる。今も昔もずっと私一筋だし。だって超が付くほどのくそボケ具合だったもん。他の子に興味を持つなんて有り得ない。強いて言えば『神秘』に対しては関心があるっぽいけど私最大の神秘? だし? 先生は私だけを見てくれてる筈…そう分かっていたのに素直になれなかった。

 

 

「先生に謝ろう…それで話を聞こう」

 

書類を机に置いて先生が出て行ったであろう方向に向かって歩いていくと何か鈍い音が聞こえてくる。それとユカリちゃんとアヤメちゃんの声も…? とりあえず音が聞こえる場所に行くとそこで先生が百花繚乱のメンバーに蹴られていた。

 

「黒先の馬鹿! 浮気野郎!」ゴスッ!!

 

「ホシノ先生の気持ちを踏みにじるなんて最低ですの!」ガスッ!!

 

「美少女である事が取り柄の私ですら浮気は許せないよ」ナグッ!

 

先生を蹴る子達、遠くでイブキちゃんとあやとりをして遊んでいる子達。かなり混沌とした空間に仕上がっていてなんだか懐かしさを覚える。…ってそんな事考えてる場合じゃない!?

 

「ちょ、ちょっと皆なにやってるの!?」

 

「何って…治安維持の為に制裁してる最中だよ!」ゲシッ!!

 

「昨日までのホシノ先生を知っている身としては到底許せませんの!」ベキ!!

 

「純愛以外受け入れたくなくて…」ナグッ!!

 

「気持ちは嬉しいけど落ち着いて!! 先生痙攣してる!! 痙攣してるから!!」

 

もう怒りとか忘れてボコボコに蹴られた先生を治療する事にした。全身打撲程度で済んでるので大したケガではない(キヴォトス基準)とはいえ暫くは動けなさそう…

 

「ホシノ…私は貴方一筋で…」

 

「…うん。分かってるよ。私こそ素直に話を聞いてあげなくてごめん」

 

少し休ませてから話を聞く約束をして一息ついた。流石の先生も生徒三人に蹴られたらこうなっちゃうんだなぁ…

 

「…で、アヤメちゃん達も落ち着いた?」

 

「とりあえずは…でもホシノさん、良いの? もし本当に黒先が浮気してたら…」

 

「大丈夫、先生は私一筋だから」

 

「そっか…うん、そうだよね。朧気だけど黒先がホシノさんを好きなのは初めて会った時から知って…あれ、初めて会ったのっていつだっけ…なんだかその辺りの記憶が曖昧で…」

 

ああそっか。アヤメちゃん達との出会いって結構特殊だったね。あの時の事もそこまで前の事ではないのになんだか懐かしく感じるよ…本当に濃い一年だったなぁ…ってそんな思い出よりも現状をどうにかしないとね。そう、イブキちゃんの事。先生を蹴っていない百花繚乱の子達と遊んでいる彼女に近づいて率直に聞いてみた。

 

「ねえイブキちゃん。さっきの黒い人ってイブキちゃんの父親?」

 

「うん、イブキのパパだよ。だけど本当のパパじゃないんだ。ヒナ委員長が言ってたんだけど皆のパパなんだって」

 

なるほどね。先生がベアさんみたいな事をして慕われている世界線から迷い込んできたのかな? 今までも他の世界線から来た子達が居たしこの子もそういうタイプなんだろうね。…他の世界線って当たり前のように言ってるけどよく考えたらおかしいよね。それにベアさんみたいな事をしてる先生は解釈不一致というか…先生は冷静沈着で頭脳明晰で家庭的で理想の大人であってほしいな。そんな分かりきった先生の魅力について語るのはまた今後にして…どうやってこの子を元の場所に帰そうかな。きっと帰りを待っていて心配してる人も沢山いるだろうし…さっき話してた黒い裂け目? を通れば良いのかな? 先生と一緒に行きたいけど暫く動けないほどボコられてるし私とイブキちゃん、誰かに来てもらおうかな。よし、準備出来たら送り届けよう。




自分復習用のメモ

世界線1←ゲマトリアが先生になって慕われる、黒ホシという異端が生まれた

世界線2←ホシノスワップしたかったから関わらせたゲーム本編の舞台。

世界線3←ユメ先輩をテラー化させたくて作ってしまったもの、クロコが生まれた世界線みたいな感じ

世界線4←シロコ元テラーの世界。色々あって平和な日常を過ごしている多分一番平和なキヴォトス

世界線5←黒服がベア先生みたいにゲヘナ生と接して『ファーザー』と呼ばれている狂った世界

複雑にしすぎでは? 幾つか消そうかな…
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