会議の時間になり会議用の大きな円形のテーブルに用意された席へ座る。今回は保護者枠なので一人離れた位置に用意されているが特に問題はなかった。
「うへっ、右も左もユメ先輩のユメ先輩がある…」
「私の知るホシノちゃんはそんな事言わなかったような…」
「? 言ってることは良く分からないけど後輩らしくもっと甘えてきてね! あっ、今はホシノちゃんも三年生だったっけ」
「先輩方、ホシノ先輩を甘やかさないでください、あとホシノ先輩は居乳好きです」
「ハルナさん、この会議が終わったら新作のロールケーキを一緒に頂きましょう♡」
「ロールケーキ以外のものを頂きたいです…」
「ナギちゃん、その子可哀想だからそろそろゲヘナに帰してあげた方がいいよ…」
「にゃははー! 奇しくも隣の席ですね、ユウカ先輩!!」
「そ、そうね…こんなシチュエーションもあり得るのね…」
この席の配置で本当に良いのだろうか? そもそも現状について話せるのだろうか? そんな不安を他所に会議が始まる。
「それでは第8回定例会議…もとい『ホシノちゃん将来の夢に向かって頑張ってね会議』を始めます」
「ちょっ…ユメ先生!? その会議名は昨日までずっとダメだって言ったじゃないですか!? 会議名に私情を混ぜるのは良くないって結論になりましたよね!?」
「シャーレの特権で会議名を変えたよ。ごめんねユウカちゃん、私今度こそホシノちゃんを大事にしたいの」
出だしから既にグダグダな会議になりそうだ。ホシノを祝う気持ちを尊重して口を挟むのはやめておこう。
「今回の会議の説明からするね。私の左隣に座って顔を真っ赤にしているホシノちゃんがこの度百鬼夜行連合学院の先生代理として今研修中なんだ。新たな一歩として頑張っているホシノちゃんを褒めるのとついでに現状の報告をしてもらおうかなと思って」
「ユメ先生、質問があります!!」
「ユメさん、どうぞ」
「お祝いのケーキは用意してますか?」
「勿論です」
「やったー!!」
ユメ同士の掛け合いとか誰が得をするのだろう。あ、マエストロか。
「それじゃあ…最初はミレニアムのコユキちゃん達から報告をお願いします」
「はーい。依然変わらずセミナーの先輩方が居ないので書類整理が時間かかりすぎてます!! ですが大きな問題も起こらずミカさんも居てくれるので何とかなってます!! でもユウカ先輩には帰ってきてほしいです!!」
「なるほど。ユウカちゃん、後輩に戻って来てって言われてるけどどうする?」
「ごめんコユキ、私ここで先生を待つって決めてるの」
「ユウカ先輩の薄情者ー!! 体重100kg!! オオフトモモ!!」
「コーユーキー!! またあんたは余計な事を!!」
最初の話し合いの時点でこの始末。今後が不安になるがまだ問題はない。
「ユウカちゃん達はいいとして…次はトリニティのナギサちゃん達の現状報告を聞こうかな」
「分かりました。とはいえあまり大きなトラブルは起きて…いえ、ありましたね。最近熱中症が流行っておりまして。この前もセイアさんがスポーツカーに乗って生徒達を轢く逆走事件がありました。ミカさんは多忙、セイアさんは謹慎中との事態なので私と愛しのハルナさんでティーパーティー…いえ、トリニティを支えております。ええ、全て順調です」
「全く順調ではありませんわ!! 皆様騙されてはいけなんぶっ!?」
「嘘つくお口はロールケーキで塞ぎましょうねー♡」
トリニティは終わっているのかもしれない。片想いの激しい束縛とは恐ろしいものだ。いつぞやのホシノを思い浮かべる。
「これがエデン条約なのかな…じゃあお次はアビドスのアヤネちゃんと若い私、報告お願いします」
「はい。ホシノ先輩と黒服先生が百鬼夜行に言った後、砂漠に巨大な建造物が建設されていました。建物名は『砂狼ランド』との事で…私達は違法建築した問題児のシロコ先輩を追っていました。ですが全然見つからず…定期的に連絡は来るのですが無事なのかどうかが…」
「治安とかに関しては問題ないよ。なんか近くに自警団…とは違うんだけど美人の社長が経営してる精鋭部隊が自治区内の不審者を成敗してくれてるんだって!!」
シロコに関しては後で伝えるとして…美人の社長が経営している自警団のようなものは少しばかり興味がある。今度尋ねてみるとしよう。
「ありがとう。それじゃあ最後に…ホシノちゃん、百鬼夜行の報告をお願い」
「分かりました。まず最近百鬼夜行で起きたのは気持ち悪い先生が来て色々とぐちゃぐちゃにされた事かな。例えるならベアさんみたいな先生というか…そんな化け物が現れたんだ」
「ああ、私が対処しに行った黒服だね。個体識別名は『ファーザー』、異常な嫌悪感と不快感をまき散らす異物の中の異物。存在
すら許してはいけない程の害悪だよ」
同じ黒服とは思いたくない程奴の嫌悪感は凄かった。夏の日に耳元を飛び回る蚊以上に不快だった。二度と会いたくない存在だろう。
「あとは…先生はロリコンじゃなくてホシノコンプレックスだった事かな」
「…ん?」
「この前も夜遅くに抱き合ってた時私の耳元で…」
「ホシノ、私と用意した資料と随分内容が相違しているようですが」
「ごめん、先生の良さを伝える為に変えちゃった」
…もう何も言うまい。周りからの冷たい視線もデレデレのホシノに対しても。
ロリコン✖
ホシコン〇