例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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爆破まであと1話…?

少し前までずっと届いていた迷惑メールが遂に届かなくなった。ようやく諦めたのだろうか? もし予想している奴が送ってきていたとしたら何か企んでいるかもしれないので念の為他の先生に警戒しておくように伝えておく。その際シャーレの爆破、という単語にマエストロが強く反応し『感謝する』と礼を述べてくれた。

 

こちらは特に変わった事はない。強いて言えばホシノが最近見回りから帰るのが遅いのが多少引っかかる程度だろうか。そこまで遠出しているわけでもないが特定の場所に留まっている為何かをしているのは確実なのだが今は触れないでおこう。あれ以降距離感が近くなったアヤメと共に書類整理をこなしていく。

 

「んー…」

 

「どうしました?」

 

「最近変わった、というより不思議な報告のものが多くてさ。ほら、この『他校のピンク髪生徒と沢山すれ違いましたの!』とか『マエストロ先生に会いに行こうとしたら白い泥棒猫に邪魔された。反吐が出る』とか『ねぎまを経費で食べつくしたよ』みたいな…最後のは後で注意しておくけど」

 

「ふむ…」

 

他校から訪れたピンク髪の生徒…ああ、前に頂いた嫌がらせ効果はまだ残っているのか。どうせならば件のプロトアリスに解除してもらえばよかったと考え始める。何処かにいる彼女を探して解除してもらうのも視野に入れよう。

 

「そういえばアヤメはホシノが見回りに時間が掛かっている理由をご存じですか?」

 

「ああ、この前『不安因子が増えてきたから警戒しないと』って言ってたけど…何かテロリストみたいなものが自治区内に多くなってるって事なのかな?」

 

「成程。それはホシノにとっての不安因子って事ですので問題なさそうです」

 

「ホシノさんが警戒する不安因子…ああ、そういう事か…黒先、なるべく一人で行動しないようにね」

 

「ご忠告頂き感謝します」

 

かつてマエストロも言っていた事がある。『特に何もしていなくても生徒に襲われかけるから気をつけろ』と。正直腕力ではどの生徒にも勝てないのでシールドを張って引きはがそうにもその程度しか対策がない。我々に出来ることは生徒達の良心に訴える事しか出来ない。マダムのようにハーレムを築き上げて愉しむ感覚を持ち合わせていればいいもののホシノさえ居ればいいので他の生徒とそういう関係になるつもりもない。とはいえ教師として生徒を無下にするのも気が引ける。それに雑に扱った結果襲われてそれを見たホシノが暴走でもしたら手が付けられなくなるので勘弁して欲しい。そう考えていると突然何かが爆発する音が響き渡った。

 

「まさかシャーレが爆破されて…?」

 

「あ、これは近いうちに開催する祭り用の花火を試している音だよ」

 

「そうでしたか」

 

念の為ニュースを見ても爆破されたなんて記事も速報も入っていないので杞憂だったのだろう。元々マエストロ達が警戒しているのならばそんな事象が起きるとも思えないので出番が来るまで大人しくしておこう。

 

「シャーレ爆破って言ってたけど何かあるの?」

 

「ああ、実はこの前シャーレを爆破する、という脅しのメールが届きまして。愉快犯だとも言い切れないので知り合いに警戒するよう共有しているのです」

 

「今時そんな事をする人がいるんだね。…あ、メールならミレニアムで発信元を特定出来たりするんじゃない?」

 

「言われてみればそうですね。時間がある時に知り合いに頼んでみますね」

 

「その必要はありません。私に全てお任せください」

 

しれっと会話に混ざってきつつ右腕に抱き着いてくるケイに多少困惑しつつもスマホを見せて相手の特定をしてもらう。何故か左腕に抱き着いてくるアヤメと共に結果を待っていると案の定というべきだろうか、予想通りの答えが返ってきた。

 

「これは…何処でしょう? 地下の奥深く、でしょうか? 本来であれば電波が届かないのですが…父はこの場所が分かりますか?」

 

「ええ。理解したくはないのですが残念ながら理解してしまいました」

 

本来であれば記憶の奥底に封じ込めて消し去りたいと思える程気の合わない彼。信じたくなかったが遂に動き出したか…

 

「もしかして黒先の知り合い? そういう冗談を言い合う仲って事?」

 

「いえ、彼は冗談を言わないタイプの大人…? です。少々気難しい方でもあります」

 

「父に迷惑をかける存在ならば今のうちに駆除しておきましょうか?」

 

「そうですね。予め潰しておくに越した事はないでしょう」

 

そういう事なので奴がいるであろう牢屋の元へケイに転送して貰う。しかしそこに奴はおらずメモ書きが牢屋の前に貼られているだけであった。

 

『黒服よ、貴様がここに来く事は予測していた。…小生の協力者がな!! そして三日以上、計千通は連絡を送ったというのに貴様は全て無視をした!! ならば宜しい、こちらも勝手に遊戯(ゲーム)を始めさせてもらおう!! 覚悟の準備をしておけ!! 貴様が敗北し刑務所にぶちこまれる楽しみにしておけ!! 良いなァ!!』

 

読んだ上で心の底から面倒だと思った。この馬鹿らしい茶番に付き合うのも面倒なので早々に片付けよう…

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