例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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後始末の記憶処理

戻ってきた先生は深い溜息を吐いた後、「終わりましたよ」と私の頭を撫でてくれる。普段なら顔を真っ赤にして動揺するものの先生の表情から私が予想していたクリーチャーと邂逅したのだと理解して彼を労わる気持ちの方が勝った。

 

「先生、お疲れ様」

 

その言葉に先生は僅かながら疲弊した表情が和らいだような気がした。それでもこの現状をどうにかしないと本当に安心は出来ないのかま大きな溜息をついて色々と考え始めている。

 

「…ふむ、面倒なので夢オチにしますか」

 

「えっユメオチ? 先輩を爆破でもするの?」

 

「違います。奴に汚染された生徒達からその記憶を取り除いて何事もなかったように過ごさせるんです」

 

「確かにあんな末代までの恥みたいな存在を覚えておくのは可哀想だよね…それに先生のイメージも悪くなりそうだから皆の記憶から抹消した方がいいと思う」

 

ちょっと考えたんだ。自分の大事な人が百鬼夜行の生徒や一般人に変態扱いされている姿を。うん、間違いなくこの自治区を滅ぼすことになるね。まだベアさんとかマエさんみたいなお世話になってる身内に言われるならともかく一般の人達が言うのは許せないよね。だからそうならない為にも記憶を消すのは賛成だよ。

 

「そうと決まれば後処理…もとい掃除を行いましょう。痕跡を一つたりとも残してはなりません」

 

「了解、掃除用のアルコールは私に任せて」

 

そうして先生に支持を仰ぎながら集会所内を綺麗にしていった。所々にあるネバっとした液体は先生が変な機械でこの世から抹消してくれていたので私は主に生徒達の介抱をした。何人かは起きていたものの記憶を消す為に手刀や盾で叩いて気絶させておいた。

 

「ホシノちゃん、この子もお願い出来るかな?」

 

地下牢の方から声をかけられて振り返るとそこには気絶したアヤメちゃんをお姫様抱っこしているユメ先輩の姿が。どうやら先生が助っ人として呼んでくれたみたい。

 

「ユメ先輩、来てくれたんですね」

 

「合法的に殴れる黒服が居るって言われたからね。シャーレの特権を使って仕事放っておいて来ちゃった」

 

相違って笑みを浮かべながら先輩はアヤメちゃんを私の傍に寝かせた。そうそう、最近会ってなかったからうろ覚えだったけどこのユメ先輩はマエさんと結婚しちゃって…今はシャーレの先生代理としてお仕事をしてるんだった。改めてみても理想の先輩って感じの人だなぁ…私の知るほんわかしていておっぱい大きくて足に絆創膏を貼ってて屈託のない笑顔を浮かべる先輩と同じくらい良い。…ってそんな私情は今はいいとして。

 

「アヤメちゃんは大丈夫なんですか?」

 

「水分不足にはなっていたけど今は大丈夫。…例の処理もしておいたから。それよりも心に負った傷の方が大きそうだからこの子の嫌な記憶を消してあげて」

 

「分かりました。私と先生に任せてください」

 

「頼もしいね。それじゃあここは任せて私は例の産業廃棄物を処理してくるから、またね」

 

「はい、ありがとうございました」

 

ユメ先輩(先生)は軽く手を振りつつまた地下牢に戻っていった。私もいつかはナイスバディな頼れる先生になれたらいいな…なんてことを考えていたら今度は先生に声を掛けられた。

 

「終わりましたか?」

 

「うん、とりあえず集会所内にいる子達は全員この場所に集めたよ」

 

「流石ですね。念の為に周辺の被害者を確認しましたが他は居なさそうなので彼女達の記憶を消しましょう」

 

「うん、お願い」

 

先生が不思議な装置を使って一人一人をケアしてるのを見届けながらこれでひと段落したと安心した。ふと時計を見ると針は朝の9時を示していた。まだまだ今日始まったばかりみたい…

 

 

 

 

同時刻、某ゲヘナの一室にて。椅子に縛り付けられたゲテモノとそれを眺めるマエストロ、ゴミを見るような目のユメの三人がその場所には居た

 

「マエストロ、何故このようなオッパイプルンプルン!! なドSで可愛い魅力的な生徒の存在を隠していたのですか!? 私達は同志ではなかったのですか!?」

 

「…こいつが件の『ファーザー』か。成程、確かに劇物だな。ホシノが苦い顔をするのも納得せざるを得ない」

 

「ただの性犯罪者ですよ。今ここでとどめを刺しておいた方がいいと思います」

 

「私も全面的に同意するがこんなのでも慕っている生徒が居るんだ。これ以上こちらに関与しなければ咎める必要はない」

 

ユメはいまいち納得はしていなかったが他でもないマエストロの言葉なので多少不満はあるものの納得した。肝心の劇物は不満タラタラで文句を言うがその度にユメの強烈な一撃によって大ダメージを追っていた。

 

「とにかくお前はもう私達の世界に関わらないでくれ。私達からも関与しない、したくもない。今までと変わらない日常に戻るだけだ。悪くない話だろう?」

 

「然し他の世界で私を待つ生徒がいる以上ここでじっとしている訳にはいかないのです。生徒の数だけ崇高がある、その意味がゲマトリアであるマエストロには理解できる筈です!」

 

「生憎だがお前みたいな異端児はババアだけで十分だ」

 

こうしてマエストロは一方的に話を終えてユメの手を握ってその場から立ち去った。教室には一人縄で拘束されたゲテモノだけが残った。




元テラユメ先輩先生、属性盛りすぎでは? 何やってんだ昔の自分
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