例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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続きはF〇〇〇OXでみたいな流れにはなりません

あれからすっかりと気分が良くなった私は黒先と一緒に色々なアトラクションを楽しんだ。空飛ぶじゅうたん(本物)に乗って高い所からトリニティ自治区を見下ろしたりゴム製のボートに乗って漕ぐやつ(黒先曰くパドル)を使ってアリゲーターが泳いでいる川を横断したり…ってしれっと書いてあるけどなにアリゲーターって。

 

「透き通るような川に生息しているワニの一種です」

 

「そうなんだ…」

 

安全性とか考えない辺りキヴォトスって感じがするよね。スリリングで結構好きなアトラクションだったよ。その後はお昼ご飯を食べにフードコーナーに行ったら何故か黒先が厨房に立って手料理を振る舞ってくれた。程良い量と箸が止まらなくなる味に毎日黒先の手料理を食べているであろうホシノさんが羨ましくなる。

 

「そういや黒先はさ、ホシノさんのどういう所が好きなの?」と食後のデザートを食べながら黒先に聞いてみた。

 

「私にはないものを持っている事でしょうか」

 

「具体的には?」

 

「最大の神秘です」

 

「なにそれ。そういうのじゃなくて…ほら、顔とか内面的なものみたいな」

 

「ふむ、その辺りは意識していませんでしたね。一緒にいる事が当然なのであまり注意深く見ていないと言いますか」

 

「えっ黒先本当にホシノさんの事好きなの?」

 

「勿論です。思考ををいじられましたからね」

 

「??????????」

 

ホシノさん、苦労したんだろうなぁ…よくこの堅物先生を動かせたね…

 

「私の教師として、悪い大人として唯一の失敗があるとすればミレニアムと関わりを持ってしまった事でしょう。特にエンジニア部、彼女達は異端すぎる。若さ故に無限大の可能性を秘めているからこそ手が付けられない、常識が通用しない。故に私はこうなってしまいました」

 

「大変なんだね。でもその感じだとホシノさんと結婚したのに後悔してたりするの?」

 

「後悔はしてないです。遅かれ早かれホシノとは婚姻関係を結んでいたでしょう。初めて彼女と出会った時からそういう運命だったのでしょうね。案外こういう生活も悪くはないのです」

 

「…そっか」

 

これは他の誰かが入り込む余地はないかな。あんな夢を見て二人きりのお出掛けで勝手に舞い上がって…なんだか恥ずかしいや。

 

「色々聞かせてくれてありがとう。さ、またアトラクション巡りに戻ろう!!」

 

「分かりました。ただ食器を片付ける時間を頂きたいです」

 

「あ、じゃあ私も手伝うよ。ほらほら早く終わらせちゃおう♪」

 

少し困惑したような表情の黒先からスポンジと洗剤を借りて一緒に洗い物をした。この為だけにエプロンを貸してくれたので今日洗濯して返す事にした。

 

 

それから日が傾きかけるまで遊園地を満喫した。そろそろ頃合いだと思ったので「最後はあれに乗りたい」と観覧車を指でさした。ここからは私の最初で最後の我儘な時間。ゴンドラに乗って向かい合う形で座って茜色に染まる空を窓から見つめる。

 

「気分転換になりましたか?」

 

外の景色を見ている私に対して黒先はそう問いかけてくる。「勿論!」と言うと彼は口っぽく見える部分の角度を上げて「それは良かった」と優しい言葉をかけてくれた。

 

「…ちょっと変な話をしてもいい?」

 

「どうぞ」

 

「ありがとう。…昨日さ、変な夢を見たんだ。牢屋に入った黒先の膝に向き合う形で座ってひたすら愛される夢。初めはそんな気もつもりもなかったのに唇とか重ねていくうちに身体が火照って溶けそうになって…幸せな気分になる、そんな夢。既婚者の黒先が心の中で気になってたのかな…みたいな。ごめんね、こんな事を言われても困るよね」

 

 

まさかここまで影響を…

 

「…黒先?」

 

夢の話をした後、黒先は何かを呟いた。そして私の手を握って見つめてくる。恥ずかしくなり目を逸らそうとするが彼はそれを許してくれない。

 

「アヤメ」

 

名前を呼ばれる。それだけで心臓が高鳴って鼓動が早くなり音も大きくなっていく。刹那に味わった禁断の経験は私をより積極的にしていって…

 

 

 

 

 

 

 

「何してるのかなぁ??」

 

 

ゴンドラの窓に張り付いているホシノさんと目が合って冷静になった。それと同時に背筋に冷や汗が伝う。そしてゴンドラの扉を強引に開けて中に入ってくる。…ここほぼ観覧車の頂上なんだけどなぁ…

 

「おやホシノ、来たのですね」

「おやホシノ、じゃないよ!? 先生なに個室にアヤメちゃんを連れ込んでるの!? えっちな事はダメだって言ったでしょ!?」

「生徒と二人きりで観覧車に乗るくらいは普通だと思いますが」

「ダメ!! ダメダメダメ!! 先生は私のものなんだから他の子と狭い空間で居ちゃダメなのぉ!!」

 

駄々っ子のように黒先にグルグルパンチをして致命傷を与えているホシノさんを見て自分が抱いていた感情が徐々に薄れていくのを感じる。もう少しで黒先とホシノさん、二人の恩人の幸せを奪う所だったんだなって思うとゾッとするよ。

 

「それにさっき腕に抱き着かせたでしょ!? そうやって私以外の女の子を誑かすなんて酷いよ!! 先生はロリコンなんでしょ!? ならそういう事は私だけにしてよね!!」

 

「ロリコンじゃないですホシノコンプレックスです」

「うぇ、あ、ああ…そうなんだ…うへへっ///」

 

ホシノさんちょろかわ…って思いながら私の人生初のデートは幕を閉じた




F〇〇〇OXなんかねえよ、仮にそういうものを用意してもお金取らんわ
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