例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

429 / 500
開いた口が塞がらない。…お口はどちらにあるのでしょうか?

昼の公園のベンチ。周りも賑わい昼食を終えた子供達が元気に走り回る活気に満ちた空間。外の世界ではあまり見れなくなった光景に不思議と落ち着く。程よい日差しが心を穏やかにしてリラックスも出来、読書にも最適な空間。そう思っていた時期が私にもありました。

 

「お隣良いですか?」

 

「どうぞ」

 

「ありがとうございます!!」

 

無意識に返事をしてしまったが隣に座る彼女はぎゅっと右腕に抱き着いてくる。もの凄い握力でメキメキと右腕が計上を変えていっている事に気づき横にいる少女を見るとアリスだった。

 

「パパとママに会いに来ました!!」

 

「それは何よりです。ところで右腕が粉々に砕け散りそうなので一旦手を放して頂く事は可能でしょうか?」

 

「わかりました!!」

 

辛うじて原型を留められた右腕を労わりつつ本を閉じて左手でアリスの頭を撫でると無邪気な笑顔を浮かべて喜んでくれる。そういえば先程会いに来た、と言っていたがミレニアムの課題は終えたのであろうか?

 

「課題は終えたのですか?」

 

「終わってません!! なので会うついでにパパへ助けを求めに来ました!!」

 

「そこまで素直に言われるとは思いませんでしたよ。今は何を作っているのですか?」

 

「『好きな先生と恋愛できる青春盛りだくさんの純愛ゲーム』ってモモイが言ってました」

 

アリスが差し出してくるタブレットを受け取ってベータ版らしいデータの中身を拝見する。所々粗が目立つ箇所を指摘して改善するよう伝えるとアリスは他の部員達に連絡してから微笑んだ。

 

「ありがとうございます!! これでどうにかなりそうです!!」

 

「それは良かった。折角なのでホシノに会って行きますか?」

 

「行きます!!」

 

今度は力加減を考慮してもらいつつ手を繋いでホシノが仕事をしている集会所へ向かった。

 

「そういえばパパはどうして公園に居たのですか?」

 

「少々厄介な生徒が訪ねてきていたので避難しておりました。ある程度時間が空きましたのでもう戻っても問題ないでしょう」

 

 

 

 

 

 

「ママー!!」

 

「その声はアリぶへっ」

 

机に向かって仕事をしていたホシノが顔を上げた途端、顔面にアリスが迫ってきていた。突然の行動に受け身が取れずそのまま勢いに任せて壁に激突し机が軍際され書類が散らばっていた。ホシノは「いつつ…」と言いながら突如襲来したアリスを抱きしめて頭を撫で始めていた。

 

「もしかして会いに来てくれたの?」

 

「はい! 甘えに来ました!」

 

「アリスちゃんのド直球なところ好き!」

 

久方振りの邂逅を果たしわちゃわちゃしている二人を他所に書類を拾い上げて机を修理し始めた。とはいえ粉々になっているので掃除だけして新しいものを買いに行くことにする。前回と同じ机を購入し戻ってきても未だわちゃわちゃしていた。こういう姿を見ると二人とも幼児体型なのも相まって年相応の行動をしているように見えてしまった。まあ、アリスは精神的に幼児に近いのかもしれないが。そう考えつつ眺めていると誰かが左腕に抱き着いてくる感覚がした。この流れだと間違いなく彼女だろう

 

「やはりケイでしたか」

 

「流石父です。抱き着いただけで私だと特定できるだなんて」

 

「付き合いが長いので。そしてよく来ましたね」

 

「はい。私も甘えたくなったので来ました」

 

頭をぐいぐいと押し付けてくるので撫でて欲しいのだろう。ホシノに視線を向けると親指を立ててグッドサインを行ったので頭を撫でる事にする。すると急にケイの体温が上昇していき煙が出始めていた。少し見ない間にこういう部分がホシノに寄ってしまったのか…と少しだけ頭を抱えてしまいそうになる。

 

 

数時間甘え続けて満足したアリス達は「また来ます!」と手を振りつつ百鬼夜行からミレニアムに戻っていった。話している最中に気づいた事だがケイの銃には転送装置が装着されている。ならば毎回家に帰って夜は家族団らん、のように過ごせば仮住まいに居る必要はないのでは? と思いホシノに伝えてみた。

 

「まあ…そうなんだけどさ。その、ね…? 先生と小さな家で二人きりで新婚さんの気分味わいたいなって…///」

 

ホシノは恥ずかしそうにしながらもそう答えた。ならばそれ以上口を出す理由もない。遠くから「らぶらぶですのぉ~!!」と聞こえてきたが彼女のしたいようにさせてあげるのが一番だろう。

 

「だから救護騎士団の子が先生がお風呂入ってる時に現れるって聞いたときは思わず怒りで金髪になっちゃうかと思ったよだって私と先生の愛を育む為の家なんだよそこに入ってくるなんて駆除されても仕方ないよねって思うんだよねこの際だからナギサに頼んで先生に近づいたら銃で撃ってもいいみたいな規則でも作ってもらおうかな頼るのはちょっと嫌だけど余計なプライドを捨てて先生の事を守れるならそうするべきだと思うんだ先生もそ

う思わない?」

 

「ええ、ホシノが一番大切ですよ」

 

「うへへ///」

 

突然目から光が消えて呪詛のように早口で湿度が高く依存性を表し始めたので彼女が一番の存在であると伝えてまたいつものホシノに戻って頂いた。実際自分の中でホシノを超える神秘を持った生徒は現れないだろう。勿論神秘以外にも興味深いものが多いのと彼女に魅力を感じてしまう為キヴォトスに居続ける限りはホシノの近くにいる事になるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウオオオオオオオオ!?!? ずっと連絡を送ってやっていると言うのに無視しやがって!! もう許さん、勝手に小生の遊戯始めちゃう!! 手筈通りシャーレを爆破して先生爆破してやる!!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。