例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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この後どうしよう…みたいな展開

仕事終わりに手を繋いで外に出る。茜色と紺色のぐらで透き通る程綺麗な空には星の光が金平糖のように散りばめられて輝いており、一回り以上大きな月の光を際立てている。

 

綺麗だね、と伝えると先生は貴女の方が輝いていますよ、と言ってくれる。ずるい。照れ隠しに少しだけ握っている手に力を込めてそっぽを向いた。こうやって夕方の街を一緒に歩くのも日常茶飯事となったものの未だに慣れない。きっと付き合ったばかりのカップルとか新婚さんの気分ってこんな感じなんだろうなって思う。むず痒くて幸せで溶けちゃいそう。私は今とても幸福なんだ。

 

だけれど最近先生の様子がおかしい。上手く言えないけれど握っている手がそのまま空を切って、気が付いたら存在が消えてしまう。最近の先生はなんだかふらっとどこかに消えてしまいそうで目が離せない。愛には答えてくれる、私の成長を見守ってくれている。それでもどこか上の空で時折一人で虚空を眺めている。

 

どうしたの先生? と聞いても答えてくれない。なんでもないですよ、とか些細な事です、って誤魔化したり心配をかけたくないと言葉の節々から伝わってくるものの私は納得できない、したくない。最初こそ先生が話したくないなら話してくれる気になるまで待っていよう。そう思っていたけれど数日経っても先生はずっと何も言ってくれなかった。ずっと一人で抱え込む...そんなのどんどん良くない考えになるだけじゃん。

 

だから先生を公園の芝生に押し倒してこう言ったんだ。私に隠し事はしないでって。先生はさいしょ仕事終わりに手を繋いで外に出る。茜色と紺色のぐらで透き通る程綺麗な空には星の光が金平糖のように散りばめられて輝いており、一回り以上大きな月の光を際立てている。

 

綺麗だね、と伝えると先生は貴女の方が輝いていますよ、と言ってくれる。ずるい。照れ隠しに少しだけ握っている手に力を込めてそっぽを向いた。こうやって夕方の街を一緒に歩くのも日常茶飯事となったものの未だに慣れない。きっと付き合ったばかりのカップルとか新婚さんの気分ってこんな感じなんだろうなって思う。むず痒くて幸せで溶けちゃいそう。私は今とても幸福なんだ。

 

だけれど最近先生の様子がおかしい。上手く言えないけれど握っている手がそのまま空を切って、気が付いたら存在が消えてしまう。最近の先生はなんだかふらっとどこかに消えてしまいそうで目が離せない。愛には答えてくれる、私の成長を見守ってくれている。それでもどこか上の空で時折一人で虚空を眺めている。

 

どうしたの先生? と聞いても答えてくれない。なんでもないですよ、とか些細な事です、って誤魔化したり心配をかけたくないと言葉の節々から伝わってくるものの私は納得できない、したくない。最初こそ先生が話したくないなら話してくれる気になるまで待っていよう。そう思っていたけれど数日経っても先生はずっと何も言ってくれなかった。ずっと一人で抱え込む...そんなのどんどん良くない考えになるだけじゃん。

 

だから先生を公園の芝生に押し倒してこう言ったんだ。私に隠し事はしないでって。最初こそ渋っていたものの先生は観念して話してくれた。結果として最悪の事態とも言えるくらい酷い事だった。『百鬼夜行の大和撫子代表の子に見回りですれ違うたびに抱き着かれている』『一人でお風呂に入っている時にどこからともなくトリニティの救護騎士団の女の子が背中を流そうと現れる』『受信拒否設定にしてもアドレスを変えて迷惑メールを送ってくる多分知り合いの大人がいる』なんて相当な悩みを抱えていたみたい。最後の一つはともかく他二つに関しては…うん、これは確かに先生も言いたくないよね…聞いた手前ちょっと後悔してる。

 

とりあえず今解決できそうな迷惑メールの方を確認するべく先生からスマホを受け取ってメールを開いた。迷惑メールの中にベアさんの変なメールが入ってるのを他所に問題のメールを目にする。『小生の連絡届いてる?』『ねえ、見てくれてる? 何かしら返事をくれないとまたひきこもるよ?』『シャーレ爆破しちゃうよ? 中の先生が大変な事になるよ?』『我々は同志じゃなかったのか!? 崇高を語り合ったあの日々を忘れたのか!?』なんて圧の強いメールが多かった。

 

なんか馴れ馴れしいねと苦笑すると先生はそうですねと同意してくれた。先生曰くベアさんよりも触れたくない存在すら禁忌に近いゲマトリアからの連絡である可能性が高いのだとか。でも先生と同じ組織の大人なら良い人なんじゃないの? と聞いたところ元々ゲマトリアは悪い大人の組織でそいつは結束した初期段階の時点で一人を除いて皆から反感を買い自ら戒めとして牢屋に籠っているのだとか。

 

先生はそういうけど話してみたら結構良い人なのかもしれないし今度探してみる、と言ってみたものの先生に全力で止められた。あいつには話が通用しないので会うのはやめたほうがいい。それにまだ彼からの連絡だと決まった訳ではないって。先生がそういうなら仕方ないと断念した。

 

…うん、今日の日記はこれくらいでいいかな。最初は完璧な大人に見えた先生も弱い部分…というより人間的な弱さがあるんだなって認識できたのはちょっと嬉しかった。不思議な見た目の先生であっても生きてるんだなって。そろそろ書き終えないと先生がまた救護騎士団の女の子とお風呂に密着しちゃうから今日は終わり。

 

そう思い私は日記帳を閉じた。




黒服に人間味を持たせるか否か、或いは今からでも元の雰囲気に戻そうかを考えておりました。

でも元の黒服って先生ラブなクックックアダルトなんだよなぁ…
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